SNSの普及につれ、弊害も起こってきた。その一つが「炎上」、本書はその一つである「ネットリンチ」について書かれている。ちょっとした投稿が世界中のユーザーの批難の的となり、人生を大幅に狂わされてしまう。失職、引きこもりは当たり前、ヘタすると当人は自殺まで追い込まれてしまうかもしれない。
著者はネットで「晒し者」となった人々に批判的であるわけでも、好意的であるわけでもない。訳の問題かもしれないが、著者の行動(取材や追及)もライターとしてみれば当然かもしれないが、ストーカーとみなされなくもないように思える。その点は本人も承知しているようであり、そういう人間が「取材」の成果を執筆し、世に問えているのはフェアだと言うことだろうか。
本書で興味深いのは、炎上騒ぎについてのみ触れるのでなく、渦中の人物のメンタリティやセミナー、或いは炎上記事の揉み消し(と言う表現は正しくないが)操作などについても当事者に接触し、体験した結果を記していること。
著者は良い子ぶっていない。「他人を叩くのは止めましょう」「恥ずかしくない言動をしましょう」などのお説教は一切していない。ネットの振る舞いに「正解」などないという事が正解なのだろう。ネットをどう利用しようが、本人の自由だ。そして自由には責任が伴う。それを理解するかが真のリテラシーなのかもしれない。
2019年7月16日 JL648便(鹿児島→羽田)機中にて読了
著者はネットで「晒し者」となった人々に批判的であるわけでも、好意的であるわけでもない。訳の問題かもしれないが、著者の行動(取材や追及)もライターとしてみれば当然かもしれないが、ストーカーとみなされなくもないように思える。その点は本人も承知しているようであり、そういう人間が「取材」の成果を執筆し、世に問えているのはフェアだと言うことだろうか。
本書で興味深いのは、炎上騒ぎについてのみ触れるのでなく、渦中の人物のメンタリティやセミナー、或いは炎上記事の揉み消し(と言う表現は正しくないが)操作などについても当事者に接触し、体験した結果を記していること。
著者は良い子ぶっていない。「他人を叩くのは止めましょう」「恥ずかしくない言動をしましょう」などのお説教は一切していない。ネットの振る舞いに「正解」などないという事が正解なのだろう。ネットをどう利用しようが、本人の自由だ。そして自由には責任が伴う。それを理解するかが真のリテラシーなのかもしれない。
2019年7月16日 JL648便(鹿児島→羽田)機中にて読了