strong>みちのくの乾鮭獣の如く吊り 山口青邨
日本海に面した北國の漁村
塩を含んだ寒風に
晒す干し鮭が天井から夥しくぶら下がっている
作者はこれを見たに相違ない
たしかに海を渡り川を遡る魚の面影はない
獣の末路に擬して
作者は敬意をも感じているようだ
(小林たけし)
【鮭】 さけ
◇「初鮭」 ◇「秋味」 ◇「鮭の秋」 ◇「鼻曲り鮭」
サケ科。体長約1メートル。9月ころから産卵のため群れをなして故郷の川を遡ってくる。上流で産卵し、孵化した稚魚は海に下って成長する。北日本、特に北海道西海岸に多い。肉は鮮紅色で、東京ではしゃけ、北海道では秋味(あきあじ)と呼ばれる。
例句 作者
ここは生国鮭面と呼ぶ身内居る 鈴木八駛郎
ふるさとに鮭帰る川君もかへる 齊藤美規
みちのくの鮭は醜し吾もみちのく 山口青邨
乾鮭の背骨にふれて刃をすすむ 小檜山繁子
包丁の力を決めし鮭一匹 秋葉礼子
夕暮がからだにあふれ鮭のぼる 大石雄鬼
急き立てるしほから声や鮭の市 宮井保彦
星星は定位置にあり鮭上る 松王かをり
永遠やこの岸に鮭を繋ぐ人 安井浩司
ここは生国鮭面と呼ぶ身内居る 鈴木八駛郎
ふるさとに鮭帰る川君もかへる 齊藤美規
みちのくの鮭は醜し吾もみちのく 山口青邨
乾鮭の背骨にふれて刃をすすむ 小檜山繁子
包丁の力を決めし鮭一匹 秋葉礼子
夕暮がからだにあふれ鮭のぼる 大石雄鬼
急き立てるしほから声や鮭の市 宮井保彦
星星は定位置にあり鮭上る 松王かをり
永遠やこの岸に鮭を繋ぐ人 安井浩司