明るいときに見えないものが暗闇では見える。

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【ビハインド・ザ・マスク】 愛ある映画

2009年11月10日 | 映画



ロバート・イングランド(エルム街のフレディです!)が出ているというだけで借りてみた。
これホラーなのだが、怖いシーンはほぼ皆無。何それ?
お話はこんな感じ。

TVクルーがある青年を取材している。レスリー・ヴァーノンは幼少期に彼を虐待し続けた両親を殺害し、それを怒り恐れた街の人々により縛られ滝に捨てられたという過去があるという。彼は街への復讐のため、ある計画を練っているという。ジェイソンやフレディのような殺人鬼となり自身の誕生日に復活をとげ、街の若者達を血祭りにあげるというのだ。レスリーは怪しげではあるが明るく快活であり、クルーは半信半疑ながらただのホラーオタクの妄想なのだろうと取材を続ける。彼はクルーに殺人計画を詳しく説明していく。

つまり殺人のネタは先にバラされており、映画はその実践を後追いしていくということ。おぃおぃそれでは面白くなかろうと思うがこれがなかなか凝った作りで楽しませてくれる。

レスリーの殺人計画はこんな感じ。

・殺人鬼を倒す女性(サバイバーガール)は処女でなければいけない。
・サバイバーガールには、先に小細工で心理的恐怖を味あわせておく。
・スポーツバカやセクシー姉ちゃんが添え物として必要。
・殺人鬼を追う正義の人も必要。
・惨劇の場所は彼の生家。
・最初に殺されるのは"いたしている"二人。
・車はちゃんとエンジンがかからないようにしておく。
・処女が隠れるクローゼットは子宮を象徴。生まれ変わって殺人鬼に反撃させる。
・納屋には反撃用の斧など用意しておく。が手を加えて使えなくしておく。
・殺人鬼は走らない。実際はそれでは追いつかないので体を極限まで鍛えて歩きながら走るw
 …… etc.

などなど、かの殺人鬼たちへのオマージュとなっている。
このベットでアイツ、次は地下室であの子、彼らはこちらに逃げて…と手順も完璧。これを何年もかけて準備してきたというのだ。

数日の密着取材でクルー達ともヘンな連帯感で結ばれて、さてついに惨劇開始。計画通りに殺戮を繰り返すレスリーに対し、「おぃおぃ本当に殺しちゃったよ!」とTVクルー達は大パニック。この状況を放ってはおけないと、計画を止めに入ると…。なるほどそう展開していくか、だからあの子は…、うーんちょっとうなった。彼にはもっと大きな計画があったのだ。

ホラーというよかサスペンススリラーといった感じ。ゴアシーンもなく血の演出もほとんどない。さらに殺人のネタは先バレしているため冒頭に書いたように全く怖くない、というワケ。全編スラッシャー映画への愛に溢れており、なかなかほほえましい。映像はレスリーを取材しているという設定からカメラ映像のP.O.V.(主観映像)中心。ただし実際に殺戮が行われるシーンに至っては、いわゆるスラッシャー映画の手法を取り入れた通常の客観映像に変わる。なるほどこんなP.O.V.の使い方もあったのだなと感心。

2006年米作品で当時結構話題になったのだが、日本では劇場完スルー。今年になってやっとDVDになったという残念な経歴。いわゆるホラー愛のある人向け。とはいえ13日の金曜日とエルム街の悪夢をカジッた程度でも十分。が、ストーリーには抑揚が少なく言うほど面白くはないかも(^_^;。アイデアとホラー愛を買いたい。


ちなみにロバート・イングランドは重要だけどちょい役で残念。
ラストの殺し方は彼の『2001人の狂宴』からですね。この映画は18禁でもんのすごいです(^_^;;;。スプラッタ好きはこちらも合わせてどうぞw


評価:★★★☆☆ 

リンゴのシーンはもっとガッツリやって欲しかったですな。



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