明るいときに見えないものが暗闇では見える。

映画を消費モノにさせないための咀嚼用ブログ。自己満足風。
それと苦手な文章の練習用。

TSUTAYA 100選

2009年07月10日 | 映画
TSUTAYAが夏のキャンペーンとして名作100作品を100円でレンタルしてます。

http://www.tsutaya.co.jp/cam/09sm/100.html
http://www.tol-tool.com/sumcan09/popup1.php


TSUTAYAらしいっつうか、無難でありながら老若男女に受け入れられる十分なラインナップ。さすがですね。


パッと見で、この中からボクの今日の気分からオススメです。


<幸せ系>
○エターナル・サンシャイン
 … 失恋の記憶を消してしまったら、という突飛な設定なんですが、
   なんともロマンチックな大人のファンタジーです。超オススメ。
   
○初恋のきた道
 … 今や大女優となってしまったチャン・ツィーの初々しさが満載!

<爽快系>
○スティング スペシャル・エディション
 … 詐欺師達の話なんですが、とにかくラストが最高に爽快です!
   聞きなれたあのBGMもよいです。

<泣きたい系>
○天国から来たチャンピオン
 … もう十分有名な映画ですね。切ないハッピーエンドが最高。

<どっしりどーんと重い系>
○シティ・オブ・ゴッド
 … リオの貧民街の少年ギャングの話。子供達が銃を撃ち合う様が
   重たすぎます。立ち直れなくなります。でも好きで人に勧めまくってます(^_^;

○8Mile
 … ボクいわゆるラップはかなり苦手だったんですが、この映画を観て
   ラップへの価値観をひっくり返されました。本当のラップって
   魂の叫びなんです。エミネムかっちょええ。

<夏らしく怖い系>
○激突!スペシャル・エディション
 … タンクローリーが無言でいつまでも追っかけてきます。怖~っ!
   低予算映画のよい見本です。見たことない方、ぜひ。


一番オススメは『エターナル・サンシャイン』すか。

さあ、あなたもこの週末はTSUTAYAへ急げ!

#身内がTSUTAYAさんにお仕事でお世話になってますんで一応宣伝(^o^;


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【シャッフル】 信仰

2009年07月08日 | 映画


【ネタバレあり】

たぶんこの映画を観て「すげぇ面白かった」もしくは「すげぇつまんなかった」という人は稀ではないかと思う。ハリウッドがあのサンドラ・ブロックを配して作った映画にもかかわらず、なんとも言えない中途半端なバッドエンディングに終わってしまうからだ。しかも微妙に宗教くさい。

木曜日に夫が事故死したと聞かされた次の日、なぜか夫は生きていた。リンダは混乱の中、曜日がシャッフルされバラバラの順序で訪れていることに気づく。彼女は夫の死を阻止するために謎の究明に奔走し始める。。。
この映画、タイムパラドックスものなんだから、交差する時間の中うまく辻褄が合いハッピーエンドもしくは無限ループってのが通常のオチっすよね、と思い込んで見ていた。そしたら最後にあっけなく夫は死んでしまう。エエエェェェェェヾ(マジ゜Д゜カヨ)ノェ ってなもんですよ。

何この映画、不条理モノなの?と思ったのだが、あらためて考えてみて感ずるところあり。おおこれは自分の中の正しき宗教感(信仰心)を試すためのリトマス試験紙映画ではないのか?!

何十年ぶりかに教会を訪れ、神父に助けを請うリンダ。しかしそんなリンダに神父は過去の類似事件を並べて諭す。「信仰心のない者はそれより大きな力に飲み込まれやすい。」「信仰とは自分を越えた何かを信じること。」。この時点でのリンダは信仰心を取り戻したのかどうかは分からない。その後彼女は夫を助けに事故現場へ急ぐがその結末は結局彼を死なせてしまい、リンダは未来を変えられない。

OK、問題はここからだ。エンディングに向けての捕らえ方は二つある。
つまりはこういうことだ。

【解釈①】
リンダはこれまで信仰を怠っていたから、大きな力に飲み込まれて時間がシャッフルするような恐ろしい目に遭ってしまったし、結局神を信じなかったからダンナも救えなかったのだ。

【解釈②】
信仰を失ったリンダは大きな力に飲み込まれてしまったが、時間が巻き戻ろうが未来が見えようが結局運命には逆らえない。それは神(自分を越えた何か)のみが知るところであり、心配や恐れによりそれに抗うことに一切の意味はない(すべては「空」である)。悪い結末もすべては大きな流れの中で神の仕業にて決められた最適解のはず。抗うことはやめ、すべては神(自分を越えた何か)にお任せするべきなのだ。


これ、どっちに解釈しても映画は成り立つのだ。

でも無宗教なボクですが、この映画の伝えたい真の意味は②と理解している。ブッシュのおかげにて福音派がはびこることで「一神教を奉じ、私だけが救われる(解釈①)」というエゴ丸出し宗教感となってしまったアメリカに、本来の信仰(宗教)のあり方(解釈②)を説いているのですよ、たぶん。だからそこにスーパーマンも現われなければ奇跡も起きない。そして「生きていること自体が奇跡」と、リンダの宿した新たな命へと続いていくのだ。



なんてな。(長さん風)


だとすればハリウッドがこんな映画撮るなんて時代も変わったな超面白いなーと、脳内補完してみただけ(笑)。そこまでの深さは感じられません。実は最初に言ったとおり中途半端な映画。真剣に時間軸を追っかけてたりして見てみると、「メメント」みたいで面白いかも。実は死んでいたのは自分だったなんてオチもありですね。


ただしこの映画から確実に読み取れる大事な教訓が2つ。

・生命保険はかけておこうね。
・運転中の携帯電話はやめようね。

以上。


[2009.7.10追記]
もしかして夫婦愛(もしく家族愛)を描いた映画なのかな~と再考してみました。
浮気を思いなおしたダンナと、それを見捨てずにいたリンダが真実の愛に目覚めたかのように見せながら、「愛なんて意味はないのじゃ」とばかりにタンクローリーにぶっ潰されるダンナを見るとやっぱり家族愛の映画ではないですねぇ。これは運命を描いた信仰の映画ですよ。だからこそ日本では受けないし理解もされない。

たぶんリンダが車でダンナを追いかけるカットの部分からラストまでに、別エンディング(たぶんハッピーエンド)も用意されているのだと思います。関係者試写にてこちらのエンディングが選ばれたのだと思えば、またさらにハリウッドの変化が垣間見られて面白いw





評価:★★☆☆☆

残念ながらサンドラもお歳を召しましたなぁ。。

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【マイ・ファースト・ミスター】 孤独の名競演

2009年07月03日 | 映画


TVの深夜枠でたまたま観かけたこの映画。パソコン触りながら横目に見てみると、なんとあのリーリー・ソビエンスキーがゴスパンク少女を演じている!その一点に目が釘付け 三( ゜Д゜) オオゥ
結果、最後まで見てしまったのですが、これがまた思わぬ拾いモノ。


学校にも世間にも馴染めず、ピアスやTATOOそして自傷行為まで繰り返す17才の少女ジェニファー。紳士服店で働きながら人にはあまり心を開けない独身中年太りの堅物ランダル。こんな二人の凸凹コンビの友情モノです。話もキャストも地味(とはいえソビエンスキーに惹かれて見たオッサンがここにσ(´ー`*)なのですが、心の交流を見事に描いた隠れた名作っす。

一度追い払ったジェニファーを、なぜか情が湧いてしまい雇うことになってしまうランダル。「親友はいないのか」と問われ、まだ合って間もないランダルに「あなた」と答えてしまうジェニファー。役者の目線といいセリフの間といい、人の心が触れ合い変化していく様を繊細に表現。


ふたりに共通のキーワード『孤独』。ジェニファーは「幸せ・愛情=かっこ悪い」と勝手に世を拗ね『孤独』になっていますが、ランダルには幸せ・愛情を自ら遠ざける理由があり『孤独』を選んでいます。お互いが『友情』によりその距離を縮めながら、自ら『孤独』を選んでいたことの間違いに気づき愛情とは何かに目覚めていくんですねぇ。その過程でのジェニファーの感情表現の下手さ加減が、なんかもぅ自分とシンクロしてしまって見ていて切なくてもだえました。

「やっと毎日が楽しく輝いてきたのにっ!」ここで最高潮。そして最後の『Fから始まる言葉』泣きましたね。号泣。

これが劇場未公開作品なんてもったいない。レンタルで見かけたら拾ってあげてください。オススメです。


あと、個人的にはひさびさにジョン・グッドマンを見られて嬉しかったのですが、その他大勢の一人という感じでしかないのが残念でしたね。


評価:★★★★☆

で、ここまで絶賛しておいてアレなんですが、晩餐のシーンにいた髪の長い女性は誰?あんな人いた?誰かご存知の方教えて。


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