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日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

萌やす者たち(もやしもん)

2007-12-28 | 読書

「もやしもん」という漫画がある

もやしもん―TALES OF AGRICULTURE (1) (イブニングKC (106)) もやしもん―TALES OF AGRICULTURE (1) (イブニングKC (106))
価格:¥ 560(税込)
発売日:2005-05-23

農業大学のキャンパスの日常を描いた作品だが

主人公は微生物を知覚できるという

非日常的な能力を持っている

その微生物は可愛らしいキャラクターとして描かれ

4巻限定版には海洋堂製のストラップが付いてきた

写真を撮っておいたので

紛失してしまう前にここに記録しておく

オリゼー(Aspergillus oryzae)

Dsc02154

麹カビ

主人公の実家の種麹屋から付き添ってきている

麹カビの類はデンプンを分解して

糖に変える力を持っている

P.クリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)

Dsc02146

青カビ

苗字・・・がペニシリウムであることから推測できるように

ペニシリンを合成する

ごく一般的なカビ

A.アルテルナータ(Alternaria alternata)

Dsc02151

アルテルナリア.アルテルナータって

命名に力が入ってない・・・W

日本名はススカビ

コンタクトレンズを曇らせたりするらしい

C.トリコイデス(Cladosporium trichoides)

Dsc02152

黒カビ

これも一般的

風呂場の目路が黒く黴るのはコイツの所為

麹カビの仲間にも黒いカビがあるのがまぎらわしい

O157(Escherichia coli O157:H7)

Dsc02145

上の4体は一般的な真菌類(カビ)だったが

この子は一般的でない細菌類

腸管出血性大腸菌O157

ベロ毒素を出す能力はウイルスによって

赤痢菌から持ち込まれたものと言われる

 

これらの微生物と人間との争いを描くSF作品

・・・かというと

のんべんだらりと学生生活が描かれている

「もやしもん」

もっとオリゼー達を活躍させてもらいたいものだ

 

それにしてもさすが海洋堂

おまけにしては妙にできがいい

シリーズ化して他の菌類も作っていただきたいものだ

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秘文字

2007-12-13 | 読書

秘文字 (1983年)
価格:¥ 1800
発売日:1983-03

Dsc02655_2

手放せない本はたくさんあるのだが

その一つがこの「秘文字」

推理作家3人による短編の競作なのだが

特徴的なのはその中身だ

泡坂妻夫「かげろう飛車」

Dsc02645

中井英夫「薔薇への遺言」

Dsc02656   

日影丈吉「こわいはずだよ狐が通る」

Dsc02644

そう・・・

全篇が暗号で書かれているのである

奇矯な本だ

しかも

Dsc02649

これらの作品は全て暗号小説・・・

作品の暗号を解きながら読み進めると

作品中にも暗号の謎がでてくるという・・・

好きな者にはたまらない物なのだ

 

活字の関係からだろう

「踊る人形」のような奇妙な暗号にはできなかったようだが

それぞれできる範囲で工夫を凝らしているのが分かる

この企画は編集者主導だったのだろうなと想像できる

 

・・・勤め始めたばかりの頃の私は

この本を買ってどうしたのかというと

Dsc02647_2 

汚い字で解読を行なっていた・・・

しかし、2作品で力尽きているようだ(笑)

根気の要る本である

 

勿論、根気のない人のために

袋とじの回答編も付いているので安心して買うと良い

絶版だけどね・・・

こんな度量の広い出版社は今は存在できないのだろうな

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朝日ソノラマ

2007-07-07 | 読書

朝日ソノラマの廃業を初めて知った

耳が遅い?

 

朝日ソノラマは私と同じくらいの年齢だろう

中学生の頃に始まったソノラマ文庫には

えらくお世話になった

「仮題・中学殺人事件」から辻真先にはまり

菊池秀行のデビューには胸をおどらせた

昨今のライトノベルの始祖

ソノラマ文庫・・・

会社は消えても業績は残る

 

ソノラマ文庫がなくなると手に入らなくなりそうな

佳作を紹介しておこう

星虫 (ソノラマ文庫) 星虫 (ソノラマ文庫)
価格:¥ 600(税込)
発売日:2000-06

著者は岩本隆雄

あらすじは説明しにくい

地球人類を救う「蟲愛ずる姫」の話・・・?

美しい物語だ

読後感も良い

中高生にお薦め

こういうお話が埋もれていてはいけないんだけどなあ

アニメ化するという話もあったようだが

朝日ソノラマの廃業とともに立ち消えになるのだろうか

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チグリスとユーフラテス

2007-02-19 | 読書

「どこかの国の大臣が「女性は産む機械だ」と発言した」
と どこかの国のマスコミが騒ぎ
どこかの国の議員さんが「やめろやめろ」と大合唱
 
私は大臣さんにもマスコミさんにも議員さんにも
含むところはないので
できるだけ客観的に考察してみようと思う
 
まず発言の全文を確認しなくてはなるまい
この大臣さんは少子化対策を担当しており
人口の現況についての話のなかで
 
|特に、2030年にたとえば30歳になる人を考えると
|今、7,8歳になってなきゃいけない。
|生まれちゃってるんですよ、もう、
|あとは生む機械と言っちゃなになんだけど、
|装置の数が決まっちゃった ってことになると、
|機械っていっちゃ申し訳ないんだけど、
|機械って言ってごめんなさいね、

|あとは生む役目のひとが、一人頭でがんばって
|もらうしかない。
|2030年はもう勝負は決まっていると
|よく役人に言われる
 
という発言をした。
「女性は産む機械だ」と直接は言っていないねぇ
彼の言いたいことは
「2030年に子供を生める人の数は既に決まっている」
ということだ
 
それが、こんな大騒ぎになったわけを考える

 
①マスコミの事大主義
前述の発言を
「大臣は女性のことを『産む機械』だと発言した」
と報道する姿勢は明らかにセンセーショナリズムだろう
文意をまとめる能力が無かっただけだとしたら
それはそれで問題だ
「視聴率を稼ぐためなら遣らせも捏造もかまわない
 まして誇張することや
 都合のいい所だけ使う事なんて捏造とは言わない」
というマスコミの姿勢がここにも出てきている
 
②比喩に対する狭量さ
比喩表現として人間を機械にたとえることが
それほどいけないことだとは私には思えない
「男は種出し機械だ」
「お前は役に立たない種出し機だね」
別に腹は立たない
「いい例えじゃないな」と思うだけだ
パスカルは「人間は考える葦」だと言った
筒井康隆は「人間は歩く糞袋」だと書いた
比喩表現に狭量になるのは
ただのことば狩りである
 
③議員さんはどこに怒っているのか
特に議員さん達を見て思うのは
彼女らは機械だという発言に怒っているのではない
「機械」発言無しに
「女性が子供を頑張って産まないと少子化になる」
と言われても、やっぱり怒っていたのではないか
 
女性が子供を頑張って産まないと少子化になる
というのも当然の話で
男が子供を産めない以上
女が子供を2人以上産まないと
算術的に人口は減るばかりなのだ
 
だが彼女らは出産について非常に敏感に反応する
女は不可侵な存在になりつつある
問題や創価学会の問題に似てきた
マスコミは女性を腫れ物に触るように扱わねばならない

これも「女性をデキモノ扱い」したことになるのだろうか
議員さん達がヒステリックに騒げば騒ぐほど
女性の品位が地に落ちていくようで悲しい
 
こんな騒ぎの間に
肝心の少子化の問題が
議論されずに時が過ぎて行くことが残念だ
勿論、もしかすると少子化というのは
議論や対策なんて必要ない
必然的なものなのかもしれないけれど・・・
 
さて本の紹介をせねば
思慮の足りない大臣さんや
ヒステリックな議員さんにも
読んでもらいたい

チグリスとユーフラテス〈上〉 チグリスとユーフラテス〈上〉
価格:¥ 720(税込)
発売日:2002-05
チグリスとユーフラテス〈下〉 チグリスとユーフラテス〈下〉
価格:¥ 600(税込)
発売日:2002-05

文庫判も出てたのね・・・ 
チグリスとユーフラテスは
宇宙港を舞う蛍の名前であって
古代史の話ではない
1999年の日本SF大賞を受賞している
 
あらすじは詳しく述べない
原因不明の不妊症のために
滅び行く植民星の年代記である
滅びの約束された世界で子を産むことに対して
一人一人の女性が
それぞれの形で苦しみ足掻く姿
人類の最後に生まれた子供の苦悩と
それを叱りとばして救ってくれる女性
「レイディ」の目覚め
ああ
新井素子だ
 
誤読を恐れずに言えば
このお話は
作者が「自分の不妊」という無念を
自分への鎮魂歌として
更には全ての女性/人類への鎮魂歌として
昇華させた作品である
文体に好き嫌いはあるだろうが
私はラストシーンを泣きながら読んだ

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理科年表

2007-02-02 | 読書

理科年表 平成19年

理科年表 平成19年
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2006-11-25

 

何年ぶりだろうか

理科年表を買ってきた

手に取った事がない人もいるかな

理科に関わる様々なデータが載っている本だ

「日の出・日の入りの時刻」

「平均気温」

「人の遺伝子地図」

結構なんでも載っていて便利だ

そのほとんどが表である

ワケの分からん表も一杯載っている

「T細胞のホーミングにかかわる接着分子」

何の役に立つ表なんだろう

 

理科年表を買ってきた時

私が楽しみにしているページがある

「素粒子」のページだ

昔は

陽子・中性子・電子・パイ中間子・ニュートリノ

くらいだった初期メンバーが年々増えているのだ

まるでモーニング娘。である

今年のメンバー表を見ると

44名にまで、ふくれ上がっている

もう「素粒子」とは呼べない勢いだ

「モーニング娘。」より「おにゃんこクラブ」

いや寧ろ「バランシェ・ファティマ」と呼ぶべきか

名前もΛやΨやΔやΞやΦ

呼びにくいよねえ

初期メンバーの陽子、電子みたいな

純日本的な名前が素敵なのに

新入りの名前は覚えられん!

ほらやっぱりモー娘。じゃん

 

理科年表によると今日は満月

月の写真をとってみた

Dsc01922

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とりぱん

2007-01-12 | 読書

本日購入したコミック

ジャンルは基本的に 四コマ、身辺ドキュメンタリー

身も蓋もない言い方をすれば

「庭に来る野鳥にパンくずをあげる話」

作者の自然に対する姿勢に共感し

作者の居住地に共感し(私が養護学校勤務時代に住んでいた辺り)

作者のお兄さんの職業に共感し(小学校の先生)

読み進めていくうちに

自分の家の庭にえさ皿を置きたい衝動がふつふつと

(親父が花芽を食われて泣くから鳥の誘致はあきらめるけど)

主人公である鳥達のキャラがたっているのだ

大物のアオゲラ、パンク野郎ヒヨドリ、

スマートなオナガ、下っ端生活のツグミ

彼らの行動は本能に従っただけだから

うまく作品にした作者をほめるべきだろう

それにしても

職場なら餌づけできないかな

(↑あきらめてない)

とりぱん 1 (1) とりぱん 1 (1)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2006-03-23
とりぱん2 とりぱん2
価格:¥ 620(税込)
発売日:2006-09-22
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