明るいときに見えないものが暗闇では見える。

映画を消費モノにさせないための咀嚼用ブログ。自己満足風。
それと苦手な文章の練習用。

【サロゲート】 ツッコミ映画

2010年02月23日 | 映画
Surrogates Japanese trailer



なんともハヤカワ文庫の香りのする作品。まあ思いつきアイデア一発SF。

人類総ひきこもり状態で皆がロボットを遠隔操作して生活している世界。そんなメンドクサイ未来は来ません(笑)。設定にムリがありすぎるのでツッコミどころ満載、というかツッコミどころしかない話。なのでここは大人として「もしもボックスを使ってのび太がいたずらしてみた世界」ぐらいなおおらかな気持ちで観賞開始。

ところが話は凡庸、予告編で見た以上に話の膨らみはなく想像の域を出ない。大きな心で見始めたボクもイイトコ探しに苦労するw。

まあまずいきなりヅラブルースにひと笑い。ロボットなのでヘリから落ちても腕がモゲても大活躍。その後出てきた本物はスキンヘッドでホッと安心w。その本物さえも変なレーザー攻撃受けても、車で突っ込んでも突っ込まれても顔に怪我するだけで大活躍。あれ、これどこかで見たぞw。結局ジョン・マクレーンから抜け出せないじゃんw

以後FBIの非合法ハッキングシステムがなぜか司法省から使用許可が出たり、他人のサロゲートは使えないって言っておきながらブルースが簡単に乗っとっちゃったり、みんな無防備に寝て操作してんだから犯罪し放題だよねとか、そもそもみんなサロゲートじゃあ子供作んなくて人類滅亡じゃん、となかなかツッコミは尽きないw。未来なのにプリウスが姿そのままで走っていて低予算さが見え隠れ(隠れてないw)してたりするところも楽しい。

その後ツッコミ飽きてきたところでチョッピり寝コケてしまい細かいところがよくワカラナくなるw あの武器(overload device)の正体を教えてくれた人誰?どうして黒人ボスはあれとツルんでいることが判ったの?なぜブルースはそんな簡単に謎を暴いていくの?それはやり手のFBIだからさw。まあそんな細かいところは全体の大味さからはどうでもいいわw 誰かわかる人いたら教えてくださいw

ブルースの最後の決断にはハラハラドキドキ拍手喝采。でもオチもそりゃあそうだろってところにランディング。こんなことまでなる前にいくらなんでも気付くやろ人類…。やはり前提にムリがありすぎて全体的に苦しい出来。SFってのはそもそもが絵空事なので話の屋台骨をシッカリ構築してくれないと上に何のっけてもグラグラするでしょ。例えばサロゲートを使っている理由を次のようにしてみたりすると話の納得感も違ってくるかなと思った。

『20XX年、未知のウイルスが猛威をふるい人類の半数が死滅した。以後ワクチン開発は困難を極めたが、ウイルスは接触感染でしか伝搬しないことが分かり、人類はサロゲートという身代わりロボットを利用することでこれまでの社会生活を維持していた。30年後ついにワクチンが完成し人類はウイルスの脅威から救われた。しかし人々はサロゲートでの快適な生活を手放すことはなかった。。。』

まあツッコミながらイイトコ探しして見ると楽しい。劇場でなくTSUTAYAで借りて、カウチポテトな感じで観てね。

それにしても『アバター』といいこれといい、現実逃避でヴァーチャルな世界に行ってしまう映画が多いやねぇ。末期症状?それともそろそろアセンションかしら。

評価:★★☆☆☆

お金はなさそうだけど、字幕はなっちゃんだったので日本では少し気合入ってたのかもね。


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【Survival of the dead】 ロメロ新作だ ワショーイ(ノ´∀`)ノ

2010年02月16日 | 映画



ほっとんど情報が見当たらないのだけどロメロの新作「... of the dead」の日本公開が知らぬ間に2010年6月に決まってた様子。またもやプレシディオで配給w

あれ?題名が 「Survival of the dead」 になってる!?
「... of the dead」ってもしかして題名決まってなかったからとりあえずそう言ってたってこと??

まあロメロゾンビが観られればなんでもいいかw


ちゃんとしたTrailerも出まわってないぐらいなのでメーキングらしきものをどうぞ。

Survival of the Dead "Sneak Peek" George A. Romero new zombie movie



ところで、「サバイバル・オブ・ザ・デッド」ってC級ホラーがあったはず、昔TSUTAYAで騙されたはずw

あったw



日本公開時にこのタイトルで公開できるのかしらん。心配w




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【クレヨンしんちゃん劇場版 2作】 しりしり~

2010年02月12日 | 映画
臼井先生追悼もあり、実はクレしん劇場版は全制覇しなければとたくらんでいるのだが、なかなか簡単には進まないw 『オトナ帝国』を筆頭にまだ5作程度か。全部でもう17作もありやがるw

取り急ぎ2作ほど最近観たやつを軽くレビュー。クレしん劇場版に関しては全部観た時点で自身のクレしん論を書いてみたいと思ってたりなかったり。



【クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ:12作目】

冒頭のリアルおにごっこからしてツカみはOK!少し中だるみはあるが後半のもりあがりが尋常じゃない。たぶん本作はクレしん映画史上屈指のアクション大作であろう(全作見てないけどw)。映画の中の出来事という設定のためか他の作品で見られる等身大なしんちゃん像を超えてスーパーヒーローにまで変身してしまうハジけぶり。アニメとしての二次元さを感じさせない多彩なアングルで繰り広げられる丁々発止の大アクション。確かに西部劇なのに巨大ロボまで出てくるハチャメチャさの中で、カスカベ防衛隊の熱き友情、哀しきしんちゃんの失恋物語、そしてオチの脱力さとてんこ盛り。さらにいつものように繰り広げられる小ボケの数々!戦国やオトナ帝国ほど大人向けではないがエンターテイメントとして一級の出来。

出演陣が豪華なのも笑うw。なんと『荒野の七人』が声優もオリジナルに準じて出演!内PのNO PLANの面々が出演しているのも楽しい。

カスカベ座と映画の存在理由とつばきとの別れがもう少し書き込まれていれば★5。

評価:★★★★☆



【クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!:14作目】

しんちゃん映画にはめずらしく結構シリアス路線。SF「盗まれた街(The Body Snatchers)」をベースに、春日部住民達が何者かに入れ替わっていく恐怖を描く。

はじまりはほとんどホラー映画。その後相変わらず下ネタで笑わせてくれるが、シリアス路線のためかそれも少なめ。ジャージに「ツンデレ」とか、「SRI」って怪奇大作戦かよっ!ってツッコミどころもウレシイが、それもパートパートの笑いであり全体としての面白みが感じられない。「サンバ」であることに意味は無いのだろうが、話の上でも本当に意味を付加しないのであれば一切の納得感が得られず笑いには転化しづらい。

一番残念だったのがシリーズの魅力であるしんちゃん達の奇妙なアクションが本作では非常に凡庸。絵に動きがないのだ。

ジャッキーがしんちゃんに言った「ツッコミ無用!」が、本作全体にも言えるのだろうか。そこそこ笑わせてくれたがちょいと残念。クレしん映画の出来濃淡を感じさせてくれた。

評価:★★☆☆☆

さあ17作がんばろw


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【崖の上のポニョ】 インスマス面

2010年02月07日 | 映画
ロードショー当時に劇場に観に行った友人からは「人魚姫がベースと思われるなんだかよくわからない子供向け映画」という触れ込みあり。子供向けなら観なくていっかぁと放置していたのであるが、先日の金曜ロードショーでやっと鑑賞と相成った。

とは言え宮崎アニメなので深~いメッセージや広大なバックボーンがあるに違いないとそれなりに構えて観はじめた。しかし端々から様々な神話体系などのエッセンスが感じられながらも残念ながら周辺知識がないためついていけず。ポニュの本名がブリュンヒルデってところからみてワルキューレとか北欧神話に関係してるんだろうなぁと思ったりするぐらい。このへん詳しい方は宮崎アニメって相当楽しいんだろうなとうらやましかったりする。

しかたなく早々に子供映画と割り切って観始める。するととても楽しい。とはいえ話は突拍子もなく、起きる出来事にはほとんど説明がなされない。ポニョはなぜ人間界に行ったのか、ポニョの両親は何者なのか、リサはどうしてあんな強引に家へ向かわねばならないのかw、あのままポニョを放っておくと世界には何が起こるのか、そもそもポニョとは何者なのか。それらを考察するにはヒントに乏しくわざと端折った感さえある。しかし逆にそこがこの映画の魅力なのではないだろうか。背景に流れる哲学や思想、舞台設定には極力触れずに目の前に起こっているイベントにフォーカスする。そしてそれを丁寧な絵でかわいさや愛情たっぷりに描くことに注力する。(もちろん裏ではハヤオクオリティなのだが)あえて物語の抽象度を上げることでポニョと宗助の間の愛情の純粋さが強調されている。言いたいことはただ一つ「ソースケ、スキー」なのだ。これがあれだけ子供達がこのアニメに狂喜乱舞した訳なのではなかろうかと。そこにあの大橋のぞみちゃんの歌ときた。ウケないはずがない。そして終始一貫して親子や周りの人への優しい絆や思いやりが感じられるところが子供映画として上質だ。

アニメ絵としてのクオリティとこだわりの高さもウレシイ。今回は余計なCG加工などを一切排除し、懐かしいペイントアニメな絵柄で仕上げることに徹底。リアルではなくあくまでも絵本が動いているかのような波や、水面から差し込む光の表現。今回は透過光エフェクトさえも見られなかった。すべてが丁寧すぎるほどの"描き込み"で表現されている。波間を飛び交うポニョの「宮崎走り」が観られただけでもかなりウレシイw。「子供達に"本物"の職人芸を魅せたい」という監督と作画陣の意気込みが感じられた。

宗助とポニョはあれからどうなるのだろうか。単純に幸せになれるといいなという想いとはウラハラに、不幸な行く末も想像してしまう。そんな中ネットをみると、ポニョをクトゥルフ神話に繫げて考えている人が多いのは笑った。あの微妙に気味の悪いポニョの半漁人姿は「深きものども」なのだそうだw。そう思って観るとポニョも相当面白い。能天気で楽しい子供映画であるという反面、得体の知れないモノに魅入られてしまった恐ろしい話にも思えたのもあながち間違いでもなさそうだ。まあ宮崎監督は諸星大二郎も大好きらしいし、ボクもラグクラフトは幼少期にちょっとかじったことがあるのでまた紐解いてみるのも楽しいかも。

表面的には子供向けだし、込められたバックボーンを読み取るのもちょっと一般人には難しい。だからといって『トトロ』にくらべると物語としての納得感は少ない。大人にはいまいちウケなかったのは致しかたないのかも。ジブリっていうビッグネームも大変ねぇ。とりあえずボクは「インスマスの影」でも読み直してみますかw



評価:★★★☆☆


こんなポニョとかかなり笑える。でもポニョの純粋さって、これぐらいのところに通じる気もする。人間じゃないんだから。



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