次の朝が来ても
町の中心部の火事はおさまらず黒い煙が上がっていた
学校職員で集まり話し合いを持つ
水は山からの湧き水で何とか凌げそうだ
ろうそく、トイレットペーパーはしばらく大丈夫
灯油は40Lしかない
米は近所の人たちが持ってきてくれた
土曜日だが児童はまだ家庭に帰さず
先生たちがビッタリとついていることを確認
大人たちが救助やかたずけに集中できるようにだ
遺体は地区の体育館に安置され
本校に運ばれてくることはなかったが
怪我をした人が運ばれてきた
救急車が来ているらしいのだが
国道も瓦礫でふさがっているということで
学校から300mほどの山道を担架を運んだ
学校の坂を下りたところまで瓦礫が押し寄せて
道は無くなっていた
国道の真ん中に誰かの家が斜めに留まっている
時折余震のあるたびに緊張が奔る
この日は夕飯だけだったが
おにぎりに味噌汁が付いた
暖かい物がありがたかった
父母の安否は気になったが
津波に流されていたら生きてはいないだろうし
逃げていたらどこかで生きているだろう
探しに行ったとてできることはないといいきかせて
子供達と肩寄せあって夜を迎える
他の職員も妻子のことは口にせず
できることを黙々と行うだけだった
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