明るいときに見えないものが暗闇では見える。

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【キャビン(2011)】

2013年03月18日 | 映画





ホラー映画ってのは手を変え品を変え新しいものが生み出されながらも、その根底にはある程度共通するフォーマット(定石)ってのがあったりします。例えば「処女は生き残る(サバイバーガール)」とか「ゾンビは頭を打たないと死なない」とかそういうお決まり事のことですね。その上でそんなお約束を逆手にとったホラージャンルってのもありこれがそこそこ面白かったりします。有名どこでは「スクリーム」シリーズ最近では「ゾンビランド」とかが記憶に新しいところです。

この『キャビン』はつまりはそれ系のお話なのですが、その目の付けどころがかなり斬新で興味を引きます。「そもそもどうしてホラーではこのような定石が必要だったのか」というさらなるメタ視点に立つことで旧来の作品群からさらに一歩踏み込んだ構成となっており、こういう手もあったか~とかなり関心させられました。ある意味定番スラッシャーホラーがそのままシチュエーションホラーになっていながら壮大なオカルトとして成り立っている、みたいな(←なんじゃそりゃ)。かなりの変化球です。

その上全編愛に溢れたホラー小ネタまつりで楽しい楽しい。このキャラなんのパロ?この小道具あれのヤツだ!と最後までクスクスしっぱなし。丸いパズルボックスだけでかなり笑いましたよ。またオールスターによる最後の血の狂宴は『ブレインデッド』並の激しさでストレスもスッキリですw

ストーリー構成上、操作室に関するネタ提供が多く早くにオチバレしてしまったのが残念でした。が、そのぶん謎を追うことに頭を働かせるよりも画面の隅々から溢れ出るホラー愛を感じることに集中できてよかったかなーと思ったりしてます。

個人的には最後の盛り上がりにもうちょっと緻密さが加われば、壮大なバックボーンがさらに広がって楽しくみられたかなと思うとこもあります。しかし最近出オチ担当wの某俳優さんの登場により安い作品には見えませんでしたね(まあそもそもこんなホラーにクリス・ヘムズワースやリチャード・ジェンキンスとか出てるだけで十分豪華w)。そういう意味でもアイデア勝利の技あり映画で、オマージュやらパクりやらとホラー好きな人はたまらない面白さが詰まった作品になっていると思います。


ホラーあんまし観ない人でも十分イケますが、『死霊のはらわた』『悪魔のいけにえ』『ゾンビ』『CUBE』『IT(イット)』あたりは押さえとくとより楽しめます。あとあのピンヘッド愛を見せられると『ヘルレイザー』は必須ですね。そういえば本編開始前の予告にて『リメイク版死霊のはらわた』が流れたのはあきらかな前振りで笑いましたw


あと全然趣向は違いますがスラッシャー映画のメタ視点作品として『ビハインド・ザ・マスク』が結構面白く愛に溢れていますので紹介しときます。


P.S.
主役の女子大生役クリステン・コノリーがあのカワユさで32才らしい。。。それもホラーか?






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