明るいときに見えないものが暗闇では見える。

映画を消費モノにさせないための咀嚼用ブログ。自己満足風。
それと苦手な文章の練習用。

【その男ヴァン・ダム】 転身

2010年03月31日 | 映画
映画「その男ヴァン・ダム」予告編




'90年代のアクションスターと言えばやっぱりジャン=クロード・ヴァン・ダムだろう。'80年代にスタローンやシュワちゃんが開拓した"スーパーアクション俳優"というのカテゴリーの正当な継承者は、スティーブン・セガールよりもドルフ・ラングレンよりもやはり彼かと思う。

そういえば昔スティーヴン・セーガルだったのが、いつのまにかセガールに変わっていた。こういう日本語表記って誰が決めるんだろう。ミラ・ジョヴォヴィッチやグゥイネス・パルトロウとか、最近お気に入りのズーイー・デシャネルとか、日本語表記にするのに相当苦労した感がある。売れないうちは野放しでヒット作が入ってきた時点で配給会社が決めるのだろうか。

閑話休題、ヴァン・ダムは確かに小ぢんまりと地味ではあるが『ハード・ターゲット』や『ユニバーサル・ソルジャー』など、そこそこなヒットを飛ばしてきた大スターである。日本でもプリンセス天功の恋人などと騒がれた時期もありそれなりの知名度もある。生まれはベルギーのブリュッセル。格闘家として大成し、先に香港、後にハリウッドに渡りスターとなる。絵に書いたようなアメリカンドリームな人である。そんな彼も48歳。今やヒット作にも恵まれず、劇場スルーのビデオ映画俳優に成り下がっている。娘の親権裁判に翻弄され、次回作はセガールに乗り換えられてしまう。本作はそんな自分を自虐的にパロった作品。彼ももう終わりかしら、とちょっと寂しさを感じながらの観賞。ところがただのパロディかと思いきや、本人が製作総指揮まで務めただけあってかなりの意欲作に仕上がっており拾い物。

そんな彼が未だスター扱いの地元ベルギーで銀行強盗に巻き込まれる。強盗犯さえもがヴァン・ダムのファンであり、咥えタバコをキックで飛ばすシーンや、「あんたがいなければ今でも香港で鳩撮ってるよ」とジョン・ウーをクサすシーンは最高にツボ。セルフパロディとしてここまでやっていいのかと心配になるw

強盗事件もクライマックスな終盤、母国語のフランス語で独白するシーンは胸に迫る。成功から転落、ドラッグ、離婚と、カメラ目線で語られる自身のストーリーは等身大のヴァン・ダムを赤裸々に映し出し、実はこれは俳優ヴァン・ダムのドキュメンタリーであったのだと気付かされる。

初めて観るヴァン・ダムの弱音、初めて観るヴァン・ダムの涙に観客はハッとさせられる。本作はアクション俳優としか見られてこなかった彼が、真に演技派俳優としての第一歩を踏み出すために作り上げた映画なのだと思う。これからの彼の新境地開拓を十分に期待させる出来。トラボルタのような華麗な復活を期待してますよん。。。

。。。かと思いきや、最新作は『ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション』!しかもドルフ・ラングレンと再共演!そして日本では劇場公開なし!

やっぱパロディかよw


評価:★★★★☆

'10年代にその筋のアクションスターの流れ引き継いでいるのは誰だろう。ヴィン・ディーゼル? '00年代は個人的にウェズリー・スナイプスだと思うがw


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【アルマズ・プロジェクト】 反省材料

2010年03月25日 | 映画
『アルマズ・プロジェクト』 Trailer



また飽きもせずマイナーなP.O.V./フェイクドキュメンタリーを観たりしてみる。

ロシアの極秘宇宙ステーションが謎の事故により墜落し、そのブラックボックスレコーダーを解析したという設定。ロシアってところが怪しげな感じがして素材としては興味をソソる。

一言で言えば残念な映画。ナイスチャレンジだが退屈な仕上がり。素材の良さを活かせず燃焼不良。

以前 P.O.V.という手法について『REC/レック』の記事で書いた。本作はその分類で言えば「①いかにそのものを "見せない" ことにより恐怖を煽ることに主眼を置いたモノ」であり、『ブレアウィッチ』同様、簡単に言えば "低予算映画" ということになるw

ステーション内の定点カメラ映像が中心。確かにこの手法は「衝撃の瞬間」的TV番組で観るコンビニや街角カメラ映像のようなリアリティを生み出す。まさにP.O.V.に最適な表現手法ではないかっ!と最初は興奮して見始めたが、あっという間に飽きたw。残念ながら宇宙ステーション内はすごく狭い。同じ空間を同じ角度で映した短調な絵が延々と続く。さらにニセでもドキュメンタリーのため、それほどハデな事がバンバン起きるわけでもない。なるほど同様に低予算なのに『ブレアウィッチ』が成功を収めたのは、あの自在なハンディカメラのアングルが生み出す臨場感によるものか。

結果、時間をかけながらジワジワと起こる事件を、「あ、やっと進展した。」と追っかけ観る始末。全然話に入り込めない。

未知の存在からデータが送られてくるという設定には、大好きな『コンタクト』を思い起こさせるが、あちらは壮大な世界観と壮大な予算wが魅力。こちらは低予算すぎてその足元にも及ばないw。送られてきたデータを解析した結果がアレではなんとも月刊ムーレベル。しかも最後は怪しげなイメージ映像も入れ込んでしまい、ドキュメントに徹し続けることもできず破綻。

いっその事ブラックボックの映像は30分程度に収めて、あとは関係者インタビューとか周辺情報でドキュメンタリーちっくな作りとすることで興味を煽るという方法がよかったのではなかろうか。

ここいらあたりのオカルトが大好物のボク。素材が好きだっただけに残念。ただしP.O.V.発展のための反省材料にはよい出来w


評価:★★☆☆☆

そういやホリエモンが宇宙旅行会社作るって言ってた時のロシアの使い回しの宇宙船が「Almaz」と言ったはず。いまどきそんなアポロカプセルみたいなので宇宙行きたくないなぁと思ったのを覚えている。ちょっと調べるとたくさん出てきた(goole[ホリエモン Almaz])が、どうも関係はよくわかんない。誰か教えて。


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瞳の魔術 -Hypnotized-

2010年03月08日 | 映画
かのナムコ(現バンダイナムコゲームス)の名作ゲーム『鉄拳 -TEKKEN-』が映画化されるらしい。今、mixiのトップページにもなっており結構日本でも拡大ロードショーする様子。

セガサターンやプレステの登場で"おうちでも3D格闘ゲーム時代"に入った15年ほど前であっても、あいかわらずスーファミでスト2(しかもガイル使いw)に固執していたボクには、実はあまり鉄拳の思い出もなかったりする。

まあ格闘ゲーム自体は現在でもアーケードでそれなりに進化しているらしいけど、こういう格闘トーナメント映画自体には「いーまーさーらー」って感じもある。ブームの時は『モータル・コンバット』とか結構楽しく観させてもらったのだが、さすがにワンパターンだし大好きだったヴァン・ダムももうこういうのに出ないだろうしなw (そういや『その男ヴァン・ダム』観なきゃあ)

じゃあなぜブログに書くかというと、この『鉄拳 -TEKKEN-』にあのタムリン・トミタが出演しているのだ!誰?そんなヤツはおれのブログから去れっっ!ウソです。スイマセンm(_ _)m最後まで読んでクダサイ。

そう『ベスト・キッド2(1986)』のヒロインですよ!あー好きだったなぁタムリン。なぜ好きだったかわかんないけど好きだったw。子供心にあの丸い顔がカワユイカワユイ思って悶えてましたw。ボクも沖縄でカラテをすればあんな彼女ができるのではないかとミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ/声:久米明)に弟子入りしたかった。誰も知らんと思うがタムリンはレコードも出しててボクの宝物でした。(Ψ▽Ψ*)イヤン♪



いやカワユイ。

日本じゃ全く見かけなかったけど最近はアメドラに出てて『-24-』とか『ヒーローズ』とかにも出てたらしい。でも映画は『フォー・ルームス(1995)』も『デイ・アフター・トゥモロー (2004)』も観たけど出てたか?

その彼女が美しきおばさまとして本作に登場。熟女好きとしても目が離せない!
合わせて本作にはケイリー=ヒロユキ・タガワも出ているのだ!なつかしい。がんばれ日系国際派俳優!

まあ見るかどうかはアヤシイがw


ビビアン・スーも復活したし、今年は良い年だw


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【カールじいさんの空飛ぶ家】 UP!

2010年03月03日 | 映画
【ネタバレあり】

鑑賞からそろそろ3ヶ月経ってしまい、おじいさんが風船で忘却の彼方に飛んで行ってしまいそうなので思うところだけ書き留めておこうと思います。

みなさんはTVで流れるあの切ないCMを観ましたか?「この家で妻と出会い……ある日ひとりぼっちになった」ってヤツ。もうこれだけで涙腺ウルウルのヤツっすよ。「おお今回のピクサーはいつもと違うね。大人向けのやさしいおじいさんの傷心思い出旅かな。」なんて思って観たら、実は偏屈ジジイの改心大活劇でビックリ。

これ妻に先立たれて誰にも心を開けなくなったジイさんが"死に場所を探す旅"なんです。二人で行きたかった"幻の滝"で、ジイさん最期を迎えようって算段なの。開発の進む中、ポツン残された家だけが妻との絆。じゃあ風船屋だった自分はこの家もろとも飛んでってやる!で滝にはたどり着くんですが、風船がほとんど割れてかろうじて浮かぶ家をヒモで引っ張る様なんて完全に棺桶を引っ張ってる状態。うへぇこれでピクサーアニメかよ。この話どこへ落ちていくのやらと心配になりました。

ところがドッコイやっぱりピクサーなんで物語はポジティブに大豹変!ひょんなことで道連れになったラッセル少年と丁々発止の大冒険活劇へと突入。すると生きる希望を失っていたジイさんが変わってきます。ジイさん子供を授からなかったこともあり少年がかけがえのない存在へと変わっていくんです。また少年自身も親の愛情に恵まれなかった様子で二人は強い絆で結ばれていきます。ジイさん最初は妻との思い出に浸って死ににいくところなんで、とにかく少年が鬱陶しく遠ざけたい。またラッセルくんが如何にも子供らしく文字通り鬱陶しいw。そんな掛け合い漫才の中、様々な危機に陥り、お互いがお互いを助け合い、良さをかいま見せながら心を開いていく。そして家よりも少年を選ぶシーン。ジイさんの表情の変わり方といったら。このへんの描き方がほんとニクイです。背骨の伸び具合もニクイですw。やっぱ人ってのは愛し愛され必要とされてこそ生きる歓びがあるのだのぉと改めて思った次第。

空とカラフルな風船とのコントラストや幻の滝の情景などCGはさすがはピクサーと感心すること然りです。3Dで観ればよかった。

ところがこの映画、残念なのは最初の10分のクダリがあまりにも良く出来過ぎていること。始まって10分間で例のCMの部分がプロローグとして流れるのですが、セリフもなく音楽と映像だけで綴っていくんです。愛する妻との出会い、平凡ながらつつましく幸せな二人、そして妻の死。ジイさんが一人になった時、もう劇場みんながすすり泣き状態。既に今年一番の大感動作を観たほどの味わい。そのためこのプロローグだけで大満足過ぎてその後の本編が残念ながらそれを超えてないかも…。まあとってもいい映画なんです。ええとても心温まるステキなお話。でも最初に大感動して泣いちゃった分、最後は小感動で微笑ましいって感じ。ボクと同じ感想を持った人は多かったのではないかしら。


評価:★★★★☆

原題は『UP!』と言うらしい。
邦題はあきらかにジブリ意識してますよね。『ハウルの…』とか。


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【ドゥームズデイ】 愛だよ、愛

2010年03月01日 | 映画
閉所恐怖症量産映画『ディセント』の監督による爽快B級スプラッターアクションSF。ちょっとデキる新鋭監督に予算与えてみたら大好きな娯楽映画のごった煮を作ってきた様子w


どっかで観た映像の連続。これを「パクリ」と思うか一緒にリスペクトできるかが本作を楽しめるかの境目。軽く観流しても以下の娯楽映画の要素が満載。人によっては最低映画の烙印を押されかねないほどムリのあるエピゴーネン。

『地球最後の男』『ゾンビ』『マッドマックス2』『ニューヨーク1997』『ウォリアーズ』『エイリアン2』『グラディエーター』『アンダーワールド』『トゥームレイダー』『S.W.A.T』『ロード・オブ・ザ・リング』『バイオハザード2』『28日後...』・・・


ウイルス蔓延って言うからてっきりゾンビ系だと思わせといて、結局『21世紀版マッドマックス』を作りたかっただけみたいなんだけど、ボクはこのノリは嫌いじゃない。

隔離されたスコットランドのリアル北斗の拳状態に、取って付けたようなカニバリズムw。最新装備で挑むも投石や火炎瓶に簡単に負けるご脱力感w。車はあるのになぜか汽車で逃げたり、中世のコロシアムで対決したりと、とりあえずいろいろ入れとけって感じ。最後はモノごっつカッコいいベントレーが登場し、CGなしのガチンコカーチェイスを大展開。とことん魅せるサービスに徹してくれる。それぞれのシーンも手抜きなく丁寧な作りで飽きさせない。

スプラッター描写もこれでもかと盛り込んであるけど全体的にどこかコミカル。人間のクダラナイ所業に対し何か茶化しているかのような演出が、こちらも『マッドマックス』に通じるものがある。

一番の見せ場(^^;?)人間ミディアムレアのシーンも名作『サイレント・ヒル』におけるかのシーンよりも凄惨さはなく、ずいぶんと見ていて楽しく切株派の心をつかんで離さない。


実はモヒカンのボス・ソルとは異父兄弟なのだよーとか、凶暴化した母がラスボスとして出てくるというように、もう一捻り畳み掛けがあるかと思ったりしたたけどまあもうお腹いっぱいでイイやw。定番ですがあのオチもアリ。全身ボンデージのかわいいマスコットキャラもいてステキです。


ボクの中での萌える筋肉女優No1は『ブレイド3』のジェシカたんなのですが、本作ローラ・ミトラもかなりステキ(*^^*)で今後の注目株。


ジェシカたんの勇姿


イロイロ考察しようと思ったけどムリw。暇つぶしにピッタリの超ド級の娯楽作。ボクはニール監督の過去作への愛を感じました。R-15なので普通の人には思っている以上にグロ描写満載なのでご注意。ボクには良いサジ加減ですが。


評価:★★★★☆


ま、間違いなくヒットはしないけどねw


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