シリーズ2作目、今回やり玉に挙げられるのは主にメガバンク配下の信託銀行および運用会社である。
恥ずかしながら本書で知った言葉、フィデューシャリー・デューティー(受託者責任・顧客本位の業務運営)。道徳的責任と言い換えられそう。極論すれば「自社が損をすることになっても、顧客のためのアドバイス(運用)をする」。さてこれは難しい。いったいそれほどの会社が実践できるものか。大口顧客の資産を預かっていれば、アドバイス1つで億単位の売り上げが吹っ飛ぶ、もしくは上客を逃すことになる。「株主に対し説明がつかない」と言う言い訳も、ちょっとは解らないでもない。
だが、著者の指摘通り、グループ内の論理を優先し、顧客に良い商品でなくグループの業績アップに良い商品を売って来たことは容易に想像できる。「まわし」と言う隠語を思い出した。
ただ、こうした業者を責める一方で、投資家あるいは預金者は、それなりに勉強して金融商品を理解しなければならない。「解らない商品に投資をしてはいけない」という格言もある。それが面倒であれば、多少は食い物にされることを覚悟すべきなのだろう。さて、自分はどうだろうか。僅かばかりの退職金を得て、どうしたものか戸惑うペリカン(by井上陽水)状態である。
2023年3月6日 自宅にて読了
恥ずかしながら本書で知った言葉、フィデューシャリー・デューティー(受託者責任・顧客本位の業務運営)。道徳的責任と言い換えられそう。極論すれば「自社が損をすることになっても、顧客のためのアドバイス(運用)をする」。さてこれは難しい。いったいそれほどの会社が実践できるものか。大口顧客の資産を預かっていれば、アドバイス1つで億単位の売り上げが吹っ飛ぶ、もしくは上客を逃すことになる。「株主に対し説明がつかない」と言う言い訳も、ちょっとは解らないでもない。
だが、著者の指摘通り、グループ内の論理を優先し、顧客に良い商品でなくグループの業績アップに良い商品を売って来たことは容易に想像できる。「まわし」と言う隠語を思い出した。
ただ、こうした業者を責める一方で、投資家あるいは預金者は、それなりに勉強して金融商品を理解しなければならない。「解らない商品に投資をしてはいけない」という格言もある。それが面倒であれば、多少は食い物にされることを覚悟すべきなのだろう。さて、自分はどうだろうか。僅かばかりの退職金を得て、どうしたものか戸惑うペリカン(by井上陽水)状態である。
2023年3月6日 自宅にて読了