羊頭狗肉、と言うより釣った魚にエサをくれない。紅三四郎。
何のことかと言えば、JALのマイレージ特典航空券である。会員勧誘時には夢を見させるが、いざマイルが貯まっても肝心の予約が取れないのだ。取れないのはJALではなく、提携しているワンワールド各社の国際線ビジネスクラスだが。Covid-19渦はどこへ、いまや空前とも言える世界中の民族大移動。それがエコノミークラスだけでなくビジネスクラスもだから、景気回復が進まず物価のみ上がってゆく日本とは大違いである。
国際線ビジネスクラスの特典航空券が取れないのであれば、有償航空券で乗るしかない(乗らないと言う選択肢は、無いものとする)。だが当たり前ながら、ビジネスクラスは高い。特にメジャーエアラインのは、無職定収なしが乗って良いレベルではない。そこで、少しでも安く乗る知識を得られないかと、本書を購入した。なんて長い前置きなんだ。ここで安いと言うのは絶対的金額でもあり、いかに多く長く乗れるかと言うマイルもしくは時間単価的な、相対的な金額でもある。自分はどちらかと言えば、後者を追求したい。
2023年に、2回に分けてワンワールド世界一周航空券を利用した。そのとき結構勉強したので、基礎的知識はあると思っている。それから2年、ルールは変わっているのか、当時知らなかったルールはないか、飛ぶルートのヒントはないか。そうした観点で読んだ。結果、これまで数冊読んだ世界一周航空券本のなかではベストだと思った。ルールの解説も詳しいし(米国や豪州の大陸内横断の制限など)、JALの新マイレージ制度(LSP)を基にした「どっちを選ぶ」解説もタイムリー。実際の利用者へのヒヤリングの章はもう少し整理が欲しかったか。もし興味ある方は、過去の類似書は一切読まず、本書だけしっかり読めば良い。
本書を買ったと言うことは、また世界一周を狙っていると言うことだ。今年はもう、12月まで渡航の予定が入っている。飛ぶとすれば来年以降、たぶん65歳で年金受給を開始すると思うので、その記念でも良いな。
2025年5月28日 自宅にて読了