日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
お気軽にコメント下さい。

【写真展】岡田裕介 「WONDERLAND」

2023-06-30 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 作者が10年ほど前にアラスカで撮った、わずか1日の作品群を展示する写真展。静かな海と、ホッキョクグマと、鳥たち。異様なのは、鯨の死骸だろうか。博物館の骨格標本のようだ。

 環境破壊とか野生動物保護とか訴えようとする風でもなく、ただ作者が美しいと思えた風景を共有したくて写真展を開いたように見えるのは、単純すぎか。

 2023年6月17日 ソニーイメージングギャラリー銀座にて

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【本】市川嘉一著 「交通崩壊」(岩波新書)

2023-06-30 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 本書はそうした環境の変化も含め、昭和の時代から築かれていた鉄道の事業構造の根本的問題、上下分離もしくはそれに相当する財政支援策などについて述べており、興味深い事例も紹介されている。

 一方で疑問、ヨーロッパにおける鉄道復権と言えそうな事例が紹介されているが、日本と沿線人口状況や流動性向などが異なり安易に比較できないと、同様の事例紹介を見るたびに思っている。それに、アメリカではごく少数のAMTRAKを除き、長距離旅客輸送網から鉄道は撤退しているが、それでも国内移動は行われているが、日本もそれではダメなのか。鉄道好きではあるけれど、最近は「鉄道ありき」と言う議論はいかがなものかと思う自分なのである。

 「交通」とタイトルにある通り、鉄道ばかり述べているわけではない。例えばバスでは、競合路線区間の事業者間の調整が談合に当ると指摘されてうまくゆかないナンセンスな例なども挙げている。一方、貨物輸送まで考えた海運、空運については、あまり触れられていない。

 本書で著者は「部分最適な取り組みでなく、国家としての交通システムはどうあるべきかで取り組むことが必要」といった趣旨の論を展開しているが、その通りだろう。だがそれが所管省庁のナワバリ争い、もしくは責任の押し付け合いで中々うまくゆかないであろうことは、想像に難くない。地方交通の輸送量の減少と運輸事業者の人手不足で既に運休や減便が続出している現実は、「危機」が被害妄想な絵空事でなく、「崩壊」が現実に起こっていることを示している。10年、20年先の日本の交通地図はどうなっているのだろうか。

 2023年6月17日 自宅にて読了

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【写真展】畑 英利 「イーハトーブ・夜の足跡をたどる旅」

2023-06-29 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 作家・宮沢賢治の愛した故郷・岩手。その夜の風景ばかりの写真展。先日惜しまれつつ運行を終了した「SL銀河号」でもおなじみの「めがね橋」こと宮守川橋梁、郊外の山から撮った町の夜景とバックの星空など、美しい写真が並ぶ。

 実際には長時間露光しないとこのような光景は見られないのだが、美しい風景は幻想なのだよと皮肉っては失礼であろう。風景でなく天体撮影がメインフィールドである作者なので、表現したかったのの作品の上側なのだろうが、そのために岩手に19回も通ったという熱意はどこから来たのか、尋ねてみたい。

 2023年6月16日 新宿・Nikonプラザ東京 フォトスクエアにて

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【写真展】<ニッコールクラブ会員展>佐藤 章 「北の和毛」

2023-06-29 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 「『和毛(にこげ)」は、もふもふとした柔らかい毛という意味になります。』だそうだ。読めなんだ。まさにその通り、北の大地に棲息する大小さまざまな動物たちの写真展。癒されるって陳腐だけど、まさにそんな感じ。

 キタキツネとかヒグマとか、そういう動物なら撮影も比較的容易な気がする。だがそれが小さなエゾモモンガだったりナキウサギだったりシマエナガだったり、冬の撮影など寒いなかどれだけ待って撮影したのだろうと労苦を想像してしまう。その甲斐あって、見事な写真ばかり。

 こういう作品群を見ると、北海道の自然の中を歩いて見たくなる。もちろん、行ってすぐに彼らに出会えるわけもないのだけれど。

 2023年6月16日 新宿・ニコンプラザ東京 THE GALLERYにて

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【写真展】吉江 淳 「出口の町」

2023-06-28 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 新宿のギャラリー巡りは、PENTAXがなくなってしまいOLYMPUSとNIKONの2つになってしまい、以前より時間が掛からなくなった。電車を降り、西口に出、まずOLYMPUS、そして地上を歩いてNIKONと言う回遊ルートが自分の中で出来上がっている。南風の時期の日中は、羽田への着陸機が新宿上空を通過してゆく。ビルの合間を一瞬で通り過ぎてゆく飛行機を仰ぎ見るのもささやかな楽しみなのだけど、今日は北風運用だったらしく通過機はいなかった。

 北関東(足利あたりらしい)に住む作者の、自宅の周囲の何気ない風景写真集。曇天で撮った作品が多いせいか、秋冬に撮ったせいか、緑より枯れ色が目立ち、寒々まではゆかないが空疎と言うか、寂しいまではゆかないがウーンやっぱり空疎かな、そう言ったイメージを受ける。そこが作者の狙いらしいのだが、「何もないけど美しい」でもなく「寂れてゆく地方の町」でもなく、ああ確かに旅行するとこういう町に出会う事ってあるよなと思う。作品の鑑賞者にはそこから過疎化とか何かしら考えて欲しいのか、作者の狙いを聞いてみれば良かった。

 2023年6月16日 新宿・ニコンサロンにて

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【写真展】OMPS(OM SYSTEM PRO SERVICE)会員による OM-1作品展 Part.3

2023-06-28 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 今はスマホでばかり写真を撮っているけれど、心構えだけは一眼レフを構える方々と同様、ワンショットワンショットを考え、きちんと撮ろうと思っている。スマホカメラの画角や露出、色調の特性を掴み、構図も含め自分の思いに近い写真をと心掛けている。そのせいか、ライブシーンの撮影などで「上手い」と褒めて下さる方がいて、認められればやはり嬉しい。

 画角も調整範囲もまるっきり違うけれど、本展のように色々なユーザーによる合同作品展はバリエーションに富むため、とても勉強になる。今使っているスマホだと、どのくらいで構えれば同じような構図を作れるのか、どこをタッチすればこういう色調で撮れるのか。観ながらこの写真は好みだ嫌だとか言うのもあるけれど、どう模倣するかをイメージする。最近はしょっちゅうスマホを買い替えているため、展示会の都度イメージは練り直しになる。エントリー~ミッドレンジモデルのスマホのAUTOモードでどこまで撮れるか、挑戦は永遠に続く。従って、この手の展示会も見飽きることがない。一つ一つの作品に撮影データが示されているのは、大いに参考になる。 

 2023年6月16日 新宿・OM SYSTEM PLAZA Creative Wallにて

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【写真展】スズキマサミ舞台写真展 「宴は闌~藝能往來~」

2023-06-27 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 夜に新宿で友人と会うことになったので、その前にギャラリーに立ち寄り。前回から5週間ぶり。金曜なので、大概のギャラリーは開いている。

 舞台作品集と言うことで、過去にも同じような展示会を見たと思って自分のブログを検索してみたけど、見当たらなかったので他の写真家だったようだ。物凄い点数、18年に渡って撮影した全ての舞台・イベントを出したわけではなかろうが、ぎっしりで一枚一枚を見てゆくと大変だ。見たけど。

 とにかく撮影対象の幅が広い。小劇場での演劇に始まり、ミュージシャンもある。屋外の路上プロレスに大道芸、演芸場での落語や漫才。前衛舞踏やストリップもある。一つの舞台で何十何百と撮影した中から選りすぐったであろうが、どれも演者の一瞬の表情を良く捉えている。

 スズキ氏が在廊だったので、感想を述べるとともに撮影の難しさ、構図や露出の工夫など、色々と教えて頂いた。やはり難しいのは露出で、加工ありきでともかく撮ると言う話は頷けた。

 2023年6月16日 新宿・OM SYSTEM GALLERYにて

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【本】佐久間 充著 「山が消えた―残土・産廃戦争」(岩波新書)

2023-06-27 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 タイトルで内容が解ってしまう気がするが、残土と産廃の処分問題について書かれた本。全てが悪いわけではないが、とかく産廃処理と言うと不法投棄のイメージが強い。香川県・豊島(てしま)は最たるものだが、似たような話は全国あちこちで起こっているようで、どこも自治体は「ゴミではない。資源だ・」と言う業者の強弁になすすべなく、気付いた時には大問題となっているような。どうして抑止策ができないのか?実効力ある法改正をすべきなのではと思うのだが。

 残土にしても、うまく埋立処分に使えれば良いが「供給」(発生残土)と需要はいつもうまくマッチするとは限らず、特にこれからの世の中は高度成長期に建てられたビルの解体処分が激増するであろうし、一方で経済成長の鈍化から埋立需要は以前ほど大きくないだろうし、需給のアンバランスは拡大してゆく一方と思われ、どうなっちゃうのかなあ。

 産廃や残土も、一般ごみと同じく、いやそれ以上に「3R」(Reduce,Reuse,Recycle)の意識を持たなければならない気がする。それは排出者、処理者、再利用者など、結局は経済活動に携わるすべてのレベルで意識しなければ効果は現れないんじゃないのかな。

 2023年6月15日 自宅にて読了

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2023年6月13日 【旅行】3年ぶりの海外!世界一周散骨の旅(0-2)持ち物編

2023-06-26 20:00:00 | 旅行・ハイク&ウォーク

 気が付けば渡航まで3週間。前回は航空券のことを書きましたが、今回はその他の準備についてメモっておこうと思います。

[手続き類]
・ビザ
 とりあえず前半の訪問国・地域は4つ。このうちオーストラリアだけは、アメリカのESTAに相当する「ETA」の事前取得が必要です。

・海外旅行保険
 今回の航空券はJALカードで決済したので、付帯する保険でカバーされます。注意が必要なのは、今後は空港までの費用か航空券などをJALカードで決済した場合にのみ保険適用と制度改悪されること。特典航空券のサーチャージ分の支払いは認められない公算が高く、その場合は例えば武蔵小杉→羽田空港の東急リムジンを事前にカード購入することが唯一の「抜け道」となるんじゃ…?京急線、京急リムジンはカード払いの手段がありませんので。

[持ち物類]
・スーツケース
 着替えなどをコンパクトにして先日購入した小型スーツケースにしようと思っていたのですが、乗り継ぎが少ないこと、冬物衣料を入れることから、預け入れ必須の中型スーツケースにします。今回はJAL以外のワンワールド各社にも搭乗することから、それ用のバゲージタグを探して買ってしまいました(写真)。造りが粗くパチ物っぽいです。取っ手へは、タイラップに金属リングを通した上で取っ手に

・デイパック
 機内持込&滞在先散策用は、デイパックにします。そこまで大きさ必要かとか、街で切り裂き窃盗に遭わないかとか懸念の声があることは承知ですけれども。そう言えば近年、ウエストポーチはバイクに乗るとき以外は使わなくなりました。

・カップ麺
 一週間以上海外に出るのは久々で疲れが出そうなため、また食費節約のため、今回はカップ麺を幾つか持って行くことにしました。最近では大抵のホテルの部屋に電気ケトルがあるため、以前に買ったコンパクトケトルはもう処分しようかなあ。

・ドリップコーヒー
 電気ケトルのあるホテルは大抵コーヒーや紅茶もあるはずですが、私が泊るクラスだとまずスティックタイプのインスタントコーヒーです。長丁場を心豊かに過ごせるよう、ドリップバッグを持参します。

・ウエットティッシュ
 用心は継続して、除菌タイプのウエットティッシュを。ボディシートは、シンガポール、香港では有用なもののシドニーは冬で、パリは乾燥していて不要と判断し、持参しないことにしました。

・医薬品
 胃腸薬(太田胃散<顆粒>)、風邪薬(パブロン<顆粒>)、解熱薬(バファリン錠剤)、あと湿布薬、絆創膏、綿棒。

後はまあ、いつも通りの旅支度で、敢えて書くこと内容でもなさそうです。

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【本】吉川祐介著 「限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地」

2023-06-26 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 タイトルのニュータウンとは、いわゆる新興住宅地を指す。著者自身が住み情勢に詳しい、千葉の東総(八街とか八日市場とか旭とか)あたりを例にとっている。

 まずはこうした「荒廃」ニュータウンのお寒い現状。用地造成はされたものの家がほとんど建っていなかったり、建った家も放置されて朽ち果てていたり。挙句、擁壁が崩れたり道路が沈下したり。

 そして、どうしてこうなったか。成田空港開港前夜の狂乱地価、単純に投資物件として売り散らかした不動産屋と、現場を訪れることもなく購入した欲深者。ろくに監視監督をしなかった行政。

 こうしたニュータウンは今後もその枠組みのまま荒廃してゆく一方なのかと思えばさにあらず、最近なぜかそう言う所を選んで住む人が現れているのだという。きっと普通のところより割安に一軒家を持てるせいだろうが、経済的に余裕のない人が増えてきている証左な気がして素直に「良かったですね」とは言えない。

 興味深い内容の本だった。

 2023年6月13日 自宅にて読了
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