goo blog サービス終了のお知らせ 

明るいときに見えないものが暗闇では見える。

映画を消費モノにさせないための咀嚼用ブログ。自己満足風。
それと苦手な文章の練習用。

【オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014)】

2014年07月11日 | 映画




今年の夏のトムさま映画です。昨年の『オブリビオン』に続いてSFトムさまです。好み系です。


日本のラノベが原作とのことで、ものすごく日本っぽいと思いました。ていうかこれ完全にTVゲームです。

しかも今どきのTVゲームじゃなくてファミコンの超ムズゲーとか鬼畜ゲーとか言われる部類のもの。「ロックマン」とか「スペランカー」とか「魔界村」とかそのへん。1ドットの動きでも失敗したらすぐリセットボタンを押す。ヒットポイントが残っていようが、すごく苦労してそこまで辿り着いていようが、リセットして何度も何度もボス攻略を目指しプレイを繰り返す、まさにその再現です。

原作の桜坂さんの年齢を確認しますとほぼ同じ年。この人も小学生の時にボクと同じ時間を共有していたのだなぁと得心しました。


お話というか基本設定は時間ループものなので正直ありがち系です。SFなら『ミッション8ミニッツ』、コメディでも『恋はデジャ・ブ』が近いでしょうか。その上、なぜタイムループしてしまうのか、という設定「アルファだオメガだ」は、なるほど新たに捻り出した感に関心はしましたが、いまいちわかり易さと納得感に欠けます。

しかしここで考えこんではいけない、この作品の見どころは絶対その原理の妙ではなく、この“TVゲーム感覚”なのだと言い聞かせて、頭が鑑賞中に考えこむのを封じ込め、ぐるぐるループとトムさまの成長を楽しむことに集中。結果、すごく面白かったです。人が死ぬ・殺されるたびに笑える映画って珍しいです。そこ狙ったんでしょう。大成功です。


成長と言えば、トムさま含め役者さんがものすごく撮影大変だっただろうと思います。セットやスケジュールの都合上、時間軸を追って撮影できるはずもありませんが、その中で僅かずつ成長していく姿を演じるのです。怯えた目でうつむくヘタレなトムさまからスーパー戦士のトムさままで、これって何回目のループでどれぐらいの戦闘理解度なのか、彼女とは何度目の出会いなのか、どこまで一緒に命運を共にしたのか、すべてを加味してその場その場で演技をしていく。。。ラストシーンで彼女を観る眼差しに、役者としてのトムさまの巧みさを感じました。



まさに「自分を変えれば、世界が変わる」。

それをエンタテイメントSFとして見事に体現した傑作です。



→ 映画レビュー満載の日本ブログ村ランキングへ

【トランセンデンス(2014)】

2014年06月30日 | 映画



【ネタバレあります】


「人類vsコンピューター」ものってSFではかなり手垢のついたジャンルといえますが、クリストファー・ノーランっていうことで新しいものが見られることを期待して行きました。

圧倒的回線速度の上昇や、Googleを始めとした分散仮想化コンピューティングをベースとし、既に完全に社会基盤となってしまった“現在のインターネット”。AIにアップロードした人の脳がこのネットにつながれたら……。一瞬にして世界中に分散しすべてを掌握、天文学的な計算速度を手に入れることにより、あらゆることを実現可能に。。。

これ、今のテクノロジーの延長線上にある“未来への警鐘もの”としてよく出来ていると感じました。テクノロジーの進化は人類に本当に幸福をもたらすのか、その自覚と道徳がないと、人々はテクノロジーに手痛いしっぺ返しをくらうことになる。それを通常のSFによくある現在を超越したテクノロジーや、デストピアの上に描くのでなく、あくまで現在とつながっている地続き感から来る恐怖と期待から描いています。「ナノマシン」もやり過ぎ感はありながらも、今作のキービジュアルとして斬新なものを観せてもらえた喜びがありました。


ただ…、なんかスケールが小さい。世界規模でなんにも起こらなくて、「世界の危機だ!」「ジョニデ暴走!ヤベェ」「ドーンだ、バーンだ」感の不足っていうか、SF映画的派手さに欠けるというか…。

そう、SFとしてはね…。

ところがこの話、実はSFの殻をかぶったラブストーリーだったのですよ。

だから世界の危機も起こらず、ただあの小さな田舎町で話は完結。「彼女の夢」をジョニデが魅せていただけだったのでした。彼は彼女と小さなユートピアを作りたかっただけかもしれない。なるほど、なるほど、だからか、と様々散りばめられた伏線的なものが頭をちらつきました。しかし、いかんせん 「大きなハデなものを期待」→「小さなものに落ち着く」 からか消化不良感が抜けませんです。


ボクが期待する方向を間違えていたのかもしれませんが、世間様はどうなんでしょうか。鑑賞後、反芻していくと確かにジワジワ面白く感じてきました。リアルとデジタルを超えて夫婦の愛を描く斬新でセンチメンタルな泣けるお話。新しい技術のブレークスルーがもたらす新たな未来と人類の希望。映像はさすがノーラン組でスタイリッシュ。もしかして編集で生まれ変わるかも。ディレクターズカットなど期待です。



P.S.
「ボクのノーラン、コレジャナイ」と鑑賞後調べてみれば監督でなく製作でした。監督・脚本は「ダークナイト」「インセプション」でカメラやってた人とのことで、ノーランスピリッツ継承者と思われます。が、テロの容認とか、「Y2K」のセリフの寒さとか、脚本だけはノーランが書くのが良かったかもです。


→ 映画レビュー満載の日本ブログ村ランキングへ

【スノーピアサー(2013)】

2014年06月27日 | 映画

 

予備知識ほぼなしで観る予定が、観賞直前に「クリス・エヴァンスなのに韓国映画らしいよ」→「え、マジか!?」という状況。ハリウッドの皮を被った韓流と言えば、かの迷作『D-WARS ディー・ウォーズ』を思い出し、一抹の不安を抱えて観賞開始。しかしオープニングクレジットで「ポン・ジュノ」って出たので少し安心しました。

で、第一声は「コレ、結構スゴいわ」。

開始当初、列車の中での階級社会という設定がかなり強引なため、よくある「SFなんだからそこは前提なので触れないし説明もされない」ということなのだろうと観始めました、ところが実はそこは作品のキモで、その不納得感を考えさせる余地のないスピード展開と、少しずつ布石が回収されていく感が絶妙。最終的に提示される“縮図”であったというオチは、力技でねじ伏せて納得させるのではなく、こんな強引な初期設定がここに落ちるのか!と、ありそうなオチながら見抜けなかった自分に「やられた!」という喜びを満喫させてくれました。

アクションに関しては、閉塞空間で素人が強引に前に進みながら戦うという設定なので、それ自体はウリではないのでしょうが、大きなカーフでの銃撃戦は映画史に残ってもいい名シーンです。さらに韓国映画にしてはゴア描写は控えめで、ストーリーの面白さの方に比重が置かれています。

あとちょっとヘンな空気感も魅力です。緊迫の場面のはずなのに、少しだけ「ズラ」す演出。それによりなんとも言えないただの作品ではない雰囲気を醸し出してます。ポン・ジュノ監督が『グエムル』でも魅せているあの雰囲気とはちょっと違くて、あえて言えばテリー・ギリアム感とかティム・バートン感をほんの少しだけ、という感じ。あえて力の抜けた演出が加えられることで、シリアスと空想のはざまに作品を置き続けます。真正面からとらえると重たすぎる状況を、痛快なエンターティンメントに魅せる演出っていうんでしょうか。こういうのって裏目に出る可能性もあって非常に難しいですが、本作ではみごと成功しています。

クリス・エヴァンス、エド・ハリス、ティルダ・スウィントン、ジョン・ハート、(もちろんソン・ガンホも)と豪華俳優陣にも驚きます。ポン・ジュノの名前でここまで集められるのですね。完全に世界監督です。それに彼は、ほんっとなんでも撮れる人なのだと関心します。こないだ『母なる証明』を見たばかりですので同じ監督とはとても思えない。


もし「韓国映画だから」と躊躇している方いたらぜひご覧あれ。ただのハリウッド模倣ではない、アジアの新しい風を感じられます。


→ 映画レビュー満載の日本ブログ村ランキングへ

 


【ザ・マスター(2013)】

2014年02月10日 | 映画





ひさびさの感想です。

「サイエントロジーを題材にした…」的な前振りがあったため、新興宗教/スピ系大好きな自分としてはこれは必須科目と思い飛びついてしまいましたが少し期待違いだった様子です。正直なところ難しい映画でした。

導きたい者とそれに従いたい者。狂犬はマスターに自分を導き正してくれることを期待し、マスターは狂犬を手懐けることにより自らを正当化することを期待する。お互いが共依存関係にありながら、絶望と別れそして再び邂逅するという様が、マスターの教えである輪廻転生に重なっていく。

自分はどちら側の人間なのかによりこの作品から受ける印象は大きく違ってきそうですが、誰もが時と場合と立場により違うのでしょうね。それをエイミー・アダムス(!)にあんなことさせてマスターを手懐けている様で見せてしまうPTA監督ってばヒドいですw。

説明を省略した脚本・演出は、それが意図的と分かっていながらも最後は置いて行かれた気分でした。どこにオチたのだろう。どこにもオチてないのだろうな。輪廻するんだから。「面白い」と手放しでは言えないけれどもなんとも心に引っかかる二度目を観たいと思わせる作品でした。

ホフマンの丸顔演技は上手いとは思いながらもそろそろ見慣れてきてしまった感ありですが、ホアキンの演技はおっそろしくリアルですね。あんな狂犬にはお近づきにはなりたくないものですと本気で思わせます。




→ 映画レビュー満載の日本ブログ村ランキングへ

【キャビン(2011)】

2013年03月18日 | 映画





ホラー映画ってのは手を変え品を変え新しいものが生み出されながらも、その根底にはある程度共通するフォーマット(定石)ってのがあったりします。例えば「処女は生き残る(サバイバーガール)」とか「ゾンビは頭を打たないと死なない」とかそういうお決まり事のことですね。その上でそんなお約束を逆手にとったホラージャンルってのもありこれがそこそこ面白かったりします。有名どこでは「スクリーム」シリーズ最近では「ゾンビランド」とかが記憶に新しいところです。

この『キャビン』はつまりはそれ系のお話なのですが、その目の付けどころがかなり斬新で興味を引きます。「そもそもどうしてホラーではこのような定石が必要だったのか」というさらなるメタ視点に立つことで旧来の作品群からさらに一歩踏み込んだ構成となっており、こういう手もあったか~とかなり関心させられました。ある意味定番スラッシャーホラーがそのままシチュエーションホラーになっていながら壮大なオカルトとして成り立っている、みたいな(←なんじゃそりゃ)。かなりの変化球です。

その上全編愛に溢れたホラー小ネタまつりで楽しい楽しい。このキャラなんのパロ?この小道具あれのヤツだ!と最後までクスクスしっぱなし。丸いパズルボックスだけでかなり笑いましたよ。またオールスターによる最後の血の狂宴は『ブレインデッド』並の激しさでストレスもスッキリですw

ストーリー構成上、操作室に関するネタ提供が多く早くにオチバレしてしまったのが残念でした。が、そのぶん謎を追うことに頭を働かせるよりも画面の隅々から溢れ出るホラー愛を感じることに集中できてよかったかなーと思ったりしてます。

個人的には最後の盛り上がりにもうちょっと緻密さが加われば、壮大なバックボーンがさらに広がって楽しくみられたかなと思うとこもあります。しかし最近出オチ担当wの某俳優さんの登場により安い作品には見えませんでしたね(まあそもそもこんなホラーにクリス・ヘムズワースやリチャード・ジェンキンスとか出てるだけで十分豪華w)。そういう意味でもアイデア勝利の技あり映画で、オマージュやらパクりやらとホラー好きな人はたまらない面白さが詰まった作品になっていると思います。


ホラーあんまし観ない人でも十分イケますが、『死霊のはらわた』『悪魔のいけにえ』『ゾンビ』『CUBE』『IT(イット)』あたりは押さえとくとより楽しめます。あとあのピンヘッド愛を見せられると『ヘルレイザー』は必須ですね。そういえば本編開始前の予告にて『リメイク版死霊のはらわた』が流れたのはあきらかな前振りで笑いましたw


あと全然趣向は違いますがスラッシャー映画のメタ視点作品として『ビハインド・ザ・マスク』が結構面白く愛に溢れていますので紹介しときます。


P.S.
主役の女子大生役クリステン・コノリーがあのカワユさで32才らしい。。。それもホラーか?






→ 映画レビュー満載の日本ブログ村ランキングへ

【THE GREY 凍える太陽(2012)】

2013年02月21日 | 映画



イマイチ地味で見たことありげな設定に少し食傷ぎみでしたが観てみてよかったです。リーアム兄やんじゃなきゃ危うくスルーするところでした。

飛行機事故で遭難した男たちが極寒の雪山でオオカミの群れと闘うという漢(おとこ)のドラマ。真っ向から自然の脅威を描き、全編通してとにかく男臭いです。なんとなく昭和な東映の薫りがします。

生き残った男たちは一人ずつオオカミに血祭りにあげられていきます。しかしこれがワザとなのか監督の力量なのか、その人物像についてあまり深堀りせずお互いの心の交流的なものもほとんど感じられないため、ヤラれても「ああ、大事な仲間が...!」感があまりありません。さらに言えば鑑賞後には誰ひとり顔も覚えていない始末w。おかげで変なヒューマンドラマに陥いることなくリーアム兄やんの目線中心にどんどん話は進みます。

そのリーアム兄やんの行動もベテランのオオカミハンターにしては「なんとなく森へ逃げる」「なんとなく川沿いに小屋があるかも」「なんとなくオオカミの巣に来ちゃった」という行き当たりばったり。通常はこれらサバイバルものの場合「あそこへ行けば助けが来る」「あの場所まで行けば敵から逃れられる」などの目標設定がなされるものなのですが、本作にはそれもないため絶望感や徒労感だけが蓄積していくというグッタリ感です。なんかもう主役の行動に説得力ないとかどうのこうの言う前に、自然の脅威の前に右往左往するしかない人間の小ささが結果的によく出ていたと思います。←これでも褒めています。

しかしそんな作品全体から漂う徒労感は、実はすべてが最後の1シーンのための前説だったのです。厳しい父に育てられ、最愛の恋人も失い、人生に絶望していたリーアム兄やん。しかし最後に追い詰められた時、これまでのすべての意味はこの瞬間に結実していると悟ったその眼力の演技は絶品!これ観るためだけに2時間ガンバったよオレ(T_T)。

もちろんその敵対するオオカミも怖い怖い。下手はホラーなんか目じゃないです。目の光や遠吠えによる姿を見せない時の威圧感がスゴイです。これは劇場で観るべき映画でしたな。

理屈抜きの男臭いサバイバル映画。人を選ぶと思いますし、理屈とか欲しい人には向きません。この真っ向さ加減が昭和な薫りがして良いのです。まあガイジンは昭和の薫りを知らんだろうけど。。。

さらにリーアム兄やん好きなら楽しめると思います(^_-)b



→ 映画レビュー満載の日本ブログ村ランキングへ

【みなさん、さようなら(2012)】

2013年02月08日 | 映画



【ネタバレ少しあります】
何も入れずに見たほうがよい作品ですので一応行間空けときます。。








小学校卒業後「学校にも行かず団地の中だけで生きていく」そう決意した少年悟(さとる)くんの20年間に及ぶお話です。

その突飛な設定や濱田岳くんのキャラもあり、冒頭からしばらくは肩の力の抜けたホノボノ作品の様相を呈しています。女手ひとつで悟を育ててきた母は、そんな息子を「大丈夫」とただ見守ります。友達も無理やり彼を連れ出そうともせず、学校へ来ないことを責めたりすることもなく普通につきあっています。

そして彼には「団地はオレが守る」と意味の判らない強い意思があります。大山倍達に憧れダンボール相手にトレーニングに勤しんだり、夜の団地内パトロールを日課にしていたりと彼の行動は謎につつまれています。しかもそれが全編ゆる~く描かれていることで、クスっと笑える脱力系コメディなのだろうと思わされます。

しかし年をとるにつれ団地内だけで暮らすことの現実が徐々につきつけられます。そして「みなさん、さようなら」の意味が見え始めた頃、彼が団地から出られない理由が明かされます。悟が何から卒業できないのかそれが分かった瞬間、前半すべてのピースが組み合わされ、自分が観ていたものがコメディではなく重苦しい現実だったことににぐるりと姿を変え気付かされることになります。

本作はあるトラウマから抜けられないひとりの少年の成長譚ですが、それ以上にそれを支えていた周囲の愛のお話です。前半には可笑しく思えていた母や友人達の行動が、実は彼を気遣い、彼の成長を促し、何より彼を信じて行われていたものだということが、前述の手法を用いることでより強く表現されています。『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』と同様、自分が愛されていることを再認識させてくれるチカラがある作品です。母は強し。

とはいえ濱田岳くんという邦画界きってのキャラクターですからコメディとシリアスのいいとこ取りに成功しています。12歳から30歳をそのままで演じられる役者なぞ世界中探してもいないでしょう。また中村義洋監督と彼のコンビはもはや無敵です。

最近の邦画が得意とする、ゆる系のどんでん返し系作品です。軽く笑って泣いて、周囲への感謝を取り戻す。心のお掃除をしたい方、ぜひどうぞ。


ところで波瑠のあのモッタイぶり感はどうだぁぁっ!おじさんは辛坊たまらんですよっっ!!しかも倉科カナまでもっ!最近大注目の若手女優2名とあれやこれやできるとは、岳くんウラヤマスィかったよ。。。



→ 映画レビュー満載の日本ブログ村ランキングへ

【LOOPER/ルーパー(2012)】

2013年02月04日 | 映画



最近ジョセフ・ゴードン=レヴィットにはまっています。例えば『インセプション』の口数少ないクールエージェント、『メタルヘッド』の細マッチョ無頼漢、『50/50』の等身大青年の繊細さなど、作品毎に全く違った魅力が感じられ次々と過去の出演作をあさっている最中。今一番の注目株です。最もお気に入りは『(500)日のサマー』で、あのちょっと弱めのヤサ男ぶりとタレ目の笑顔にオッサンながらグッと来たりしてたりして。そしてついにこの『LOOPER。』ではブルース・ウィリスとダブル主役。さらに大好きなSFアクションと来ればもちろん観に行くに決まってるというものです。


。。。で、さてこの「ボクのジョセフはコレジャナイ...」感はどうしたものかw。ジョセフの30年後がブルースというそもそものキャスティングに無理があるのは承知でしたが、ジョセフのその風貌はもはや特殊メイクのレベルw。確かにブルースにジョセフのメイクするわけにはいかんやろし、演技派の彼はブルースの特徴をよく捉えていたりもしたですよ。でもあのマユゲやらヒゲやらに序盤は笑いをこらえきれずw。まあそれでもしばらく観ていれば慣れてきて、徐々にお話の面白さの方にに引き込まれていきました。


本作はSFタイムトラベルものです。「過去の因果が未来につながる」というその王道な設定は面白くもあり永遠のマンネリでもあります。なのでどうしても同類作には既視感が出てきてしまうのですが、最近では『ミッション8ミニッツ』やアニメ『STEINS;GATE』のように最新の量子物理学における並行宇宙論をベースとした新たなタイムトラベル作品も出てきたりして目新しさも演出しています。が、これらは体感的にわかりづらいのが難だったりします。

さて本作はといえば「過去の因果‥」の王道タイムトラベルものなのですが、大きな“反則”を犯すことでそのマンネリを回避しています。なんと「別時代の自分に会ってはいけない」という鉄則をすんなり破ってしまっているのです。通常は宇宙的矛盾が起こってしまい大変なことが起こるwみたいな理屈があったりなかったりするのですが、本作ではそもそも「未来から送られてくる30年後の自分を殺す」というすでにグルっとループした矛盾に満ちた設定をベースにしています。そしてその理屈をどうSF的に積み上げているのか作品序盤でいろいろ考えていたのですが、作中ブルースが「理屈は難しくて一日かかっても説明できんっ!」と放り投げてしまいます。ここでボクは「うはぁ、そんな荒業があったかっ!男前やっ!」と圧倒的に本作を面白いと思い込んでしまいました。なのでその後は何が出てきても肯定派。いやはや新しいオモシロSFタイムトラベルものが観られた~と満足して帰ってきた次第ですw。


TK能力の下りは設定としては面白いのに実はあまり時間旅行自体にはからんで来ないため、全体からみると物足りないとは感じました。しかし「時間軸の因果を断ち切る」という王道かつ希望の感じられる終わり方で、前半とっ散らかした割にはスッキリとまとまっていて見やすいです。映画的にはシドくんの未来に消化不良を感じる点もありますが、逆に余韻を残したこのエンディングにしたことを評価したいですね。


SF本来の理論の積み上げもぶん投げ、そして何よりブルースが強すぎて「結局ダイ・ハードじゃん」っていう力業映画ではありましたが、新しい試みとタイムトラベルの妙の味わえるなかなかの作品だったと思います。そういや結果的に新たなジョセフの魅力も開花しており、ボクのコレジャナイ感も払拭されていましたとさw。


→ 映画レビュー満載の日本ブログ村へ

【テッド(2012)】

2013年01月21日 | 映画




昨年に本国の予告編を見て以来「うわぁ、バカ過ぎて見てぇ」と思い続けてきた本作、ついに日本上陸。



R15+だし、マーク・ウォルバーグってそれほど日本で人気のあるわけじゃないしって甘くみてたんですが、予想に反して初日から満員でビックリ。本国では予想外の大ヒットだったらしいですが、あの予告やらCMやらにヤラれてしまった日本人かなり多かったんですね。そんな自分もその一員ではあるのですが、ここまで人気が出るとはねぇ。なんにせよネットで席予約しといてよかった~。だって初日に観たかったのだもの。

子供の願いで命を宿したぬいぐるみが、27年後ビール飲み飲みシモネタばかり言うオッサンに成長、アメリカ映画にいるいるこういうヤツって感じ。話も単純、ハリウッド映画によくある悪友2人(一人と一体)の友情と成長の物語ですね。ダラダラと遊び呆け、恋人との三角関係で絆が試され、ちょっとピンチもあったりしながら最後はハッピーエンド、と至極鉄板のストーリー。なんともくだらなカワイイ面白い。これなら安心して子供にも見せられる、、、ワケがない!下ネタはかなり本物レベルですのでご注意。徹底した大人向け描写が本作成功の秘密ですね。ただそのシモネタも往年のエディ・マーフィーほどお下劣ではないギリギリの線なんですよね。絶妙。ってか見た目に騙されているのか?でもモコモコぐまがパコパコやるのはやり過ぎかもw。

各所に散りばめられた映画の子ネタにも大爆笑。理解できないものも多かったですが、たぶんレアすぎて本国のリアル35歳であっても理解できないネタも多いんでしょう。なんであんなにトム・スケリット(ノストロモ号船長)にこだわっているのかは誰にも判らないだろうけど笑えますw。それにフラッシュゴードンにはあまりついていけないけど、ナイトライダーにはついて行きまっせ。ボクも結構同じ世代だからね。あとネイティブでないので微妙なセリフのニュアンスにもついていけてないのでしょうがバカさ加減は十分に伝わるし、あのモコモコぐまがとぼけた顔して縦横無尽に動きまわる姿が観られただけでもう大満足。マーク・ウォルバーグとガチでフルボッコするシーンは最高です。

こうなってくると日本語吹き替えも観たくなってきて、今週末また行くかと本気で悩み中。テッドが有吉に見えてこないといいけど。

続編があるとかないとか聞こえてますので、今からとっても期待しています。今回ヒットしすぎた感がありますので、次回作は変に全方位に気を使ったものに陥らせず、あくまでも大人オタク向けに徹することを忘れずにお願いしたく。

等身大ぬいぐるみ欲しい~。


→ 映画レビュー満載の日本ブログ村ランキングへ

【宇宙人王(ワン)さんとの遭遇(2011)】

2013年01月15日 | 映画




いまさらですが明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

新年一本目の感想がこれです。ボクの趣味丸出しw

イタリアに現われたエイリアンが中国語を話すというユニークな設定が興味を惹きます。なぜ中国語なのかは作中早々に明かされますが、実はこれが本作唯一の笑いどころ。その後はなんと緊迫の展開が続いていきます。「友好関係を結びに来た」という宇宙人の言葉を信用できず、イタリアの秘密警察らしき組織が王(ワン)さんを尋問し、さらには拷問まで行なっていきます。

主人公は急遽呼ばれた通訳のお姉さん。我々観客はその善良な民間人である彼女の目線で作品を見せられることで、尋問するおっちゃんがすごく悪者に見えるよう仕向けられます。しかし本当にワンさんの言う「友好関係を結びに来た」という言葉は真実なのか!?良くも悪くも「国家」という目線と「民間人」という目線から物事を見た場合にどちらの行動も真実に見え、自分の考えにもどんどん疑心暗鬼になっていきます。

歴史的にみても欧米人にとって人語(イタリア語)を解さず見た目も違うというのは、もう完全にエイリアン(=異邦人)なのでしょうか。あっちゅうまにGDP世界2位に躍り出て、たぶん観光立国イタリアを荒らしまくっているであろう中国人に対する脅威も垣間見えてきます。作中「日本のアニメみたいですね」というセリフに、日本人は受け入れられている様子に同じアジア人としてホッとしている自分がいたのはなんとも複雑な気持ちでした。欧米からみた脅威としてはインド人でも話は成り立つかもと思いましたが、やはり中国人の方がシックリ来るというのは、やはりそういうことなのでしょうw


低予算オモシロ映画の見本のような作品でした。ちなみに作品のオチはボクには予想通りでしたが、予想通りでない方の答えが期待できる人間になりたいと思っていますw



さらにハードなサスペンスをお好みなら『4デイズ』をオススメです。キャストは豪華(サミュエル・L・ジャクソンとキャリー=アン・モス)ですが、プロットはほとんど同じ拷問映画wです。こっちはイスラムに対するアメリカ人の心理が垣間見えますが、犯人は"イスラム系アメリカ人"ともう一捻りが加わっておりより面白みがあります。

ところで主人公の翻訳家の彼女。ジョディ・フォスターに芹那を足したような庶民派美女。なかなか好みでした。



→ 映画レビュー満載の日本ブログ村ランキングへ