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派遣法審議打ち切りで加速する安倍政権の「労働者イジメ」 日刊ゲンダイを読む

2015年06月13日 | Weblog

派遣法審議打ち切りで加速する安倍政権の「労働者イジメ」

 別名「正社員ゼロ法案」の“改悪”派遣法は、12日、民主と共産が反対する中、委員長(自民党)が強権で衆院での審議終了を宣言。来週の強行採決が確実となった。

 民主党議員が委員長の入室を制止し、もみ合いになるなど、きのうの委員会は冒頭から大混乱。民主や共産を無視して審議を進める委員長や答弁のため出席していた安倍首相に対し、傍聴席から「派遣労働者は反対です」「国民の声を聞いて下さい」と切実な声が飛んでいた。

「日本の歴史で、労働法案の審議打ち切りを強行され、採決されたことは過去に一度もありません。労働者の命に関わることなので、労使合意の上でやってきたのです。強行採決は国会史上、初の暴挙です」(民主党・山井和則衆院議員)

■今後も“乱発”される強行採決

 現場では、すでに法案成立を見越した「解雇準備」の動きが出ている。法改正により、派遣期間が無期限の「専門26業種」も最長3年の有期に変わり、これで40万人が解雇の危機にさらされる。山井議員に相談してきた40代の派遣女性は、早くも派遣会社からこう宣告されたという。
〈9月1日に派遣の法律が変わる。3年後には雇い止めになり、今の派遣先にはいられなくなる。今の3カ月更新だと、7月からの契約は9月までとなるが、(3年後の)切れ目を考えて、今回は7月、8月の2カ月更新にしてもらう〉

 血も涙もない悪法だが、これは安倍政権の労働者イジメのスタートにすぎない。雇用という労働者の“命綱”を重く見て、強行採決を避けてきた自民党も、一度やってしまえばタガが外れる。労働時間の制限をなくす「残業代ゼロ法案」、カネを払えばクビにできる「金銭解雇法案」も強行採決で成立させるのは確実だ。

「安倍政権は『残業代ゼロ法案』も今国会で成立させるつもりです。『金銭解雇』は、あらためて成長戦略の原案に盛り込まれました。これはカネさえ払えば不当解雇すら可能になるとんでもない制度ですが、来年の通常国会に法案が提出されることになるでしょう」(山井和則議員)

 こんな暴挙を許してはいけない。

日刊ゲンダイで知る  これが世界の現実

2015年06月13日 | Weblog

これが世界の現実…戦後の戦争すべて「集団的自衛権」口実に

 
 
 憲法学者3人から「安保法案は憲法違反だ」と批判された安倍自民党が、「集団的自衛権は国連憲章も認めている」とムキになって反論しはじめている。しかし、戦後の悲惨な戦争は、ほとんど「集団的自衛権」を口実にして行われている。自民党はどこまで「集団的自衛権」の実情を理解しているのか。

■民主化の弾圧、旧植民地の利権、冷戦の代理戦争…

 戦後の「集団的自衛権」の実情について、衆院事務局に33年間勤めていた平野貞夫氏(元参院議員)が、衆院調査局が作成した「報告書」を参考に、最新号のメルマガ(日本一新)で詳細に分析している。

 戦後、国連の安保理に報告された「集団的自衛権行使」の代表例は、ざっと14あるという。直近は2001年のアフガン戦争だ。9・11同時多発テロを受けたアメリカが反撃する時、同盟国のイギリスやフランスなどが一緒に戦った。行使された14の「集団的自衛権」は、〈民主化の弾圧〉〈冷戦の代理戦争〉〈旧植民地の利権確保〉〈内乱への関与〉の4つに分類されるという。
 
 

毎日新聞を読む 派遣法改悪に抗議

2015年06月13日 | Weblog

派遣法改正案:「絶対に許さない」労働者ら抗議

毎日新聞 2015年06月12日 22時40分(最終更新 06月12日 23時28分)

労働者派遣法の改正案に反対し、デモ行進する参加者ら=2015年6月12日、長谷川直亮撮影
労働者派遣法の改正案に反対し、デモ行進する参加者ら=2015年6月12日、長谷川直亮撮影
 

 企業が派遣労働者を受け入れる期限を事実上撤廃する労働者派遣法改正案は12日、衆院厚生労働委員会で審議が終わった。委員会を傍聴した派遣労働者らは危機感を募らせ、連合は東京都内で抗議集会を開いた。

 改正案は働く期間に制限がなかった通訳や秘書など専門26業務を廃止して受け入れ期限を一律3年にする一方、人を代えれば受け入れ先は派遣を使い続けることができる内容。

 改正されれば3年を超えて同じ職場にいられなくなる秘書業務をしてきた40代女性は厚生労働省で記者会見し「安い時給で、賃金を見直してくれと派遣会社に求めたら雇い止めにされた。派遣を増やし、弱い立場に追いやられる改正には反対だ」と涙ながらに訴えた。

 連合の抗議集会は午後6時半に日比谷野外音楽堂で始まり、3725人(主催者発表)が参加した。古賀伸明会長は「派遣法改正案は世界に類を見ない悪法だ。一生派遣を強いる改正を絶対に許さない」と訴えた。【東海林智】

 

日弁連 請願署名のお願い

2015年06月12日 | Weblog
 
2014年7月1日、政府は、集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定を行いました。集団的自衛権の行使は、本来、憲法9条の下では許されないことです。当連合会は、憲法の基本原理に関わるこのような重大な解釈変更を、閣議決定で行うことは、立憲主義に反し、憲法の存在意義を失わせると考えており、法律家団体として、立憲主義を堅持する立場から、この閣議決定を認めることはできません。


ところが、政府は現在、この閣議決定を実施するための関連法律の改正案等を、2015年の通常国会に提出し、その成立を図ろうとしています。しかし、このような立法も、同様に憲法9条及び立憲主義に違反するものとして許されません。


そこで、これらに反対し、立法を阻止するための取組の一環として、市民の皆様の声を広く集め、集団的自衛権等に関する立法を行わないことを求める請願署名運動の実施を下記のとおり企画しました。ぜひ、多くの皆様に御協力いただければと存じます。

 

署名の方法

こちらからPDF署名用紙(PDFファイル;64KB)をダウンロードいただき、氏名・住所を記入の上、必ず郵送でお送りください(FAXでお送りいただいても、無効となります。)。  

 

送付先

〒100-0013

東京都千代田区霞が関1 丁目1番3号 日本弁護士連合会人権部人権第二課 宛て
TEL:03-3580-9941(平日 9時30分~17時30分)

 

締切

第一次締切:2014年12月25日(木)
第二次締切:2015年 2月27日(金)
第三次締切:2015年 5月29日(金)
第四次締切:2015年 6月30日(火)
第五次締切:2015年 7月31日(金)

 

集約数

252,685筆(2015年6月4日現在)

 

 

参考

arrow_blue_2.gif集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定に抗議し撤回を求める会長声明(2014年7月1日)
arrow_blue_2.gif集団的自衛権の行使容認等に係る閣議決定に対する意見書(2014年9月18日)
arrow_blue_2.gif集団的自衛権Q&A「閣議決定は憲法違反!『集団的自衛権』は、ほんとうは外国のために戦争することです。」
arrow_blue_2.gif安全保障法制等の法案に反対し、平和と人権及び立憲主義を守るための宣言(2015年5月29日)
arrow_blue_2.gif安全保障法制改定法案に反対する会長声明(2015年5月14日)

 


浜田委員長の職権による委員会開催の強行に抗議を!

2015年06月12日 | Weblog
★浜田委員長の職権による委員会開催の強行に抗議を!
   維新の党は官邸を利することなく、しっかりと野党連携を!
                         [転送・転載歓迎/重複失礼]

東京の杉原浩司です。「違憲戦争法案」の審議をめぐって緊張が高まって
います。

以下の西日本新聞や毎日新聞は、「強行採決も継続審議も、どっちを取っ
てもダメージはある。よりダメージが小さくて現実的なのは強行採決だ。
何を言われても一気にやるしかない」との「政府高官」の声や、「8月下
旬までの延長が有力視されているが、参院で十分な審議時間を確保するた
め9月下旬まで延長する案も浮上している」との情報を伝えています。

安保法案、強行採決の構え 政府、与党 会期延長で一致
(6月11日、西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/174736

クローズアップ2015:集団的自衛権 「違憲論」に政府守勢
(6月11日、毎日)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150611ddm003010142000c.html

市民や学者、野党の頑張りが政府与党を押し込んでいるものの、決して楽
観することはできません。秘密保護法の例にも見られるように、数の力に
頼った強行採決が準備されていると見るべきでしょう。

こうした中で、明日6月12日の特別委員会の審議は、野党が反対する中、
浜田委員長が6月3日(結局開かれませんでしたが)に続いて、職権で強引
に開催を決めました。「二度と職権で立てないよう努力する」との江渡自
民党筆頭理事の言葉はなんと軽いものだったのでしょうか。

これに対して、民主党、共産党は労働者派遣法の強行採決に向けた動向
(当初は明日強行採決かと言われましたが、来週になるとのこと)をにら
みながら、欠席も辞さない姿勢のようです。明日の審議予定表には、民主、
共産の質疑者名は載っていません。しかし、維新の党は出席する意向で、
既に質疑予定者も決まっています。

<6月12日(金)特別委員会(職権開催)審議予定>
(一般質疑、首相出席なし、NHK中継なし)

9:00~9:20 若宮健嗣(自民)
9:20~9:40 佐藤茂樹(公明)
9:40~12:00     (民主)
休憩
13:00~14:06    (民主)
14:06~14:44 牧義夫(維新)
14:44~15:22 足立康史(維新)
15:22~16:00 河野正美(維新)
16:00~17:00     (共産)
(衆議院インターネット中継 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php )

官邸は野党の分断工作を仕掛けています。維新の党は、官邸を利すること
なく、民意をしっかりと受け止め、野党連携を強めるべきです。そして、
維新の党内部も一枚岩ではありません。市民の声を届けることが必要です。

維新で異論が噴出 労働者派遣法改正案の方針めぐり
http://5.tvasahi.jp/000052418?a=news&b=np

緊急ではありますが、浜田委員長らに抗議の声をファックスなどで届けて
ください。そして、維新の党のキーパーソンにもしっかりと声を届けまし
ょう。

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【浜田靖一委員長らに抗議のファックスを!】

◆委員長 浜田靖一(自民・千葉)
(FAX)03-3508-7644 (TEL)03-3508-7020
(地元FAX)0438-22-3911

◆自民党筆頭理事 江渡聡徳(自民・青森)
(FAX)03-3508-3961

◆公明党理事 遠山清彦(公明・沖縄) 
(FAX)03-3508-3414
(地元FAX)098-988-4031

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【維新の党キーパーソンに「官邸を利すらないで!」の声を!】

例えば)
「官邸を利することなく、しっかり野党で連携してください」
「浜田委員長の職権による委員会開催に抗議の意思を示してください」
「政府与党の強引な委員会運営にあくまで抵抗を貫いてください」など

※短くても構いません。ていねいな言葉で意見を伝えましょう。

【維新の党】
◆松野頼久・代表(衆院・比例九州・熊本)
(FAX)03-3508-8989 (TEL)03-3508-7040

◆馬場伸行・国対委員長(衆院・大阪17区)
(FAX)03-3508-3322 (TEL)03-3508-7322
(メール) info@baba-nobuyuki.com

◆柿沢未途・幹事長(衆院・東京15区)
(FAX)03-3508-8807 (TEL)03-3508-7427
(ご意見フォーム) http://bit.ly/1HyDEuG
(ツイッター) https://twitter.com/310kakizawa

◆今井雅人・政調会長(衆院・比例東海・岐阜)
(FAX)03-3508-3866 (TEL)03-3508-7086
(メール) support@imai-masato.com
(ツイッター) https://twitter.com/imai_masato

◆下地幹郎・特別委員会理事(衆院・比例九州・沖縄)
(FAX)03-3508-3403 (TEL)03-3508-7103
(メール) g15592@shugiin.go.jp
(ツイッター) https://twitter.com/mikioshimoji

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戦争法案に反対する国会前抗議行動
(呼びかけ:SEALDs 自由と民主主義のための学生緊急行動)
6月12日(金)19時30分~21時30分 国会正門前北庭エリア
http://www.sealds.com/#upcoming-actions

とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ 6・14 国会包囲行動
6月14日(日)14時~15時30分 国会議事堂周辺
http://sogakari.com/?p=278

【資料】
自民党 政策ビラ「平和安全法制の整備」
https://www.jimin.jp/news/policy/127900.html
 

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ヒューマンライツ・ナウ 「安全保障法制に反対する声明」

2015年06月10日 | Weblog

ヒューマンライツ・ナウは本日「安全保障法制に反対する声明」を発表しました。

全文とPDFをお知らせいたします。

 

 

安全保障法制に反対する声明

                           

 日本政府(安倍政権)は、本年5月14日、国際平和支援法案と自衛隊法、武力事態攻撃法、周辺事態法等の安全保障関連の現行法10本の改正案を閣議決定し、同15日に国会に提出し、法案審議が始まっている。

日本を本拠とする国際人権NGOであるヒューマンライツ・ナウは、この法案について、

1)憲法違反の内容を含み、立憲主義に反すること、

2)国際法に違反した武力行使に日本が直接的・間接的に参戦することに道を開くものであって、海外の戦場において重大な人権侵害を生み出しかねないこと、

3)平和主義に基づく日本の外交・援助方針の基本的な姿勢が変容する危険性があること、

について懸念を有し、これに反対する。 

 

1 立憲主義違反

(1) 本法案の主要な目的は、集団的自衛権の行使を法制化することにある

  自衛隊法の改正案(76条)は、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」(存立危機事態)には自衛隊の防衛出動ができるとし、武力事態法改正案(3条)は、上記の事態の場合、「存立危機武力攻撃を排除」するために「事態に応じて合理的に必要と判断される限度において」武力の行使が認められると規定しており、後方支援にとどまらない現実の武力行使が想定されている。

法案の「存立危機事態」は極めて曖昧であり、「我が国と密接な関係にある他国」には何の限定もない。政府の解釈により極めて広範な事態がこれに当たりうる<!--[if !supportFootnotes]-->[1]<!--[endif]-->。武力行使容認の基準について政府は「現実的に発生した個別具体的な状況に即して政府が判断する」と述べるにとどまり<!--[if !supportFootnotes]-->[2]<!--[endif]-->、明確な歯止めもないまま、主権者のあずかり知らぬところで、海外での戦争に突入する危険性がある。

他方、周辺事態法を改正した「重大影響事態法」は、「我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態」であれば、地理的限定を外し、地球上のどこでも、米軍への武器・弾薬の供与などの後方支援ができることとなる。

(2) こうした海外での武力行使や、武力行使と一体化した後方支援活動が、憲法9条、とりわけ「国の交戦権は、これを認めない」とした9条2項に違反することは明らかである。<!--[if !supportFootnotes]-->[3]<!--[endif]-->

歴代内閣は一貫して、集団的自衛権行使は憲法9条に違反し許されないとの解釈を堅持してきたものであり、昨年7月1日の閣議決定は、歴代内閣の憲法解釈を一内閣が覆したものといえる。

このような解釈改憲は、閣議決定や法整備によって正当化できるものではない。憲法96条が定めた憲法改正手続により、国民多数の賛成を経て初めて実現しうるものである。

日本政府は、本来改憲に必要とされる主権者の民意を問うことなく、憲法に反する武力紛争への参加を法制化しようとするものであり、立憲主義に明らかに反し、憲法尊重擁護義務にも反する。

また日本政府は、本法案上程よりも先に米国との間で、日米防衛新指針(ガイドライン)改定によって集団的自衛権の行使を合意したが、この合意は現行の日米安保条約の内容を大きく踏み越えるものである<!--[if !supportFootnotes]-->[4]<!--[endif]-->。こうした合意は本来、新たな条約を締結し、日本の憲法上の手続に従って国会承認を得るべきであるが、こうした手続きも経られていない。立憲主義を根本から揺るがせる脱法行為である。

このように明らかに憲法に反する法律案を成立させることは許されない。

 

2 国際法に違反した武力行使に参戦し、人権侵害の加害者となる危険性

(1)「国際平和支援法案」について 

  「国際平和支援法案」は、国際社会の平和と安全を脅かす事態にあたり諸外国の軍隊が軍事行動をする場合に、日本の自衛隊が物品・役務の提供による協力支援活動、戦闘参加者の捜索・救助活動を出来ると規定する。軍事行動の前提として、国連安保理決議が武力行使を容認する決議を採択している必要はなく、国連決議が「平和に対する脅威・平和に対する破壊」を認め何らかの行動を求めていればよいと規定する<!--[if !supportFootnotes]-->[5]<!--[endif]-->

国連憲章上、国連加盟国による武力行使は原則違法とされ、例外は自衛権行使の場合と、国連安保理決議による武力行使容認決議がある場合にとどまる。

2003年のイラク戦争、2009年以降のシリア内戦、中東紛争など、国連安保理が「平和に対する脅威」を認定しながら、武力行使を認めなかった事例は幾多存在する<!--[if !supportFootnotes]-->[6]<!--[endif]-->

例えば、2003年のイラク戦争は国連安保理による武力行使容認決議が得られないまま、米国がイラク攻撃に踏み切った違法な侵略戦争である。「国際平和支援法案」が成立すれば、国連安保理の決議を経ない違法な戦争であっても、戦闘行為に従事する外国軍への支援に常に道が開かれることとなる。

(2) 集団的自衛権行使について

武力事態法改正案では、「我が国と密接な関係にある他国」のために集団的自衛権を行使しうるとされているが、「他国」として第一に想定されるのは同盟関係にある米国である。

米国は世界で最も多くの武力紛争に関与している国であり、そのなかにはイラク戦争をはじめ、数々の国際法に反する違法な武力行使が含まれている。しかし、法案の「他国に対する武力攻撃が発生し」との定義では、米国が先制攻撃した反撃としての武力攻撃の事態でも排除されない。

米国はパナマ侵攻など、国際法上「自衛」には到底あてはまらない侵略戦争を「自衛」と正当化してきた。集団的自衛権行使を容認すれば、世界各地で米軍が展開する軍事行動に対し、その合法性を問わず日本が参加することとなりかねない。

安倍首相は、国際法に反する戦争には参加しない、米国の戦争に巻きまれるようなことはないと説明するが、法文上明確な歯止めがないこと、日本政府が過去に行われた米国の武力行使に異を唱えたことが一度もないこと、安倍首相自身が歴代内閣の憲法解釈を独断で変更している事実に照らしても、将来的には何らの保証にもならない。

(3) 人権侵害の加害者となる危険性

9.11テロ事件後続く「テロとの戦い」において、米国や米国を含む有志連合による武力行使の過程で、大規模な空爆、民間施設の攻撃を行い、無人機(ドローン)、クラスター爆弾、白リン弾、劣化ウラン弾等を使用して、アフガニスタン、イラクなど世界各地で、幾多の罪のない多くの市民の命を犠牲にしてきた。

こうした行為のなかには国際人権・人道法に違反する戦争犯罪に該当する事例も多く、こうした人権侵害は広く国連機関から警告されている。ところが、米国は国際刑事裁判所規程に加入もせず、自らの軍事行動によって発生した人権侵害や殺戮に対して何ら責任を取らず、犠牲を出し続けている。こうした米軍の人権侵害に対し、日本が明確に批判的な態度を取った例を私たちは確認できていない。

他国での軍事行動による犠牲者を出し続ける超大国と共同して軍事行動を行う集団的自衛権行使に道が開かれれば、日本が武力紛争下での人権侵害の加害者・殺戮の当事者になる危険性がある。

武力紛争下での深刻な人権侵害に日本も加担することに、私たちは深刻な懸念を表明する。

 

3 平和主義に基づく日本の外交・援助方針の基本的な姿勢が変容する危険性があること

日本は第二次世界大戦で、他国への侵略により多大な人権侵害の犠牲を引き起こしたことの反省のもとに憲法9条により戦争を放棄し、以後、海外で武力行使を一度もせず、非軍事の国際貢献に徹し、世界から信頼を得てきた。ところが、今回の法案が成立すれば、恒久平和主義に立脚した外交・援助政策の基本は変容を迫られ、日本は紛争に対する中立的な援助者・仲介者でなく殺戮の当事者になる。

これまでの中立的な外交・援助政策に対する国際的信頼を維持することは困難になり、日本は国際社会に貢献するための貴重な独自の外交資源を失うことになる。

一方で超大国の行う武力行使に参加して破壊と殺傷に加担し、他方でその人たちに人道援助をする、そのようなあり方で、問題の根源を解決することはできない。

戦争は21世紀に入ってもなお、最大の人権侵害を生み出している。日本政府がなすべき最も重要な国際貢献は、軍事介入によって新たな人命や人権の犠牲を生み出すことではない。

日本国憲法前文が世界に先駆けて確認した「平和のうちに生きる権利」は21世紀において世界で普遍的に実現されるべき重要な人権である。

日本のなすべきことは、争いの絶えない世界において平和主義を堅持し、紛争・貧困・人権侵害の連鎖という悪循環を解決する平和的な国際協力を追求することにある。

 

以上の理由からヒューマンライツ・ナウは安保法制に反対する。国会に対しては、立憲主義にのっとりこれを廃案にするよう求める。

                                    以 上

<!--[if !supportFootnotes]-->

<!--[endif]-->

<!--[if !supportFootnotes]-->[1]<!--[endif]-->2014年7月14日の答弁で安倍首相は、ホルムズ海峡に機雷が敷設されて原油が輸送できず経済的な損失が発生した場合もこの事態に該当するとしており、極めて広範な事態が想定されている。

<!--[if !supportFootnotes]-->[2]<!--[endif]--> 2015年6月5日、中谷防衛省答弁

<!--[if !supportFootnotes]-->[3]<!--[endif]--> 2015年6月4日の衆院憲法審査会で識者として呼ばれた憲法学者3人(長谷部恭男氏、小林節氏および笹田栄司氏)は揃って、集団的自衛権の行使は憲法違反と指摘している。

<!--[if !supportFootnotes]-->[4]<!--[endif]-->日米安保条約は、5条で「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」について共同で対処することを定めているにとどまり、海外で米国が武力攻撃を受けた場合の日本の共同防衛義務は定めていない。

<!--[if !supportFootnotes]-->[5]<!--[endif]--> 法案は、日本が外国人を支援できる場合として、以下の2つの場合を規定する。

イ 当該外国が当該活動を行うことを決定し、要請し、勧告し、又は認める決議

ロ イに掲げるもののほか、当該事態が平和に対する脅威又は平和の破壊であるとの認識を示すとともに、当該事態に関連して国際連合加盟国の取組を求める決議

<!--[if !supportFootnotes]-->[6]<!--[endif]-->国連安保理決議は、例えば2014年には63本採択されており、その多くが特定国の事態について「平和に対する脅威」などを認めているが、武力行使を容認する決議はそのうちごく一部にすぎない。

ヒューマンライツ・ナウ(投稿) (2015年6月 9日)


鳥取県弁護士会 過労死促進制度に反対声明

2015年06月09日 | Weblog

労働者保護の基本ルールを撤廃する「高度プロフェッショナル制度」
創設に反対する鳥取県弁護士会総会決議


 本年4月3日,政府は,第189回通常国会に,「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」(以下,単に「高度プロフェッショナル制度」という。)の創設を含む,労働基準法等の一部を改正する法律案(以下,「法律案」という。)を提出した。政府の説明によれば,「高度プロフェッショナル制度」とは,「職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1000万円以上)を有する労働者が,高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に,健康確保措置等を講じること,本人の同意や委員会の決議等を要件として,労働時間,休日,深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする。」である。
 以下のとおり,「高度プロフェッショナル制度」は,「過労死促進制度」であること,単なる「残業代ゼロ制度」であり「成果で評価する制度」ではないこと,一度導入された場合多くの労働者に対象が拡大する危険性があること,及び長時間労働を防止する対策が不十分であることから,鳥取県弁護士会は,「高度プロフェッショナル制度」創設に強く反対する。

 

1 「過労死促進制度」であること
  労働者保護の最低限のルールを規定している現行の労働基準法は,労働条件の大原則として,労働時間規制(1日8時間,週40時間),休憩・休日の付与及び時間外労働に対する割増賃金の支払い義務(以下,「労働者保護の基本ルール」という)を規定している。その趣旨は,長時間労働を抑制することで,労働者のワークライフバランスを保ち,労働者の健康で文化的な生活を保障することである。また,昨年11月から施行された過労死等防止対策基本法1条に規定されているとおり,「近年,我が国において過労死等が多発し大きな社会問題になって」おり,その主要な原因のひとつが長時間労働であることから,過労死等の防止のためにも,労働者保護の基本ルールは極めて重要である。
  しかし,「高度プロフェッショナル制度」は,一定の要件のもと,労働者保護の基本ルールを全て適用除外にするものである。「高度プロフェッショナル制度」が導入されれば,長時間労働を抑制するための法律上有効な歯止めがなくなり,長時間労働が蔓延し,過労死等の増加を招くことになる。実際,既にホワイトカラー・エグゼンプションが導入されているアメリカでは,残業代ゼロの労働者の方が,残業代が支払われる労働者よりも,長時間労働を強いられている実態がある。
  「高度プロフェッショナル制度」は,まさに「過労死促進制度」である。

 

2 単なる「残業代ゼロ制度」であり「成果で評価する制度」ではないこと
  2014年6月24日に閣議決定された「「日本再興戦略」改訂2014」には,「時間ではなく成果で評価される働き方を希望する働き手のニーズに応える」と記載され,政府は,「労働基準法等の一部を改正する法律案の概要」においても,「高度プロフェッショナル制度」を「成果型労働制」と説明している。これを受けて,多くのメディアも,「高度プロフェッショナル制度」を成果主義賃金制度であるかのように報道している。
  しかし,法律案のどこにも,「高度プロフェッショナル制度」が,時間ではなく成果で評価するとは書かれていない。書かれているのは残業代をゼロにすることである。そもそも,成果で賃金を決めることは,現行の労働基準法のもとにおいても可能であり,成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズのために,「高度プロフェッショナル制度」を創設する必要性はない。「高度プロフェッショナル制度」が創設されてしまえば,実際には,使用者から課された成果を得るために,労働者は,残業代ゼロで,際限のない長時間労働を強いられることになる。
  「高度プロフェッショナル制度」は,単なる「残業代ゼロ制度」であり「成果で評価する制度」ではない。

3 対象者拡大の危険性
  現時点で,「高度プロフェッショナル制度」の対象となる労働者は,年収が1000万円以上のごく一部であり,多くの労働者にとっては,無関係の制度であると思われがちである。
  しかし,以下に記載するとおり,「高度プロフェッショナル制度」は,一度導入されてしまえば,今後,多くの労働者に拡大される危険性が高い。そのため,多くの労働者にとっても無関係の制度ではない。
  経済界では,「残業代ゼロ制度」への待望が強い。日本経団連は,もともと,対象となる労働者の年収を400万円と想定している(2005年6月21日付「ホワイトカラー・エグゼンプションに関する提言」)。
  「残業代ゼロ制度」は,政府の諮問機関である産業競争力会議などで議論され,2014年6月24日に「日本再興戦略 改訂2014」によって政府の政策方針として閣議決定された。産業競争力会議には,構成員に大企業経営者など使用者側の利益を代表する者が多く含まれている一方で,労働者側の代表者は一人もいない。
本年2月13日,厚生労働省労働政策審議会は,閣議決定された政府の方針に従って,「高度プロフェッショナル制度」の創設を含む「今後の労働時間法制等の在り方について(報告)」を,労働者代表委員の一致した反対意見を押し切る形で取りまとめた。この報告は国会提出法案の基となっている。なお、この報告には,使用者代表委員の意見として「幅広い労働者が対象となることが望ましい」と記載されている。
このように,政府は,経済界の意見を反映する形で閣議決定した方針の下,労働者側の反対意見を押し切って法案を提出しているのである。「小さく生んで大きく育てる」との言葉があるように,ごく一部の労働者を対象としてスタートさせる「高度プロフェッショナル制度」が,今後,経済界の強い要望により,多くの労働者に拡大されていく危険性は高い。
  一度規制緩和が行われてしまった場合に,緩和の範囲が徐々に拡大し,原則と例外が逆転してしまう危険性があることは,改正が繰り返され対象が拡大していった労働者派遣法の規制緩和の経緯からも容易に想像できる。実際,1938年からホワイトカラー・エグゼンプションを導入したアメリカでは,対象労働者の範囲が徐々に拡大していき社会問題化し,現在,オバマ政権のもとで規制強化に向けて見直しが行われようとしている。
  この度,「高度プロフェッショナル制度」を導入してしまうことは,過労死等がこれまで以上に蔓延し,多くの労働者に残業代が支払われない事態が生じる蟻の一穴となり得るため,極めて危険である。

 

4 長時間労働の防止策が不十分
  「高度プロフェッショナル制度」について,法律案における主な長時間労働抑制策は,①健康管理時間の把握,②「休息時間規制」,「総労働時間の上限規制」,「休日の確保」のいずれか1つの措置を講じること,③労働者の同意を要することである。
  しかし,これらの長時間労働抑制策は,実効性が不十分であり,長時間労働の防止策として不十分である。
  ①健康管理時間(事業場内・外にいた時間)の把握については,厚労省の通達でも「不適正な運用に伴い…使用者が労働時間を適切に管理していない状況もみられる」(平成13年4月6日基発第339号)と指摘され,タイムカード打刻後のサービス残業も多くみられるような我が国の現状からしても,使用者による健康管理時間の把握の実効性には大きな疑問がある。また,そもそも,使用者が労働者の事業場外での労働時間を把握することは困難であることから,実効性がない。これは,現行の労働基準法自体が,使用者が,労働者の事業場外における労働時間の把握が困難である実態を踏まえて,事業場外みなし制度を規定していることから明らかである。
  ②「休息時間規制」,「総労働時間の上限規制」,「休日の確保」のいずれか1つの措置を講じることについては,具体的内容は省令で定めるとされ,過労死等の防止の歯止めとなり得るか疑問であり,そもそも違反に対する罰則もないため実効性がない。また,いずれか1つの措置を講じれば足りるため,例えば,使用者が労働者に休日なしの労働や超長時間労働を行わせることも可能となってしまう。
  ③労働者の同意については,そもそも使用者と労働者は対等な関係ではない。「高度プロフェッショナル制度」への同意が,採用時の条件となっていたり,成果主義制度導入の条件とされていたりすれば,労働者は同意せざるを得ないのが通常である。労働者の同意は,制度適用の歯止めとはなりえない。

 

5 結語
  メーデーの起源は,1886年5月1日,アメリカの労働者が「仕事に8時間,休息に8時間,自分の時間に8時間を」というスローガンでストライキに立ち上ったことである。その後,1919年にILO(国際労働機関)の第1号条約で,8時間労働制が規定され,国際的労働基準として確立した。
  いま行われるべきは,この原点に立ち返り,実効性ある形で労働時間の上限規制や勤務間インターバル規制の法律を作ることである。
  鳥取県弁護士会は,これと逆行する「高度プロフェッショナル制度」創設に強く反対する。


以 上

2015年5月26日
鳥取県弁護士会

 


岡山弁護士会 、「新ガイドライン」及び「平和安全法制案」に反対する会長声明

2015年06月09日 | Weblog
「集団的自衛権行使容認の閣議決定」の撤回を求め、「新ガイドライン」及び「平和安全法制案」に反対する会長声明
2015.05.13
「集団的自衛権行使容認の閣議決定」の撤回を求め、「新ガイドライン」及び「平和安全法制案」に反対する会長声明
  
1  日本国憲法9条は、戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認を定め、徹底した恒久平和主義をとることを全世界に表明した。これは、先の大戦の多くの被害と加害の両方を経験した日本国民の願いであり、世界に向けての不戦の誓いでもある。
 戦後70年、憲法9条は幾たびか改変の危機に見舞われてきたが、これまでの政府は、憲法9条は個別的自衛権までは放棄しておらず、自衛隊は専守防衛に徹する必要最小限度の実力であるから憲法9条の「戦力」ではないという解釈のもとに、外交・防衛政策をとってきており、かろうじて憲法9条は堅持されてきた。
 しかし、2014年7月1日に、これまでの政府見解を変更し、現行憲法9条の下でも集団的自衛権の行使は可能であるとする閣議決定がなされた。これに対し、日本弁護士連合会及び岡山弁護士会をはじめとする各単位会は、この閣議決定は恒久平和主義及び立憲主義に反するので撤回せよとの会長声明・総会宣言・決議を幾度となく出してきた。
2 ところで、政府は、本年4月27日、米国との間で、新たな「日米防衛協力のための指針」(以下「新ガイドライン」という)に合意した。この新ガイドラインによれば、緊急事態のみならず、平時、グレーゾーン事態を含むあらゆる状況において、切れ目のない緊密な日米の軍事協力により、大気圏外及びサイバー空間にも及んで、アジア太平洋地域及びこれを超えた全世界に及ぶ日米同盟関係を形成するものとなる。これは、日米及び極東の平和と安全の維持に寄与することを主眼としてきた従来の日米同盟の本質を根本的に転換するものであると言わざるを得ない。
 すなわち、新ガイドラインは、日米両国が、米国又は第三国に対する武力攻撃に対処するため、日米両国が当該武力攻撃への対処行動をとっている他国とも協力することを取り決め、集団的自衛権に関しては、自衛隊が機雷掃海、艦船防護のための護衛作戦、敵性船舶の臨検及び後方支援を行うこと等を具体的に定めている。また、これまでの「周辺事態」にとどまらず、「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」への対応、及びアジア・太平洋地域を超えたグローバルな地域の平和と安全のための対応として、自衛隊と米軍が、実行可能な限り最大限協力するとし、後方支援を行うこと等を定めている。
 もとより、国家の安全保障・防衛政策は、日本国憲法前文と憲法9条が掲げる徹底した恒久平和主義に基づいて行わなければならない。集団的自衛権の行使はもちろん、世界中に自衛隊を派遣して米国等の戦争の後方支援をし、武力行使の道を開くことは、日米安全保障条約の範囲すらも超えて、明らかに恒久平和主義に反するものである。
 のみならず、集団的自衛権行使を容認し、世界規模での自衛隊の活動を認める内容の新ガイドラインについて、憲法改正の手続きを経ることなく、単なる政府間の合意でなされることは、立憲主義の根本原則を踏みにじるものである。
 しかも、新ガイドラインの合意に際し、日本政府は、まだ国会に上程されていない安全保障関連法(平和安全法制整備法案)について、今国会で成立させると米国に約束した。まだ、国会にも上程されておらず、かつ、法案の内容すらも明確になっていない段階で、米国との約束を先行させ、既成事実化しようとするもので、国権の最高機関である国会そして何よりも国民を完全に無視する態度と言わざるを得ず、民主主義・国民主権に著しく違背し、到底許されない。
3 自民、公明両党は、5月11日の与党協議会で、新しい安全保障法制を構成する11の法案の内容で正式に合意した。今後は、閣議決定を経て、15日には国会に提出し、5月下旬より国会審議に入ると報道されている。
 自衛隊の海外派遣の恒久法である「国際平和支援法案」と、武力攻撃事態法改正案・重要影響事態法案(周辺事態法)・自衛隊法改正案・PKO協力法改正案等を含めた10法案の、合計11の法案は「平和安全法制」と命名され、これらの法案は、「日本の平和と安全」に関するものと、「世界の平和と安全」に関するものに分かれる。
 前者の「日本の平和安全」については、武力攻撃事態法改正案に、集団的自衛権行使の要件として「存立危機事態」を新設し、日本が直接、武力攻撃を受けていなくても、日本と密接な関係にある他国が武力攻撃されて、日本の存立が脅かされる明白な危険がある事態で、他に適当な手段がない場合に限り、自衛隊が武力行使できるように、また、従来の周辺事態法は「重要影響事態法」に変わり、「日本周辺」という地理的制限をなくし、世界中に自衛隊を派遣できるようにし、後方支援の対象も、米軍以外の外国軍に拡大している。
 後者の「世界の平和と安全」については、「国際平和支援法」を新設し、国際社会の平和と安全を目的として戦争している他国軍の後方支援を、自衛隊が行うことを可能とする「恒久法」である。これまでは、自衛隊の海外派遣の度に特別措置法(時限法)を作ってきたが、この法案が成立すれば、国会の事前承認さえあれば、いつでも海外派遣することが可能となる。
 以上のような内容の「平和安全法制」は、「平和」「安全」とは名ばかりで、まさしく「戦争法案」と評価せざるを得ず、日本国憲法前文及び憲法9条の徹底した恒久平和主義に反するもので、到底容認できるものではない。かかる内容の法案は、これまで、平和国家として日本がとってきた外交・安全保障政策や方針を180度転換するものであり、国民的議論を背景にした慎重な国会審議と直接に国民の意思を問う憲法改正手続を経ることがないまま、今国会の会期中で早急に審議し成立させるべき法案でない。米国との約束の履行より、国民の意思と覚悟の確認を先行させるべきである。
4  岡山弁護士会は、以上の通り、「集団的自衛権行使を容認した閣議決定」の撤回を再び強く求めるとともに、「新ガイドライン」及びその国内立法として、今国会(第189回通常国会)で審議予定の全ての「平和安全法制案」は、日本国憲法前文、憲法9条、立憲主義、国民主権という憲法の極めて重要な基本原則に違反し、我が国の平和国家としての根幹を揺るがすものとして、強く反対するものである。
 
 
2015(平成27)年5月13日
岡山弁護士会     
会長 吉 岡 康 祐

広島弁護士会 集団的自衛権の行使等を含む安全保障法制に関する法案に反対する決議

2015年06月09日 | Weblog
集団的自衛権の行使等を含む安全保障法制に関する法案に反対する決議


2015年05月27日




集団的自衛権の行使等を含む安全保障法制に関する法案に反対する決議
2015(平成27)年5月26日
広島弁護士会会長 木 村  豊
第1 決議の趣旨
 当会は,集団的自衛権の行使等を含む安全保障法制に関する法案に強く反対する。

第2 決議の理由
1 従来,政府の憲法第9条解釈では,集団的自衛権については,その行使は許されないものと解されており,この政府解釈の下,集団的自衛権の行使を始めとする自衛の範囲を超える武力行使につながる怖れのある自衛隊の海外派遣は行わないものとされてきた。
そのため,当会は,2014(平成26)年5月27日,総会において,「憲法第9条の政府解釈変更による集団的自衛権行使に反対する決議」を採択するなど,政府が,それまでの憲法第9条の政府解釈を閣議決定だけで変更し,憲法違反となる集団的自衛権行使を容認しようとすることに強く反対を表明してきた。
しかしながら,政府は,日弁連や当会など多くの弁護士会からの反対表明にもかかわらず,同年7月1日,「国の存立を全うし,国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題する閣議決定を行った。その内容は,集団的自衛権行使の容認のほか,自衛隊の活動領域及び武器使用が可能な範囲を拡大させるなど,これまでの日本の安全保障政策を大きく転換させるものであった。
2 そもそも,憲法は,最高法規(第98条)として国家権力を制限することによって,国民の権利・自由を守ることを目的としている(立憲主義)。憲法が,その前文及び第9条において恒久平和主義を定め,政府に対し,戦争及び武力の行使を放棄させ,戦力の不保持を要求しているのは,個人の尊重の原理(第13条)や平和的生存権(前文,第9条,第13条)を保障するためである。
にもかかわらず,長年にわたり形成されてきた憲法第9条の政府解釈を,憲法改正手続をとることなく,時の政府の閣議決定のみで変更し,集団的自衛権行使を容認する等,日本の安全保障政策を大転換させることは,立憲主義ひいては国民主権の基本原則に反するものであり,その手法は到底許されることではない。
3 本年5月15日,政府が国会に提出した安全保障法制に関する法案は,昨年7月1日の閣議決定に基づく法案であり,自衛隊法,武力攻撃事態対処法,周辺事態法,国際平和維持活動協力法等10の法律を一括改正する法案と,国際平和支援法という新法を制定するというものである。
これらの法案は,「存立危機事態」と認められる場合には,集団的自衛権の行使を認め,世界中のどこであっても自衛隊が米軍等の外国軍隊とともに武力を行使することを可能とし(自衛隊法,武力攻撃事態対処法),「重要影響事態」に該当すれば,我が国の周辺地域に限らず自衛隊の後方支援を可能とし(周辺事態法の改正による重要影響事態法),「国際平和共同対処事態」に該当すれば,これまでのように個別立法を作らなくても自衛隊が協力支援活動等を行うことができる(国際平和支援法)等としている。
そして,活動内容について,他国軍隊の武器防護のための武器使用のほか,在外邦人救出活動を自衛隊の任務に加え,在外邦人救出活動では任務遂行のための武器使用を可能とするほか(自衛隊法),いわゆるPKO活動において,国連平和維持活動への協力に限られていたのを,国連が統括しない有志連合等の「国際連携平和安全活動」にまで活動範囲を大きく広げ,これまで認めていなかった「安全確保業務」や「駆け付け警護」を行うことを可能とし,かつ,任務遂行のための武器使用を認めるものである(国際平和維持活動協力法)。さらに,武力行使を行っている他国軍隊への軍事支援活動は,戦闘現場ではない限り行うこと,しかも捜索救難活動については戦闘現場であっても行うことを可能としている(重要影響事態法,国際平和支援法)。加えて,「存立危機事態」における自衛隊の武力行使,「重要影響事態」における自衛隊の他国軍隊への支援,国連平和維持活動における「停戦監視業務」及び「安全確保業務」については,国会による事後承認の例外も設けられている。
 内閣が提出したこの安全保障に関連する法案は,憲法第9条の制約を超え,海外での「武力の行使」を可能とするものであり,許されない。また,そもそもこれらの法案で使用される「存立危機事態」,「重要影響事態」,「国際平和共同対処事態」という概念は,法的概念として確立されておらず, これらの概念を認めることは,政府の恣意的な判断で自衛隊を海外へ出動させ,武力を行使させるおそれに繋がる。しかも,政府の判断の根拠となった事実や資料は,外交・防衛に関する事項として特定秘密保護法により秘匿されるおそれもあり,そうなれば,国会審議に十分な情報が提供されず,政府の判断の正当性を検証することすら不可能となる。
4 先の大戦は,日本国内外で多くの戦争被害を生んだ。とりわけ広島は,原爆投下により,数え切れない市民が犠牲となった。このような悲劇は二度と繰り返されてはならないとの反省のもと,日本国憲法は,前文と第9条で,徹底した恒久平和主義を規定した。しかし,政府が提出した安全保障法制に関する法案は,憲法第9条に違反するほか,憲法改正手続きを経ることなく憲法を実質的に変えようとするものであり,立憲主義,国民主権の基本原則に反するものであるから,到底許されない。    
よって,当会は,上記閣議決定に基づいて政府が提出した安全保障法制に関する法案に強く反対する。
以 上

以上

戦争法案に対する衆議院憲法審査会参考人の「違憲」発言について(談話)

2015年06月09日 | Weblog

2015年6月5日

戦争法案に対する衆議院憲法審査会参考人の「違憲」発言について(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.昨日の衆議院憲法審査会で、現在衆議院で審議中の戦争法案について、与党自民党・公明党及び次世代の党が推薦した長谷部恭男教授を含む出席した3人の憲法学者全員がいずれも「違憲」であるとの認識を示した。安倍政権のひとりよがりな憲法解釈に対し、憲法上多くの問題点を有しているとの疑義が改めて明らかになった。憲法の専門研究者からの「法案は違憲」との指摘を政府は真摯に重く受け止め、現在審議中の法案をすみやかに撤回すべきである。

2.他方、菅官房長官は、記者会見で、「全く違憲でないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」、「審議には影響ない」などと強弁している。根拠もなく「全く違憲でないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」とするが、「全く違憲でないと言う著名な憲法学者がたくさんいる」のであれば、ぜひ挙げてほしいし、多様な意見を反映させるためにも、与党推薦の参考人として招致すべきではなかったか。また、そもそも参考人招致とは、広く有識者や専門家の専門的・政策的な識見等を議会の審議に反映させるところに意味があり、「審議に影響がない」というのなら、参考人質疑という制度自体が無意味ということになる。与野党合意の上、それぞれの立場から招致した参考人の意見をないがしろにするのみならず、立法の参考に資するという参考人制度も否定するものである。内閣で重要な地位にある者の発言として看過できるものではなく、発言の撤回と参考人への謝罪を求める。

3.6月3日、170人を超える多くの憲法学者が「安保関連法案に反対し、そのすみやかな廃案を求める憲法研究者の声明」を発表している。声明では、安保関連法案は、これまで政府が憲法9条の下では違憲としてきた集団的自衛権の行使を可能とし、米国などの軍隊による様々な場合での武力行使に、自衛隊が地理的限定なく緊密に協力するなど、憲法9条が定めた戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認の体制を根底からくつがえすものであるから「戦争法案」の名にふさわしい、としたうえで、「憲法上多くの問題点をはらむ安保関連法案を、国会はすみやかに廃案にする」ことを求めている。短期間で多くの方が声明に賛同したことからも、戦争法案に対し、全国の憲法研究者が強い危機感を抱いていることは明らかである。社民党は改めて戦争法案の廃案、昨年7月1日の閣議決定及び新日米ガイドラインの撤回に全力を挙げる。

以上