タンポポの種がひっかかっている植物が
今日の主役「蓚(スイバ)」
これも雑草シリーズ
「酸葉」酸っぱい葉とも書く
別名が「酸模(すかんぽ)」(これも酸っぱいということ)
と酸っぱいことがアイデンティティになっている草だね
子どもの頃父親と一緒に歩くと
スイバを見つけるたびに
「昔の子供はおやつにこんなものしか食えなかった」
と言って
毟っては口にするのだった
「お前も食って見ろ」と言われて
食ってみたのは最初の時だけだった
酸っぱい酸っぱい
成分はシュウ酸(蓚酸)
蓚酸の「蓚」はスイバの事だ
昨日紹介したカルボキシル基が2つ付いた酸だ
蓚酸(しゅうさん)
フランス料理では
「ソレル」とか「ソレイユ」とかいうしゃれた名前で
立派な食材となっている
だから父も「こんなものしか」と
卑下することはないのだろう
もちろん
調理もせずに食べすぎてはいけない
どこにでもある草だが
スイバは面白い奴で
オスとメスがあるのだ
上の写真は雌株
雌花の方が色鮮やか
上の写真が雄株
雄花は稲のような花だ
そして下の写真
これはスイバの実
水彩画の蜉蝣のような 君の細い腕がふわりと
ぼくの替わりに宙を抱く 蛍祭りの夕間暮れ
時折 君が散りばめた 土産代わりの町言葉
空回り 立ち止まり 大人びた分だけ遠ざかる
きらきら輝き覚えた 君を見上げるように
すかんぽの小さな花が 埃だらけで揺れているよ
(さだまさし「風の篝火」)