竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
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夏の山国母老いてわれを与太と言う 兜太

2018-06-29 | 金子兜太鑑賞
夏の山国母老いてわれを与太と言う 兜太




昭和61年、「皆之(みなの)」より

与太というのは愚か者と言う意味。
兜太さんの父君は医者でありながら
伊昔紅という俳人でもあった。
碧梧桐系に属していたと聞く。
幼少の頃に家で村人を集めて、よく句会が開かれたらしい。
そして、句会のあとはきまって酒を飲み、
句をだしに喧嘩になったと聞く。
幼少のその頃から、
お母さんに「俳句だけはやってはダメだ、
あれは与太のやることだからね」と言われていたと言う。

(「二度生きる」より)
兜太さんの母君はいまもご健在と聞いている。
兜太さんが82歳でいらっしゃるから、
母君では、すでに100歳を越えられていることであろう。
この句を作られた時でも、
80歳は越えていられたと思う。
そのお母さんが兜太さんへ「与太、与太」と呼ぶと言うのだから
まったく愉快、豪快な話である。
それをまた、こうして一句にする、作者も豪快である。
「われを与太と言う」には
母君の、歳をとっても子どもに負けていない、自尊がある。
その元気のいい母君が
与太」と呼ぶのを、
兜太さんはとても爽快に思っているのである。
それが「夏の山国」によく出てい

参照 
http://www.shuu.org/newpage24.htm

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