日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

ポリフェノール(分子模型)

2007-05-11 | 分子模型図鑑

健康番組を見ると
いいかげんなことを書きちらしてるなあ
と思うのだが

 

そんな番組に頻繁に出てくる言葉がある
ポリフェノールだったり
フラボノイドだったり
ゴマリグナンだったり
茶カテキンだったり
大豆イソフラボンだったり
色々あるようだ

 

分子模型図鑑では
これらを一気に済ませてしまおう

 

というのも
これらは皆似たり寄ったりの化合物だからだ

 

ポリフェノールは何千種類もある
あらゆる植物がなんらかの
ポリフェノールを備えていると思ってよい

 

食用になるポリフェノールの大部分は
フラボノイドだ
フラボノイドのノイドは
「~のようなもの」「~もどき」「~族」
といった意味だ
モンゴロイド「モンゴル人種」
ヒューマノイド「人間に似たもの」
アンドロイド「男に似たもの」
セルロイド「セルロースもどき」
アステロイド「恒星のようなもの」
といった言葉もある

フラボノイドは「フラボンに似たもの」
二連の環状構造にベンゼン環がくっついた形をしている
別の位置にベンゼン環がくっつくと
「もう一つのフラボン」イソフラボンという構造になる

フラボノイド系の他にもポリフェノールがあり
構造によって
クロロゲン酸系(コーヒー…)
フェニルカルボン酸系(ゲンノショウコ…)
エラグ酸系(イチゴ・リンゴ…)
リグナン系(ゴマ(セサミン)…)
クルクミン系 (ターメリック…)
クマリン系(パセリ・人参…)
などに分けられる

フラボノイド系の中も細かく分かれ
イソフラボン(大豆…)
ケルセチン(ブロッコリ…)
アントシアニジン(各種の花…)
ヘスペレチン(ミカン…)
カテキン(茶…)
アピゲニン(セロリ…)
ルチン(そば…)
枚挙に暇がない
週に1本これらを主役にして
健康番組を作っても
何クールでも持ちそうだ

 

では分子模型を一気にご覧頂く

アントシアニジン

アントシアニジン
これに糖がくっつけばアントシアニン
花々の色素

 
イソフラボン(大豆)

イソフラボン

カテキン(茶)

カテキン
 

エピカテキン(カカオ)

エピカテキン

 
クリシン(果皮)

クリシン

 
ケンフェノール(ぶどう)

ケンフェノール

 
ヘスペレチン(柑橘)

ヘスペレチン

セサミン(ゴマ)
セサミン

 

タンニン(柿)

タンニン

タンニンは構造の名前ではなくて
口に入れて渋いもの一般をいう
ポリフェノールがどんどんくっつくと
タンニンになるような
加水分解型タンニン

タンニン

 
縮合型タンニン

タンニン

さて植物はなんのために
ポリフェノールをつくるのかというと
大きな理由の一つが紫外線対策
動物でいえばメラニン色素のようなもの
メラニンの分子模型も見ていただこう

 
メラニン

メラニン
タンニンとメラニンを見比べて
大きく違うのは
メラニンに窒素が含まれていることだ
これは原料の違いによる
植物はブドウ糖を材料にしているが
動物はアミノ酸を材料にしている
本当に生き物にとって
紫外線は恐いものなのだなあ

コメント
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