たびびと

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長い髪

2012年07月18日 | 特別記事
Zona4からZona1へ侵入する幹線道路は直進していない。左に曲がりすぐ右に。自動車教習所でのクランクの形をした通り手前の右側に、高級ホテル、ナイトクラブが並んでいる。

夜間にタクシー移動をしたとき、ナイトクラブ Le Club の幹線道路側のネオンを何回か見た。周辺には、多数のナイトクラブがあったが、何となく明るい雰囲気に魅かれて、そこに入ることにした。

タクシーを降り、クラブの門を開けた。

店内はホンジュラスのナイトクラブとは比較にならないくらい広い。客は100人以上収容できそうだ。
そして豪華な設備。劇場のようになホールに座っている女性は20人ほどだろうか。

夜9時。クラブにとっては早い時間帯に、これだけの人数の女性がいる。全部で何人の女性が働いているのだろう。10時、11時という数多くの客が来店する時間帯になると、女性たちは控室からホールに出てくる傾向がある。

客席には豪華なガラス張りのテーブル。一流クラブのような作りだ。2階席まである。

ぼくを含めた数人の客に対して、すでに女性ダンサーによるショーが開始されていた。
客をあきさせない配慮が行き届いている。

入口付近で店内を興味深く眺めていると、
「こちらへどうぞ」
ボーイさんから声がかかった。

店内の真ん中、見晴らしいのよい中央のテーブルに案内される。

「何をお飲みになりますか」
「ソーダを一つ」
「わかりました。しばらくお待ちください」

時間は9時。まだ早い。暗闇の中、客の人数を確認すると2、3人のようだ。
時間が早いせいか、女性の踊りもいくぶん控えめだ。

ソーダが机に運ばれた。
レモンを絞る。
日本のようなおしぼりはないが、紙製の使い捨ての手ふきがある。それで手をふいた。

グラスを口に運び、苦みを楽しむ。
ソーダは何の味もない炭酸水。日本ではあまり見かけないが、中南米ではどこでも手に入る。お酒ではないので、酔いはまわってこない。

5分ほどすぎたころだろうか、一人の女性が近づいてきた。
「ここに一緒に座ってもいいかしら」

腰まで届く長い髪。20代半ばのモデルのような体形の美しい女性だった。

髪型から、自分をどう見せたいと心理的に思っているかがわかる。
長い髪の女性はどうか。

女性らしく、おだやかで控えめに見えることを意識している。

ラテン系の女性は情熱的だ。性格的にいえば、短い髪型のタイプだろう。でも、ぼくの前に現れたこの女性はそうではなかった。

「アンジェラよ。よろしく」

髪の長い女性は、感性が豊かで神経も繊細な傾向があるということも聞いたことがある。
その言葉のとおり、彼女は席に着く前に、ぼくの横にくると、握手のため右手を差し出した。彼女の礼儀正しさに感心し、しばしの間自分の手を差し出すのが遅れた。



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