許されざる者

この世に堕ちた者たち。

役に立たずの翼を携え堕ちてきた者ども。

茫然とただ…茫然と眺めるしかなく。

遠く広がる海に立ちすくむ。

私は許諾されなかった者。

パスケースは置いてきた。

鳥が呼ぶ。

いつまで待たせるのだと。

ただ見上げるだけ。

分かってくれと、ただ察してくれと懇願するだけ。

泣くな。

見苦しく甘えた者よ。

私は無許可の存在。

愚かな者。

堕落の存在証明。

夕陽が呼んでいる。

まだ待たせるのかと。

知らぬが仏ーHOTOKEー

きみはまるで、

きみ自身が二十面相ででもあるように、

美術品盗奪の順序をくわしく説明されたが、

それはみんな、

きみの想像なのかね。

それとも、

何かたしかなこんきょでもあるのかね。

　　　　　　江戸川乱歩-怪人二十面相より




オカシな日がある。

どうも調子が狂う日がある。

その日が狂っているのか俺が狂っているのか。

そういう日は夢も狂っている。

だから疲れが残って朝を迎える。

狂ってしまうのが怖いんじゃない。

正気に戻る時に私は怯えつづける。

酒は問題を解決しない。

現実を変えることは出来ない。

だが、青い空に向けてブルーシートを張ることは出来る。

突き抜ける遠い青い空に私は怯える。

それなら私は迷わずブルーシートを張り組み立てる。

現実の青空を消せないように自分の脳を取り換えることは出来ないのと同じ諦めを持って。

私は静かに組み立てる。