日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

短鎖脂肪酸(分子模型)

2007-05-15 | 分子模型図鑑

カルボキシル基

新しい官能基である

水酸基に酸素が追加されたような形をしている

これはカルボキシル基というものだ

カルボキシル基の付いた化合物の特徴は

酸だということだ

Dsc06765

もう一つの酸素に電子をひっぱられて

電子を失った水素は旅に出る

その水素を水素イオンといい

水素イオンこそが酸の正体だ・・・と

フェノールの回にも述べた

これから述べていくカルボキシル基の付いた化合物を

カルボン酸という

そのうちカルボキシル基が1個だけのものは脂肪酸といい

炭素数が8から10のものが中鎖脂肪酸

それ以上が長鎖、短いのが短鎖である

 

蟻酸(ぎさん)

蟻酸

最も簡単なカルボン酸

アリの仲間が持つ毒液の正体がこの蟻酸だ

メタノールを飲んで失明に至るのは

メタノールがホルムアルデヒドを経て

酸化された時にできるこの蟻酸が

原因だといわれている

 

酢酸(さくさん)

酢酸

炭素数が一つ増えただけで

蟻酸よりずいぶん優しくなった

酢酸は食酢の主成分だ

酸っぱい酸っぱい

エチルアルコールが酸化されてできるのが酢酸だ

これは体の中でも外でも変わらないので

お酒が古くなって酸化が進むと

酸っぱくなる

「酢」 は微生物の力で酸化を促進させて作っている

 

プロピオン酸

プロピオン酸

炭素数3つ

酢酸はかなり刺激の強いにおいだが

プロピオン酸もかなり不快なにおいだそうだ

脂肪酸は嫌なにおいが多いようだ

アルコールとは大違いだ

そして炭素数が増えるにつれて

酸っぱいにおいから動物的なにおいがまじっていく

 

酪酸(らくさん)

酪酸

炭素数4

酪酸というだけあって

牛乳を加工した時に見つかった酸

チーズのにおい、銀杏の皮の悪臭

体臭にも含まれる

 

吉草酸(きっそうさん)

吉草酸

炭素数5

これもくさい

足のむれたにおい

納豆のにおい

汗のにおいにも含まれていそう

 

カプロン酸

カプロン酸

炭素数6

カプロン酸のカプロンは

ヤギの事

ヤギの毛の油から得られたそうだ

ヤギのにおいがする

この辺から

獣臭が強くなっていくのだなあ

そして

液体のカプロン酸以降

中鎖・長鎖の脂肪酸は固体になり

酸よりも油としての性格を濃くしていくのだった

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする