竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

冬の星午前零時のアラームよ  西山ゆりこ

2018-08-18 | 今日の季語


strong>冬の星午前零時のアラームよ  西山ゆりこ

 夜空は凍るような寒さである。
真っ暗に澄み切った空の中に、
光を放ついくつかの星が浮かんでいる。
星は隣の星との連絡を保ちながら、
気に触れることでたちまちに凍りつき、
鋭さと鮮やかさを増して地上に届く。
耳を澄ませば、光の粒と空気が擦れ合う音が聞こえて来そうだ。
そんな中、突然鳴り出した一つの目覚まし時計。
この日の正午に起きようとセットしておいたものが、
スイッチを切り忘れたために深夜の〇時に鳴り出してしまったのだ。
慌ててアラームを止めに走る作者。
っきまで張り詰めるような静寂に包まれていた星空にも、
一瞬動揺が走った。
しかし作者が再びもとの場所に戻って見上げる時には
星はすっかり平静を取り戻して、何事もなかったかのように輝いている
突然のことに驚いた作者の鼓動音だけが、
森閑とした冬の夜空に、異様に大きく鳴り響いている。


参照 https://kakuyomu.jp/works/1177354054880622271/episodes/1177354054880622272
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