明るいときに見えないものが暗闇では見える。

映画を消費モノにさせないための咀嚼用ブログ。自己満足風。
それと苦手な文章の練習用。

【ジャンパー】 飛ぶだけ

2009年03月30日 | 映画


飛ぶだけの映画。

どこでもドアを手に入れた子供が何するかをお金をかけて描いています。

類似作として透明人間になると男は何をするかをお金をかけて描いた『インビジブル』という映画がありますが、あれと同じぐらいくだらないです。

せっかくのジェダイの騎士同士の戦いだったのに、二人ともダークサイドに堕ちたみたい。

ツッコみはじめるとキリがない。でもそのくだらなさがジワジワ来ます。

2作目作る気まんまんな終わり方してるけど、無理だろな。

ヘイデン・クリステンセン好きなのに、作品に恵まれないねぇ。
このままでは息子(ルーク)と同じ道を歩むのではと心配。


評価:★★☆☆☆


最後に歳をとった銀座じゅわいよくちゅーるマキのお姉さんがおまけで見られます。


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【秒速5センチメートル】 創造的美しき記憶

2009年03月29日 | 映画



最近気になるCMがある。皆さんはご覧になったことがあるだろうか、全編アニメで製作されているこの大成建設のCM。おおぅ、この映像ってばどう見ても新海誠監督だ。


インディーズ作品『ほしのこえ』で衝撃のデビューを果たした新海誠監督。二作目『海のむこう、約束の場所』も同様、そのクオリティの高さには目を見張るものがある。緻密な描きこみによりリアルさを追求しながらもあくまでアニメ絵であることを強調した美しい映像と、それにシンクロするクオリティの高い音楽。そして一人称で語られる彼の紡ぎ出すせつないストーリー。なんつうか新海作品に流れる一貫した淡い哀愁は多数の人を惹き付けて止まない、らしい。

はてそう言えば彼の最新作(2007)『秒速5センチメートル』を観たいと思ったまま忘却してたことに気づく。これは観ねばなるまい。


前2作はSF作品で、本作は通常の恋愛短編。第1話「桜花抄」第2話「コスモナウト」第3話「秒速5センチメートル」合わせて60分の連作である。

転校ばかり繰り返していた小学生貴樹は、東京の学校で同じ境遇にある明里と仲良くなる。お互い淡い恋心を抱く仲となるが、すぐに互いの転校で離ればなれになってしまう。中学~高校~社会人へと成長する中、貴樹には思いを寄せてくれる女性が現われるが、彼の心の中にはいつも明里があった。

種子島への転校前、豪雪の中、貴樹は明里に会いに行く。別れ際に明里が告げた「きっとこの先も大丈夫」という言葉。永遠を信じすぎて時が止まってしまった男と、時間とともに生きた女。そして最後に貴樹が踏み切りですれ違った彼女。それはたぶん明里に重ね合わせた幻想であろう。そのため電車が通り過ぎたあとに振り返ることもありえない。第1話で語られる美しい過去も、貴樹が想像/創造した美しき妄想なのかもしれない。過去の恋とはそういいうもの。美しき思い出。あの通学路の桜のように。

踏切のあとの貴樹の笑いは、すでに過去になったものへの回顧か、それとも未だ引きずっている傷への哀愁なのか。新海作品に共通して流れるロマンチシズム。これって結局男の独りよがりなのかもしれない。本作ももしかして女性には受け入れがたいほどの青臭さなのではないか。また男であっても観る人の過去への接し方で大きく変わってくると思う。ただのこっぱずかしさを感じる人もいれば、同じ境遇で強く共感する人もいるだろう。はたまた全く受け付けない人もいそうだ。しかしただ一つ言えるのは、どれも自己愛=ナルチシズムという感情をどうとらえるかということから来る反応ではないだろうか。

"秒速5センチメートル" それは桜の舞い散る速度。貴樹の心もゆっくりと美しさを放ちながらついに終わりを告げた。山崎まさよし氏の「One more time, One more chance」に載せたあまりにも美しく青臭いその最後の数分。ある意味アニメの描ける一方向性の到達点だと思う。ボクはナルシストでありたいため甘んじてこの青臭さを受け入れたい。



評価:★★★★★

ちなみに大成建設のCMは新海誠自身ではなく、彼をプロデュースする会社コミックス・ウェーブ・フィルムの別メンバ(新海作品の参加メンバ)で作られたらしい。ま、なんにせよ新海誠監督、次回作楽しみにしてます。そろそろ違う毛色のものが観たいですな。


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【おくりびと】 確信犯的いい人映画

2009年03月21日 | 映画


話題の映画『おくりびと』をやっとこさ観た。
観たいと思って先延ばしにしている間にまさかここまで育ってしまうとは。


率直に言えば、日本人の誰もが観られる「確信犯的いい人映画」だと思う。
出てくる人はみな良い人。エピソードもみな良い話。それを押し付けがましさなくさらりと軽やかに描ききっている。いわゆる優等生映画だ。

主人公の大悟は幼少の頃失踪した父にやるせない気持ちを持ち続けている。
知り合いが「どうしてもこういう話って去って行った人に優しいんだよね。残された人の気持ちとかが軽視されて。」と言っていた。なるほどそういう見方もあるなと思った。去って行った人たちは必ず残された人を想っていたとは限らない。ましてや後悔などかけらもない人もいるだろう。しかしこの映画では去った人たちは皆後悔に苛まれ良い人だったという描き方をする。これではキレイにまとまり過ぎてやしないかと思うところもある。最後のシーンも予測でき相当予定調和にいい話である。

しかしこれらは全部緻密に計算され仕組まれたものなのだ。

観賞前に、たまたま脚本家の小山薫堂氏の講演(映像文化フォーラムⅣ)に行く機会があった。友人の誕生日のサプライズとして、こっそり地元九州までロケ隊で行って本人の足跡映像を作って渡すなど、「いかに人が見たいモノ、感じたい事を提示してあげて喜ばせてあげるか。そして自分もそれを一緒に楽しむか。」という内容のお話だった。(実際はそんなに硬い話ではなく爆笑の嵐だったが)

人は人を様々な理由で恨むこととなる。しかしその感情は相手を「許す」ことでしか解消されないことを人は知っている。実は皆が皆を許したいと思っている。

主人公大悟は「けがらわしい」とまで言われた納棺師の仕事に誇りを持ち続けることで、妻にそして友にも認め許される。また幼少の頃失踪し、これまで責め続けてきた父を許すことで自分自身さえも許される。そして大悟が父の最期の際に見つけたもの、それは万人の最大公約数として観客たちが見たかったモノそのものなのである。

小山薫堂氏、カノッサの屈辱以来、TVの深夜帯の黄金期を作ってきた人だけに「人の観たいものを見せる」ということが徹底しているなと関心した。それだけにこの映画は「確信犯的にいい人映画」なのだ。庄内の美しい風景とともに奏でられるチェロの調べも美しい。

"旅立ち"をお手伝いする納棺師の話なのに宗教クサさをあれだけ見事に排除。それも含め非常に間口が広くキャパシティの大きい映画である。オスカーを獲得した理由も頷ける。どなたにも観ていただきたい一本である。

やられました。やさしい気持ちにさせられます。


山崎努のキャスティングも確信犯。伊丹監督世代にはどう見ても『お葬式』だ。ただし伊丹監督のようなブラックさが少しあれば、優等生映画+αに成り得たのではないか。

あと『秘密』の時もですが、滝田監督は広末のことねっちりと好きなんだなぁと思うことしかりw
おかげさまで広末ふぁんとしては良いものが観られました テヘヘッ(*゜ー゜)>


アカデミー外国語映画賞おめでとうございました。


評価:★★★★☆

滝田監督の次の映画も見るぞー、と思ったところ『釣りキチ三平』ってあーた。。。


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【ブレイブストーリー】 フジ的

2009年03月12日 | 映画


聞いたような話と見たような映像。完全にいわゆるRPGな世界。

ありきたりなメッセージ性を前面に出したいがため、物語のディティールがかなり犠牲になってる様子。残念ながら宮部原作は未読なのだが。

これが上映されたのってちょうど『ゲド戦記』と同じ時期で、フジ的には「日テレxジブリ」越えを狙ってたっぽい。そこで持ってきたのが宮部原作とGONZOってんだから、そりゃあ力入ってるよ。でもね、フジテレビがついてるからな、なんか作品のそこかしこが商売くさい。

小説のダイジェスト版として観ればよいのだろうか。それなら分からんでもなし。まあこの作品単体としてはあまり面白くないのは確か。それとも宮部原作自体がそれほど面白くないのか!?


もしかすると宮部原作が売れて評判も高いのは、

『宮部みゆき読者 = RPGなんてやったこともない人たち(仮定)』

を、RPGな世界に初めて触れさせることで、新鮮な面白さを味あわせたというところに功績があったのかも。であればドラクエで育ち、ムダにファンタジーに陶酔したことのある我々(ダレ^_^;)には物足りなくてもしょうがないのかも。GONZOアニメも結構雑な感じがしたし。

カラーヒヨコとかドラゴンの子供とか、マスコットキャラにも力なし。亀山千広Pのお得意なところなのにね。


結局この年(2006)、ゲドもブレイブも両方コケましたとさ。おしまい。(とくにゲド)


評価:★★☆☆☆

松たか子と大泉洋につられて観たのが敗因。
お子様とご覧いただくのがよろしいかと。

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【大河ドラマ天地人第十回:「二人の養子」】 オツムの弱い

2009年03月08日 | その他



去年の『篤姫』。ツッコミどころは満載ながらもそれなりに楽しく拝見させていただくことができた。

そして今年の『天地人』。一応NHKに払っている分は取り戻さないとなーとの思いもあり、第一話から観続けてきた。が、演出の稚拙さや小泉孝太郎がほっぺを赤くして元服前の小僧の役をさせられてしまうなど「今年の大河はちょっとヤバくね?」ってウワサがちらほらと囁かれ始めていたのがここ最近。

今日それが確定。



この話、「忠義」もなんもあったもんじゃない。ひどすぎる。

兼続、殿の言うことを聞け!お前は運命の七星ではなかったのか?樋口家、勝手に動くな!上田衆も誰一人として殿の言うことを聞かんのか!?これから殿が言うことすべて「ちょっと殿弱気だから俺達でやっちゃおうぜ」ってことだろそれ!?

景勝よ、お前も最悪だ。アホな部下達のやったことを叱れ!何が「ご苦労であった」だ!?あんなの勝手にやった部下ども全員不届き先般で切腹させろ。あんた殿としてひどすぎるよ。上杉家は終わりだよ・・・

影虎が一番まともだ。怒るのもムリはないだろ。


誰も親方さまの言うことなんて分かっちゃいないぢゃないか・・・

ついでに親方さまも親方さまだ、子供はつくらないは、遺言は残さないは・・・。



この話、

「明るく元気だけが取り柄の思慮がめっちゃ浅くオツムの弱い兼続くんが、あたかも正しいことをしているという思い込みのうえで、自分の意思のないヘロヘロ殿景勝を担ぎながら、あっちこっちへ流されまくって好きな事する。」

って内容なのか!?・・・ orz


来週はこのひどい脚本が確信犯なのかそうでないのかを見届けるためだけに観ることにする。それだダメならもう観ない・・・。


これ以上傍若無人なお話にするなら、幼少の与六を返せ! 彼のかわいさだけで一年ひっぱれ!



あーなんか、この怒りをどこかに書きたかったので映画感想のブログだがここに書いてみた。

妻ブキくん、ボクは「ジョゼ虎」でキミをいい役者と思っているんだが・・・これでは彼がかわいそうだ・・・


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【M:i:3】 トム映画

2009年03月04日 | 映画


 トムが跳ぶ!トムが走る!トムが撃つ!そしてトムが白い歯で微笑む!どこから観てもトムだらけの金太郎飴のような映画。オレさまのプロデュースでオレさまをいかにかっこよく見せるかを徹底的に追求。慣れてない人はトム酔いしますんでご用心。

ストーリーは単純明快であまり意味無し。最初から最後まで息もつかせぬアクションの連続。すげーすげー、って見てると終わります。ただ今回はM:Iのシリーズならではの「潜入アクションの妙」みたいなのがこれまでより感じられなかったのは残念。驚くような展開もなかったしね。

本作でのトムのもともとの相手役は今一番エロいクチビルを持つ女優、スカーレット・ヨハンソンだったらしいですが、トムがアッチの方面(like トラボルタ)に勧誘してしまい、自ら降板したらしい。しかしそのおかげで完全にトム中心映画になってよかったかも。悪役のオスカー俳優フィリップ・シーモア・ホフマンも最後あんな扱いだし(w

良くも悪くも完全なる「トム映画」。いまどきこんなに自分好きな人もめずらしい。

あと、思いのほかメンバーのアジア女性マギーQが綺麗でちょっと注目。

トム映画、ボクは好きさ!

評価:★★★★☆

ところで監督は「LOST」のJJエイブラムスだったのね。気づかなかった。

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