10月6日付 編集手帳(読売新聞) - goo ニュース
文芸評論家の小林秀雄がある酒の席で、プロ野球・国鉄スワローズの豊田泰光選手(現・野球評論家)に尋ねた。スランプの時はどうするのか? 豊田選手は答えたという。「よく食って、よく眠って、ただ待っているのです」◆小林の随筆「考えるヒント」(文春文庫)の一節だが、憂いに身を包んでの食事と睡眠ほどむずかしいものはない。
不名誉ないきさつでの閣僚辞任、落選という人生のスランプにいたその人も不眠に悩んでいたという◆中川昭一元財務相が56歳で急逝した。解剖で循環器系に異常が見つかっている。ときに度を越した飲酒癖も、ぶっきらぼうな語り口も、シャイで内省的な人柄の裏返しであったと、故人を知る人は言う。人一倍の悔恨と 憂悶 ( ゆうもん ) に体をむしばまれて命を縮めただろうとは想像がつく◆常に国益を最上位に置き、保守の表街道を歩いた人である。過去の失策も、雌伏の時間も、まだ明日の糧に変えられる年齢であり、スランプを乗り越えた先には自民党の4番打者に座る日もあったことを思うとき、早過ぎる死が惜しまれてならない◆その人の面影に 盃 ( さかずき ) をかざし、目を閉じる。
人一倍の悔恨と憂悶に体をむしばまれて命を縮めたのなら
その責任の一部はあの状態で会見に出席させた同行の関係者と
延々と醜態を流し続けたテレビ界だろう。
朦朧会見をこれでもかこれでもかと流し続けたのには
悪意を感じる。
あの会議での中川氏の功績を報じたテレビ局は
私の知る限りなかった。
テレビ局も落ちたものだ。
週刊誌のゴシップ記事と変わりはない。
報道するという本質がわかっていない。
ニュースでさえワイドショー化している。
そして今回の中川氏の急死されたという報道。
ニュース速報さえタレントの離婚話を優先させた女子アナ。
それを司会者も軌道修正せず、お詫びもなかった。
亡くなった事を報じる時、もっと彼の功績を称え、
どれ程国益を考え、また中韓に媚びることなく
毅然とした態度をとっていたかを報じるべきだった。
それを故人を偲ぶのでもなく例の朦朧会見を流すとは
言語道断だ。
テレビ業界の良識を疑う。
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