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トレーラーで家族旅行の途中、人里離れた砂漠で車が故障。一家は荒野の只中で立ち往生してしまう。父親、娘婿は徒歩で助けを呼びに行くが、やがて一家はその場所が核実験で変異した食人一家の住む場所であることを知る…。
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ウェス・クレイブン御大の『サランドラ(1977)』のリメイクです。
『サランドラ』は東宝東和の誇大広告"ジョギリ・ショック"で有名。
http://www9.plala.or.jp/fliers-sapporo/keywords/keyword/jogiri.htm
http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/worst/mondo/hills.html
その筋のスキモノの方々には大絶賛の本作。
TSUTAYAは取り扱いを拒否っているらしく、別のビデオ屋でやっと発見。
この映画「ウルトラセブン第12話」系の自粛モノ。
「政府の原爆実験により被爆した一家が食人フリークスとなって大暴れ」という不謹慎極まりない内容。映画秘宝などで絶賛されながらもいつまでたっても日本に入ってこないため、首がずいぶんと伸びてしまっていた。実は20世紀フォックス日本支社が"唯一の被爆国"として配給を見合わせていたらしい。その後すったもんだあり独立系配給会社プレシディオによって日本公開が決定。ただし結局R-18指定。
さて、それらの問題点については専門家にお任せして(-_-;/オイ、単なる怪物ホラーとして観るととてもとても楽しい。
前作『サランドラ』同様、見世物小屋のような気味の悪さから始まり、無意味に壮絶な暴力描写、いやな汗をかかせる緊張感などスプラッターものとして必要十分以上の要素を携えていながら、前作にはない明瞭な映像とスピーディーな展開など近年の映画への十分な脱皮がみられる。
微妙に感情移入しかねるアメリカンステレオタイプな一家と、政府の被害者であることを強調しながらもその傍若無人ぶりにこちらも全く感情移入しかねるフリークス一家の戦いという「さあどちらも好きにやっちゃって下さい!」と、見る側に罪悪感をもたらさない絶妙な構図がステキ。
またダメダメ娘婿が恐怖と怒りにより"キレる"ことで俄然強くなり、次々とフリークスを餌食にしていく様は、まるでダークヒーローもののよう。最後に荒野たたずむ姿には超シビレタ。
さあ、本作には"ジョギリ"は登場するのか!?
ストーリー展開は破綻してないし、 B級の安い感じもしない。
あの「サランドラ」のリメイクなのに面白いってのはスゴイと思うぞ。
評価:★★★★☆
ゲテモノ好きに。
さて「ヒルズハブアイズ2」も観ねば。
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