生活とリスク(放送大学資料)①
リスクを考える・・・・リスクの概要
リスクは日本語では危険、あるいは危険性、危険度と訳される。好ましくない、望ましくないことを含意する概念である。
リスクとは損害発生の可能性である
予想と結果の偏差である
損害発生の不確実性である
人によって色んな表現がある。
ここでは、リスクとは、つぎのようになる。
リスクとは人間の生命や健康・資産ならびにその環境に望ましくない結果をもたらす可能性のことである。
またリスクは大きい・小さいといった程度を伴う。
このときリスクの大きさは一般に、望ましくない結果のひどさの程度(損害程度)と、その発生のしやすさの程度(発生頻度)との積として表現される。
現代、私たちの周りには、どのようなリスクがあるのだろうか。
犯罪・事故・自然火災・戦争・コンピュータ犯罪・健康問題・食品問題・
社会生活上の問題・経済問題・政治・行政の問題・環境・エネルギー問題
現在の社会におけるリスクの特徴は
リスクの能動的側面が増大している
人間・情報・物の移動が盛んな生活環境においては必ずしも自分の生活空間を発生源としないリスクによる悪影響を受ける可能性が高まっている。(リスクの拡散化)
遺伝子組み換え食品、地球温暖化など人の健康や環境に対する損害が目に見える形で顕在化するまでに時間がかかり、またそもそもどのような損害があるのかさえもはっきりしていないという性質を持つリスクが増えている(リスクの長期化)
地震などの自然災害、火災、交通事故、犯罪といったリスクは従来から懸念されてきたリスクであるが都市化を通じて地震が人災化されるといったように、利便性を追及した人間の諸活動はその損害をますます大きくしていった。(人間活動によるリスクの甚大化)
社会システムの複雑化が進み、従来にくらべて、より多くの人間とより複雑な生活関係をとりむすぶ必要性が生じている。これに伴って人間関係に関するリスクの発生が増えた(人間活動をめぐるリスクの増大化)
安全と安心
① リスク管理の目標はゼロリスクか?
現実にはゼロリスクというのは技術的に不可能であるか、あるいは経済的・社会的に難しい目標である。したがってわたしたちはゼロリスクに拘のでなく、リスクとうまく折り合いをつけ、現実的なリスク管理を行いながら生活していくことになる。
② リスク管理の目指すのは安全か、それとも安心か
安全とは、リスクがゼロの状態としてではなく、リスクを許容できるだけ低くおさえられている状態としってとらえられる。そして安心は、リスクが小さいと思う人間の心理状態である。安全ではないのに、安心している状態は 依然危ないわけで好ましい状態とはいえない。逆に、充分リスクが小さいのに、つまり安全なのに、まだまだ安心を実感できない状態も好ましくない。
③ 許容可能なリスク、受け入れ可能なリスク
安全であるか安全でないかの判断基準は、残ったリスクの大きさを許容できるかできないかということである。
この程度のリスクの存在ならば問題にしないというレベルに達した状態は、受け入れ可能なリスクである。これが本当に安全な状態といえる。
許容可能なリスクの代表例が自動車による交通事故である。交通事故は高い頻度で重大ひどさを伴う結果をもたらす。
そこで私たちは、一定の法規制を設けたり、道路や車両の整備をしたり、安全運転をしたりして、しかたなくこのリスクを受け入れているのである。
④ リスクはどれくらい小さくするべきか
リスクの大きさをとらえるときに個人の価値観や状況などにより多様となるのと同様に、リスクをもたらす財や活動や技術など、その人のもつ価値観や状況などによって異なってくる。
自分の生活においてなにが大事なのかを見極め、リスクのバランスを評価しなくてはいけない。
リスクを考える・・・・リスクの概要
リスクは日本語では危険、あるいは危険性、危険度と訳される。好ましくない、望ましくないことを含意する概念である。
リスクとは損害発生の可能性である
予想と結果の偏差である
損害発生の不確実性である
人によって色んな表現がある。
ここでは、リスクとは、つぎのようになる。
リスクとは人間の生命や健康・資産ならびにその環境に望ましくない結果をもたらす可能性のことである。
またリスクは大きい・小さいといった程度を伴う。
このときリスクの大きさは一般に、望ましくない結果のひどさの程度(損害程度)と、その発生のしやすさの程度(発生頻度)との積として表現される。
現代、私たちの周りには、どのようなリスクがあるのだろうか。
犯罪・事故・自然火災・戦争・コンピュータ犯罪・健康問題・食品問題・
社会生活上の問題・経済問題・政治・行政の問題・環境・エネルギー問題
現在の社会におけるリスクの特徴は
リスクの能動的側面が増大している
人間・情報・物の移動が盛んな生活環境においては必ずしも自分の生活空間を発生源としないリスクによる悪影響を受ける可能性が高まっている。(リスクの拡散化)
遺伝子組み換え食品、地球温暖化など人の健康や環境に対する損害が目に見える形で顕在化するまでに時間がかかり、またそもそもどのような損害があるのかさえもはっきりしていないという性質を持つリスクが増えている(リスクの長期化)
地震などの自然災害、火災、交通事故、犯罪といったリスクは従来から懸念されてきたリスクであるが都市化を通じて地震が人災化されるといったように、利便性を追及した人間の諸活動はその損害をますます大きくしていった。(人間活動によるリスクの甚大化)
社会システムの複雑化が進み、従来にくらべて、より多くの人間とより複雑な生活関係をとりむすぶ必要性が生じている。これに伴って人間関係に関するリスクの発生が増えた(人間活動をめぐるリスクの増大化)
安全と安心
① リスク管理の目標はゼロリスクか?
現実にはゼロリスクというのは技術的に不可能であるか、あるいは経済的・社会的に難しい目標である。したがってわたしたちはゼロリスクに拘のでなく、リスクとうまく折り合いをつけ、現実的なリスク管理を行いながら生活していくことになる。
② リスク管理の目指すのは安全か、それとも安心か
安全とは、リスクがゼロの状態としてではなく、リスクを許容できるだけ低くおさえられている状態としってとらえられる。そして安心は、リスクが小さいと思う人間の心理状態である。安全ではないのに、安心している状態は 依然危ないわけで好ましい状態とはいえない。逆に、充分リスクが小さいのに、つまり安全なのに、まだまだ安心を実感できない状態も好ましくない。
③ 許容可能なリスク、受け入れ可能なリスク
安全であるか安全でないかの判断基準は、残ったリスクの大きさを許容できるかできないかということである。
この程度のリスクの存在ならば問題にしないというレベルに達した状態は、受け入れ可能なリスクである。これが本当に安全な状態といえる。
許容可能なリスクの代表例が自動車による交通事故である。交通事故は高い頻度で重大ひどさを伴う結果をもたらす。
そこで私たちは、一定の法規制を設けたり、道路や車両の整備をしたり、安全運転をしたりして、しかたなくこのリスクを受け入れているのである。
④ リスクはどれくらい小さくするべきか
リスクの大きさをとらえるときに個人の価値観や状況などにより多様となるのと同様に、リスクをもたらす財や活動や技術など、その人のもつ価値観や状況などによって異なってくる。
自分の生活においてなにが大事なのかを見極め、リスクのバランスを評価しなくてはいけない。