すかいらーくグループで働くみなさんへ
すかいらーくグループ(ガスト、バーミヤン、夢庵、藍屋、グラッチェ、すかいらーく……)の従業員と家族のみなさんへのお願い
私たちNPO法人労働相談センターと全国一般東京東部労組は、すかいらーくグループのファミリーレストランで起きた2度にわたる過労死事件(中島さん、前沢さん)を遺族とともに会社側と交渉し解決してきました。
「解決」とは言いましたが、どれだけ会社から謝罪や損害賠償を勝ちとっても失われた命が戻ってくるわけではありません。中島さん、前沢さんの遺族にとってもっとも大きな願いは、すかいらーくグループで3度目の過労死を出さないことに尽きます。私たち労働相談センターと東部労組にとっての最大の要求もそこにあります。
遺族と組合と会社との間で開かれた「職場改善報告会」(7月29日)で、私たちは2度目の過労死が起きたことへの真剣な「総括」を会社に求めました。それを受けて郵送されてきたのが以下の「総括文」です。
すかいらーくグループ(ガスト、バーミヤン、夢庵、藍屋、グラッチェ、すかいらーくなど)で働いている従業員とその家族、関係者の方々にお願いがあります。この総括文を読んでみてください。そして本当に職場環境が改善されたのかどうかを私たちに教えてください。
総括文に書かれてある「08年10月以降、従業員における時間外労働ならびに休日取得数は、大幅に改善しています。」というのは事実でしょうか。長時間労働はなくなりましたか。サービス残業(ただ働き)はなくなりましたか。休日や有給休暇は取れていますか。パワハラ(職場のいじめ)やセクハラはありませんか。このほか職場で起きている問題ならどんなことでも構いません。私たちに相談・連絡してください。
すかいらーくで3人目の過労死を出さないためにも、すべての従業員が働きやすい環境をつくるためにも、ぜひご協力をお願いします。
<連絡先>
NPO法人労働相談センター
電話 03-3604-1294
メール consult@rodosodan.org
全国一般東京東部労組
電話 03-3604-5983
メール info@toburoso.org
いずれも「すかいらーく担当者宛て」にお願いします。
以下がすかいらーくから届いた「総括文」です。
****************************************
平成21年8月17日
中島晴香様
株式会社すかいらーく
人事部長 芦川雅明
2009年度職場改善報告総括について
2006年7月26日付合意書に基づく、今年度の職場改善報告会の中で、故中島富雄殿に続く、二例目の事故を報告しなくてはならなくなったことを、まずもって深くお詫び申し上げます。
これまで当社においては、上記合意書第2条に基づき、労務管理の改善に努力してきた所存でありましたが、各店舗の店長(契約店長を含む)について、長時間労働に基づく疲労の蓄積により心身の健康を損なうことの無いように適時・的確にケアを行う仕組み、すなわち、①店長の実労働時間を客観的に把握する仕組み、並びに、②把握した実労働時間に応じてタイムリーな労働時間の削減・抑制や、医師との面接指導等による健康状況の把握を確実に実施する仕組み、の双方について、遺憾ではありますが、十分な仕組みの構築が進んでおらず、このような取組の不十分さが、二例目の原因となったと反省をしております。
当社といたしましては、改めて、上記安全配慮義務違反により本件を招いたことについて、故中島富雄殿と故前澤隆之殿、並びにそのご遺族である皆様に対し、深く謝罪致します。
当社といたしましては、この反省を踏まえ、昨年8月よりの新しい経営体制以降、従業員が長時間労働に伴う疲労の蓄積により、心身の健康を損なうことのないよう、以下の内容について、真摯に取り組んでまりました。
①従業員の労働時間をタイムリーに把握し、削減・抑制を行う仕組みの導入(2009年2月)
②従業員の健診結果と労務状況を監視し、必要に応じて医師面接等、従業員の健康状態に応じたケアを確実に実施する専任部署「健康推進担当」の設置(2009年2月)
③従業員の労働時間を客観的に把握するシステムの導入(2009年7月)
これにより08年10月以降、従業員における時間外労働ならびに休日取得数は、大幅に改善しています。また、これと並行して人事制度の見直しを図り、2009年6月より、全店長を労働基準法上の管理監督者から外し、36協定適用者として扱うことで、更なる労務改善を進めるべく取り組んでおります。この事を、2009年7月29日に開催されました「職場改善報告会」の内容と併せまして、ご報告申し上げ、今年度の職場改善の総括とさせて頂きます。
以 上
- ジャンル:
- ウェブログ