硫化水素による自殺という痛ましい事件が続く
事件そのものは論評しない
「怖いねえ。あれでしょ。『混ぜるな危険』っていう奴」
という知人が居たのでその誤解を訂正しておく
酸性洗剤と塩素系漂白剤で発生する有毒ガスは
塩素ガスだ
上の写真の左側の分子は次亜塩素酸HClO
次亜塩素酸ナトリウムの様な形で漂白剤に含まれている
右側の分子は塩化水素HCl
塩酸だトイレ用洗剤などに含まれる
これらを混ぜることによって
化学反応の結果、上の緑色の分子「塩素」Cl2が発生する
刺激性の気体で呼吸器系を爛れさせたりする有毒ガスだ
危険な気体ではあるが
このところ話題になっているのは
硫化水素だ
H2S黄色は硫黄原子だ
毒性は塩素の比ではない
一酸化炭素より強く青酸ガスに匹敵するといわれる
こちらも酸性洗剤(塩酸)が関わっているのだが
もう一方の主役は硫化カルシウムなどの硫化物
温泉入浴剤などに含まれる
塩酸が硫化物と反応して
硫化水素と塩化カルシウムになる
この方法が安楽できれいに死ねるという噂が
ネットで広まってこんなに流行っているらしい
ネット社会の暗部である
硫化水素は一酸化炭素に似て
赤血球にくっついて離れなくなるので
呼吸ができなくなって死ぬことになる
顔色は黒くなるだろうし
きれいで安楽な死に方などではないと断言しておこう
周りを巻き込むなど言語道断であるよ
学力向上が急務であるとの昨今の風潮を受けて
本町でも学力向上対策委員会なるものが開かれた
これは
町内の小中学校の校長と教務主任を集めて
「あんたの店ではどんな工夫をしているの」
と発表しあうチェーン店の会議みたいなものだ
「家庭学習の手引きを作成してます」
「朝自習の時間を設定してます」
といった無難な策から始まって
「毎日の授業の前に事前テストを行い
それに基づいた指導を展開後
事後テストで成果を検証します」
みたいな無茶な物まで出てくる・・・
ここで教務主任に求められているのは
プランナーとしての資質であり
教務主任の「思いつき」はこういった分野では
結構そのままで通ってしまったりする
「1時間目の前に朝自習
23時間目の間に業間運動
5時間目の前に昼読書」
なんて学校もあった
問題は学校では費用対効果の概念が無いに等しいということ
コストパフォーマンスなんか考えず
学力向上の効果がほんのわずかであろうとも
やらないよりやったほうがいいのではないか
ということになりがちなのだ
だが確実に
この場合のコストである
「担任の時間」はすり減り
明日の授業への教材研究がおろそかになり
つまらない授業が増えていく
毎時間の授業が充実することが
学力向上への最善の策だという考え方は少数派である
そうして
先生たちは授業とは違う忙しさに毎日追われ
子供達はチャイムに急きたてられるように
せわしない一日を送る
商売のチェーン店会議であれば
「この企画は利益率が低いから今シーズンでやめましょう」
ということになるだろうに
代々の教務主任や校長の思いつきで
へんてこなものになった教育課程を
シンプルにもどすことはなかなか難しい
「学力向上に役立っていない」と証明することは難しいからだ
断言してもいいが
「テストを作って、テストをやらせて、採点をする」膨大な時間を
「明日の授業はこんな導入にしてみよう」と考える時間にしたほうが
確実にその教科に興味を持ち、好きになる子が増える
長い目で見ればその方がいいと思うんだけどなあ
いや
別に僻地ではないんだけどね・・・新任校
困ったことが一つ
ケータイが圏外なのである
自然教室で登った山の頂上でも繋がっていた
我が携帯電話なのに
勤務する学校は圏外・・・
かかってくることは多くないから困らないのだが
電池の減りが早いのが厄介だ
機種変更すべきなのかなあ
犬のお父さんのケータイに
学校の裏山に居た小鳥
配色が似ていたのでモズかなっと思ったが
ヤマガラだった
あっちへ飛んだりこっちへ飛んだり落ち着きがない
口に綿毛のようなものを咥えている
きっと卵の下に敷くつもりなのだろう
子育てシーズンの始まりである