竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
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みちのくの乾鮭獣の如く吊り 山口青邨

2020-09-26 | 今日の季語


strong>みちのくの乾鮭獣の如く吊り 山口青邨


日本海に面した北國の漁村
塩を含んだ寒風に
晒す干し鮭が天井から夥しくぶら下がっている
作者はこれを見たに相違ない
たしかに海を渡り川を遡る魚の面影はない
獣の末路に擬して
作者は敬意をも感じているようだ
(小林たけし)



【鮭】 さけ
◇「初鮭」 ◇「秋味」 ◇「鮭の秋」 ◇「鼻曲り鮭」
サケ科。体長約1メートル。9月ころから産卵のため群れをなして故郷の川を遡ってくる。上流で産卵し、孵化した稚魚は海に下って成長する。北日本、特に北海道西海岸に多い。肉は鮮紅色で、東京ではしゃけ、北海道では秋味(あきあじ)と呼ばれる。

例句 作者

ここは生国鮭面と呼ぶ身内居る 鈴木八駛郎
ふるさとに鮭帰る川君もかへる 齊藤美規
みちのくの鮭は醜し吾もみちのく 山口青邨
乾鮭の背骨にふれて刃をすすむ 小檜山繁子
包丁の力を決めし鮭一匹 秋葉礼子
夕暮がからだにあふれ鮭のぼる 大石雄鬼
急き立てるしほから声や鮭の市 宮井保彦
星星は定位置にあり鮭上る 松王かをり
永遠やこの岸に鮭を繋ぐ人 安井浩司


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