日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

バイオガソリン(分子模型)

2007-05-02 | 分子模型図鑑

この4月からバイオガソリンというものの販売が始まった

バイオガソリンとは一体なんなのだろうか

それを考える前にまず普通のガソリンを見よう

ガソリン

沸点が30℃~220℃の炭化水素の混合物だ

 

調べてみると

バイオガソリンとは

バイオエタノールを使用したガソリンだということだ

バイオエタノールは植物由来のエタノールの事

現在サトウキビ・とうもろこし等を原料に作られる

なぜバイオエタノールを使用したいのかというと

京都議定書にかかわってくる

温室効果ガスの削減を決めた国際条約

である京都議定書では

バイオエタノールを燃やした二酸化炭素は

温室効果ガスとしてカウントしないということにしたのだ

実際は二酸化炭素に違いはないので

温室効果に寄与してしまうわけだが

植物が生長する段階で空気中の二酸化炭素を使っているので

チャラにしようという考え方らしい・・・

 

とはいえ、バイオ燃料ブームにのって

食料を生産していた畑を

食用ではない作物を作ったのでは

食糧不足に拍車をかけるだろうし

森を開墾し、緑地を耕したのでは

温室効果ガス削減には

全然意味がないと思うのだが

私の考えはアサハカなのだろうか?

 

なにはともあれ

バイオエタノールは

京都議定書にひっかからない都合の良い燃料なので

世界中がガソリンに利用することにした

とりあえずエタノールを3%そのまま入れる方法・・・バイオガソリンその1

 

バイオエタノール(つまりは エタノール 再褐)

エタノール

もう一つはエタノールとイソブテンという炭化水素を反応させて

ETBE(エチルターシャリーブチルエーテル)という化合物を作り

それを7%だけガソリンに混ぜる方法・・・バイオガソリンその2

ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)

バイオガソリン

2つの写真を比べてみてほしい

どの辺りがエタノールに由来するか

おわかりになるだろうか

 

2つの方法で世界的に一般的なのは

環境省が進めているのは

バイオガソリンその1である

バイオガソリン

ただしエタノールは極性があり

水と仲が良いので(写真の左上)

石油業界は

○水が混合してエンジントラブルが起きる可能性がある

○ガソリンタンクがさびやすく

 通常の車より防錆改良車にしなくてはいかん

とか主張し

今回ETBEを使ったガソリンを販売したのだ

そのバイオガソリンその2

バイオガソリン

バイオガソリンは環境にやさしいと宣伝するマスコミには悪いが

こちらの問題点ももちろんある

○エタノールからETBEを合成するのに一手間多くなり

 その分、温室効果ガスも発生する

○ETBEがエタノールとは比べ物にならないほど

 有毒の物質で、ガソリン漏れを起こしてはならない

○ETBEが自然界にない物質なので

 分解してくれる微生物がない可能性がある

 

本当に環境に優しいガソリンなの?

さあ一緒に眉に唾をつけましょう

コメント
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