日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

芳香族カルボン酸(分子模型)

2007-05-27 | 分子模型図鑑

カルボン酸の続き

ベンゼン環にカルボキシル基の付いた化合物だ

 

安息香酸

安息香酸

最も簡単な芳香族カルボン酸

安息香はエゴノキ科の植物から取れる樹脂だ

匂い成分はバニリンだからヴァニラの香りだが

安息香酸のエステル(カルボン酸とアルコールの化合物)

を多く含む

抗菌作用があり

保存料として使用された

 

フタル酸の仲間

フタル酸

カルボキシル基が2個付いている

付く位置によって3種の異性体がある

左から

フタル酸

イソフタル酸

テレフタル酸

・・・だから

o-(オルト)フタル酸、m-(メタ)フタル酸p-(パラ)フタル酸

でいいじゃないかと何度言えば・・・(略)

テレフタル酸は両側でエステルを作れることを利用して

ポリエステル繊維

ポリエチレンテレフタレート(PET)の原料となる

 

メリト酸

メリト酸

冗談のような化合物だ

ベンゼンの6角形の全てがカルボキシル基

生体ではなく鉱物の中から発見されている

黒鉛酸の名を持つ

大して重要な化合物ではないが

面白い形をしているので

図鑑としては載せておきたい

無水メリト酸

メリト酸

上のメリト酸から水分子が3つ逃げ出していったもの

コレも形状が面白い

さらに赤(酸素)と黒(炭素)だけというのがスパルタン

そんなのは一酸化炭素&二酸化炭素

ぐらいしか思いつかない

 

サリチル酸

サリチル酸

フェノールにカルボキシル基がついたもの

あるいは

安息香酸にヒドロキシル基がついたもの

薬学的に重要な化合物なので

サリチル酸については項を改めて紹介する

 

没食子酸

没食子酸

没食子は染料などに使われたタンニン

ブナ科植物の若芽にある種の蜂が産卵した時

その刺激により生じた虫コブを乾燥させたもの

この形は以前見た記憶があると思う

ポリフェノールで紹介した

http://blog.goo.ne.jp/suzukiqqq/d/20070511

タンニンの基本骨格なのだ

 

桂皮酸

桂皮酸

これも多くの植物に含まれる

このベンゼン環が酸化してヒドロキシ基がつくと

コーヒーのポリフェノールであるコーヒー酸に変わる

コメント
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