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竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

大空にもの云っている木守柿 流伴

2017-10-22 | 
大空にもの云っている木守柿




木柿は来年もまたたくさんの実をつけるようにとの願い
また鳥たちへの優しい心遣い
それなりに理由がある
日本人の心の豊さを感じさせる
上品な心遣いは日本人の美徳だと思うが
最近の施錠にはナンセンスばかりで薄っぺらさに落胆する

原句 2014/11/15
青空がもったいなくて木守柿  
青空がもったいない」にこだわったのだが
季語の座五がどうにも収まらない

片足は空に溶かして秋の虹

2017-10-21 | 

片足は空に溶かして秋の虹




秋の虹は夏の虹と違って淡い色彩が良い
両足がみな見えることはほとんどない
秋の澄んだ空に淡い七色の霞みはあわれでもある

原句2014/11/15
ひとまたぎ地球を測る秋の虹
気に入っていたのだが
秋の虹の理由がない
むしろ夏の虹の逞しさが相応しい

愛き時も鬱たる時も青蜜柑  流伴

2017-10-20 | 
愛き時も鬱たる時も青蜜柑



青蜜柑は早生蜜柑でまだ熟しきってはいない
これからが正念場の本物の評価だ

愛き時も鬱たるときもそのままということはなく
次のステージまでの一幕である

青蜜柑のように次に正念場が舞っている


2014/11/15 原句のまま

尾花波はるかにわたる高架下 流伴

2017-10-18 | 
尾花波はるかにわたる高架下



近くに渡良川の支流「思い川」がある
T市との境界にもなっていて川幅も広い
高架橋ができて15年ほどになる

60代の頃はほとんど毎日散策のコースだった
高架から覗く
どこまでもどこまでもこの季節は川の両岸は芒が原となる
原句 2013 2013/11/15
高架橋歩いて独りわが小春
なんとも初学らしい素直な句
わが小春 にそれなりの工夫をしたようだが

邪魔な声かけ短日の庭仕事  流伴

2017-10-16 | 
邪魔な声かけ短日の庭仕事



秋も深まってくると
自宅の小さな庭に
桜、柿、山法師などの落葉が溜まっていて
雨の風情は悪くないがその後はなんとも見苦しい
夏の間に手を抜いた草むしりの荒れようも凄い
冬支度まではできないが
短い日の中で庭仕事をしていると
ご近所さんや通りすがりの人が声をかけてくる
ちょっと迷惑だ


原句 2013 2013/11/15
まだ無駄話短日の庭仕事
掲句と同意だがどうか

ひとり焚くさくら紅葉に文を焼べる  流伴

2017-10-15 | 
ひとり焚くさくら紅葉に文を焼べる



もう16年も前に4番目の孫が忌まれたときに
妻が飢えた桜の木
紅葉した葉が落ち始めた
1ヶ月ほど前に染め初めた時は天気も良く
まだまだ日盛りだったのだが

桜は紅葉するのも早く散るのも早い
季節を追っているようだ

家族そろっての庭での花見も昔もことになっている



原句
染め初むる宮の一樹のひとり分 2013 2013/11/15
ひっそりとした古宮の桜の古木
気付いたのは私だけのように染め初めていた

街路樹の思い切りよく冬支度  流伴

2017-10-14 | 
街路樹の思い切りよく冬支度



10月も半ばを過ぎると
街路樹の剪定が毎年行われる
枝葉を思い切り落としてほとんど裸、丸太のようだ
来春になると眩しい新緑をみせてくれる

新しいいのちは古いものを断ち切ってこそなのだ


2012 2012/11/15 原句
冬に入る街路樹の影ただ細く
初学の作、みたまんまだったが嫌いではない
細い影にも先を信じる樹木の逞しさが感じられる

猪の鼻は万能蚯蚓掘る 流伴

2017-10-13 | 
猪の鼻は万能蚯蚓掘る




富士山の裾野を歩いた経験がある
猪の泥浴の痕や蚯蚓を食べた痕跡なども初めてみた
食堂で猪の頭を杭に翳しているのには仰天だった
猪の鼻は万能だとつくずく感心したものだった


2012年原句
泥まみれなる猪の虫退治

富士山麓で猪の蚯蚓を食んだ穴をたくさん見た
虫退治ではなかった( ´艸`)

男さか己が丈夫に紅葉酒 流伴

2017-10-11 | 
男さか己が丈夫に紅葉酒 流伴



全山の錦に染まる季節の到来
近県の山々を観楓する
古刹名刹のsる山も多い
頂上の境内までの道筋に
「男坂」「女坂」の分かれ道があることが多い
ためらわずに「男坂」を選んですすむのだがたちまち公開する
登りきったところで
持参のポlrットウィスキーをなめる
小さな達成感が全身にみなぎってくる


原句
石段を登れば古刹鳥渡る
なんとも素直な初学の作

でんでんに向く墨の影破れ蓮  流伴

2017-10-10 | 
でんでんに向く墨の影破れ蓮 



蓮の花の一年の映りは千変万化の様相だ
その根までを人は見逃さない
眺めたり食したり
泥沼からのあの真っ白な花の不思議
彼て破れたその姿じゃ人の形にさへ見える

原句
てんでんの装い枯れし晩秋路
蓮の枯れた姿に個性があるように感じたのだった

鶏頭花にぎった拳おさまらず 流伴

2017-10-07 | 
鶏頭花にぎった拳おさまらず



鶏頭の花が握り拳にみえる
秋も深まってくると爽やかな風は北風になる
鶏頭花は寒風に拳を握って耐えているようだ

よるべない身にはただ我慢するより術はない


原句
鶏頭花あげた拳のおきどころ
拳のおきどころ 
で切ってあとは読者に委ねたのだが
無理が直ぐ他かも知れない
おさまらず で簡明になった

満月や臥所の友と般若湯 流伴

2017-10-05 | 
満月や臥所の友と般若湯



昨夜の満月は見事だった
8時ごろにベランダから眺めて充分に楽しんだが
真夜中にあまりにも外が明るいので覗いてみた

10年ほど前だが
癌治療中の友を満月の時に見舞ったことがある
完治しないことを察知していた友だった
良いわけはないのだろうが
酒好きの彼と大吟醸の小瓶をベッドわきで
あまり語らずに酌んだことが偲ばれる
彼はその半年後に亡くなった


原句
難病をかたりし友に温め酒
語る友が哀しすぎる
温め酒も節操のなさが目立ちすぎる

留守居役家ぢゆうの古酒始末せり 流伴

2017-10-03 | 
留守居役家ぢゆうの古酒始末せり





ワイフが中学校のクラス会に出席で
実家に泊りがけで出かけた
とっておきの古酒をゆっくりと味わったがもの足りない
結局、家じゅうの酒が空になった

原句
古酒始末中途半端や留守居番

物足りないことの訴えが中途半端だ

果てたるも折れるをしらず曼珠沙華 流伴

2017-09-30 | 
果てたるも折れるをしらず曼珠沙華



曼殊沙華は毎年同じ場所に同じ形で咲いている
その季節から彼岸花とも呼ばれている

葉をつけず細い茎をスックと伸ばし
大きく花弁を開いて
空に何かを訴えているような形だ

雨に打たれて果てることも多いが
その茎の折れるのを見ることは少ない

望み半ばの無念を訴えているようだ

鰐口のはきだしている秋気かな  流伴

2017-09-29 | 
鰐口のはきだしている秋気かな



朝のウオーキングのコースに
小さな神社がある
朝露を踏みながら短い参道を進んで
参拝をする
秋の爽やかさが満ちていて
思わず深呼吸してしまう
鰐口を鳴らすとその音も軽やかで気持ちが良い
鰐口が秋気を吐き出しているようだ

原句
爽涼に鰐口三度響かせる

鰐口の措辞の理由がない
掲句には鰐口でなければならない景があると思われるのだが