【ネタバレあり】
■『フェーズ6』予告編(Youtube)
はい、上の予告編見ましたね。もう私も四半世紀はゾンビ嗜好者やってますので、どうしてもこういう類の映画が出ると気になってしまいます。たとえそれがツマラナイという評判であっても、知人から観る価値なしと報告を受けていても、映画サイトでの評価が★1つでも、一度気になった作品は必ずTSUTAYAで手にとってしまうのです。
特に感染ホラーは大好物です。ここしばらくは『28日後/28ヶ月後』や『REC1/2』と当たりが多いですし、まあボクの映画好きはそもそも『ゾンビ』から始まっているみたいなもんですから。
もうこうなってくるとある意味中毒ですね。タバコみたいに「ゾンビ税」とか作ってゾンビ映画はレンタル料金を倍にしてくれれば少しは借りなくなるかもしれません。
でもこの映画は売り出し中の『スタートレック(2009)』のクリス・パイン主演ですしね。そんなにスットコ映画でもなかろうもんと思ったですよ。
ところがこの映画、スットコ映画であるどころか
ゾンビ映画でさえじゃないじゃんっっ!
スイマセン。ボクの勘違いでした。(=_=;)
ってか、ただのパンデミックムービーというか感染ホラーの姿を借りたロードムービーというかなんというか。でも上のリンクの予告編見たらゾンビものだって思うじゃん。正直ホラーだと思ってみた人はスカされますのでご注意。
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さて、ホラーでないことは見始めて30分もすれば十分わかりますので、気持ちを入れ替えて鑑賞。そして撃沈。
この映画非常に地味です。
「誰が感染しているのか」というようなサスペンス性もなければ、「ワクチンやファーストキャリアを探せ」というようなエンターティメント性もありません。また「極限状態での人の業の深さ」的なものやその逆の「人の美しさ」も感じられず、心理的駆け引きも全くありません。そもそも感染への対策がマスクだけの気休めだから「ああみんなそのうち感染してしまうのであろう」といった感じで感染に対する恐怖もないです。
これまでの感染ホラーもの的に観れば正直あらゆる角度から観て、どこも過去作を超えていません。まあ結局ホラーではない感染モノとしては『アウトブレイク』を超えることは相当難しいし、ホラーとしても最初から『ゾンビ』にはすべての要素が包含されていますからね。
じゃあこの映画は結局何だったのだろうかと考えてみたところ、どうも「兄越え」の映画だったのではないかと。
兄ブライアンは感染した恋人ダニーを置き去りにします。またガソリンを手に入れるため一般人の女性も二人射殺することになりますが、ブライアンはこの手の感染モノによくある身の保身ばかり考える極悪人とは違います。その証拠に最初は少女と父親を助けるパートが入れ込まれています。
兄弟であるから、兄であるから彼は「決断」をするのです。そんな誰もしたくないことを「兄である」という一点から引き受けて、非情であるかのように振舞うのです。
そして兄ブライアンが感染したとき、弟は兄に「決断」を迫られます。さあオレを超えていけと言わんばかりに車の前に立ちはだかるブライアン。弟ダニーはその洗礼を受け入れ兄をその手にかけます。
そんな気丈な兄でさえも「鍵をよこせ」「一緒に海に行きたかっただけなんだ」とそれに矛盾する行動をとってしまう人としての弱さが切ないです。
そして彼は旅を続けついには海に辿りつきます。海は幼い頃に遊んだ兄弟の思い出の場所。ここならウイルスも罪の意識も一緒に洗い流してくれるかもしれない。ボクは兄を越えられたのだろうか。空虚な気持ちを抱えながら話は幕を閉じる、と。
いやぁ、全然ホラーちゃうやん。こんな兄弟の絆を描いたロードムービーでした。全然怖くないです。ある意味異色作と思います。でもそれほど面白くはありません(^_^;。何もない映画を結構強引に感想書いてみました。
あとはいい所と言えば、エミリー・ヴァンキャンプ(Emily VanCamp)が、引退してしまった岡本綾を彷彿とさせるのクールビューティーで好みだったわね、というぐらいでしょうか。そんな彼女も最後まで生き残るくせに一度も活躍していないということにエンドロール後に気づいたという、ある意味オドロキのお話でした。
それにこの映画ではゾンビ税は適用されず、今後もこのような映画は観てしまいそうです。
評価:★★☆☆☆
ああ、岡本綾もどってこないかなぁ。くぬぅ獅童めw
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