SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

マンハッタン無酸素スピード登頂

2005年11月19日 | Weblog
 書斎で仕事をしていると、愛犬のチャーリィ(柴犬オス5才)が部屋に転がり込んできた。よほど悔しいことがあったのか、目に涙を浮かべている。訊けばどうやら香川の「丸亀グループ」に何か言われたらしい。さっそく松田征明氏の「億万長者ブログ」にアクセスしてみる。

>村上隆をみるにつけ、NYで成功するのは簡単そうだ。日本の雀は彼を神格化しているようだが、雀はしょせん雀。アートフェアを自分で戦ってみな。まあ、今のところ、NYには興味がないんでそっちは彼に任せておこう。(2005年11月18日)

 チャーリィが低く唸っている。なるほど松田氏に雀呼ばわりされたってわけか。プライドの高い芸術犬のチャーリィが怒るのも無理はない。だがこの投稿には、今の松田氏の抱えた混乱と焦燥とがはっきりと表れている。というのも、ここで松田氏は「今のところ、NYには興味がないんで~」と記しているが、しかしつい3日前には「来年1月以降、ニューヨーク、ロンドンでの活動をスタートさせます」と述べているのである。あきらかに混乱しているのだ。おそらく今の「丸亀グループ」のレベルでは、せいぜいこの「上海アートフェア」が限度であると自ら悟ったのだろう。このままではいつまでたっても頂上(ニューヨーク)は見えてこない......焦りと不安。そして怒り。

 確かに今の「丸亀グループ」の現状ではマンハッタン登頂は難しいだろう。なにしろ問題なのは、松田氏の戦略が、登山用語でいう「ポーラーシステム」を採用しているということだ。中国、スペイン、パリなどにベースキャンプを張りながら、ゆっくりと確実にニューヨーク登頂を目指す。いかにも「丸亀」らしいのんびりとした方法だ。しかし「世界は加速度的に進化している(松田氏)」のだから、この「ポーラーシステム」では時間がかかり過ぎて、せっかくのビッグチャンスを取り逃してしまうことになりかねない。
 私たちの戦略は、対して「アルパインスタイル」を採用します。私たちは来年、マンハッタン無酸素スピード登頂に挑みます。たったの一ヶ月でアートの中心地ニューヨークを制覇してみせます。ベースキャンプなど必要ない。必要なのはスピードだけです。判断する猶予をアメリカ人に与えません。気が付いたら頂上に私たちの旗が立っている。村上隆は「いくつもの壁を乗り越えて成功を掴んだ」と自身述べていますが、私たちのスピードは、その壁が立てられる前にラインを突破します。誰も私たちを捕まえることはできません。『アートフォーラム』誌の編集部はパニックに陥り、 MoMAのスタッフがヒステリーを起こすでしょう。あるいは暴動が起きるかもしれません。なにしろ一ヶ月でニューヨーク現代アートの歴史が変わるのですから。