明るいときに見えないものが暗闇では見える。

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【LOOPER/ルーパー(2012)】

2013年02月04日 | 映画



最近ジョセフ・ゴードン=レヴィットにはまっています。例えば『インセプション』の口数少ないクールエージェント、『メタルヘッド』の細マッチョ無頼漢、『50/50』の等身大青年の繊細さなど、作品毎に全く違った魅力が感じられ次々と過去の出演作をあさっている最中。今一番の注目株です。最もお気に入りは『(500)日のサマー』で、あのちょっと弱めのヤサ男ぶりとタレ目の笑顔にオッサンながらグッと来たりしてたりして。そしてついにこの『LOOPER。』ではブルース・ウィリスとダブル主役。さらに大好きなSFアクションと来ればもちろん観に行くに決まってるというものです。


。。。で、さてこの「ボクのジョセフはコレジャナイ...」感はどうしたものかw。ジョセフの30年後がブルースというそもそものキャスティングに無理があるのは承知でしたが、ジョセフのその風貌はもはや特殊メイクのレベルw。確かにブルースにジョセフのメイクするわけにはいかんやろし、演技派の彼はブルースの特徴をよく捉えていたりもしたですよ。でもあのマユゲやらヒゲやらに序盤は笑いをこらえきれずw。まあそれでもしばらく観ていれば慣れてきて、徐々にお話の面白さの方にに引き込まれていきました。


本作はSFタイムトラベルものです。「過去の因果が未来につながる」というその王道な設定は面白くもあり永遠のマンネリでもあります。なのでどうしても同類作には既視感が出てきてしまうのですが、最近では『ミッション8ミニッツ』やアニメ『STEINS;GATE』のように最新の量子物理学における並行宇宙論をベースとした新たなタイムトラベル作品も出てきたりして目新しさも演出しています。が、これらは体感的にわかりづらいのが難だったりします。

さて本作はといえば「過去の因果‥」の王道タイムトラベルものなのですが、大きな“反則”を犯すことでそのマンネリを回避しています。なんと「別時代の自分に会ってはいけない」という鉄則をすんなり破ってしまっているのです。通常は宇宙的矛盾が起こってしまい大変なことが起こるwみたいな理屈があったりなかったりするのですが、本作ではそもそも「未来から送られてくる30年後の自分を殺す」というすでにグルっとループした矛盾に満ちた設定をベースにしています。そしてその理屈をどうSF的に積み上げているのか作品序盤でいろいろ考えていたのですが、作中ブルースが「理屈は難しくて一日かかっても説明できんっ!」と放り投げてしまいます。ここでボクは「うはぁ、そんな荒業があったかっ!男前やっ!」と圧倒的に本作を面白いと思い込んでしまいました。なのでその後は何が出てきても肯定派。いやはや新しいオモシロSFタイムトラベルものが観られた~と満足して帰ってきた次第ですw。


TK能力の下りは設定としては面白いのに実はあまり時間旅行自体にはからんで来ないため、全体からみると物足りないとは感じました。しかし「時間軸の因果を断ち切る」という王道かつ希望の感じられる終わり方で、前半とっ散らかした割にはスッキリとまとまっていて見やすいです。映画的にはシドくんの未来に消化不良を感じる点もありますが、逆に余韻を残したこのエンディングにしたことを評価したいですね。


SF本来の理論の積み上げもぶん投げ、そして何よりブルースが強すぎて「結局ダイ・ハードじゃん」っていう力業映画ではありましたが、新しい試みとタイムトラベルの妙の味わえるなかなかの作品だったと思います。そういや結果的に新たなジョセフの魅力も開花しており、ボクのコレジャナイ感も払拭されていましたとさw。


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