もともと東氏は『動物化するポストモダン』で、アニメやゲームだけでなく現代アートの作品も分析しようとしていたのである。だが浅田彰氏からの脅迫を受けたことですっかり恐縮してしまい、その意欲を完全に失ってしまったのだった。この「二重基準」の浅田氏による「二層構造」の東氏への批判は、しかし今思えば浅田氏のルサンチマンに満ちており、そこで批判的に達成されたものは何もない。にもかかわらず、東氏はその要するに「オタクの君にアートが分かるの?」という脅迫に屈して『動物化するポストモダン』から現代アートに関するテーマをすべて消してしまうのである。東氏の「二層構造論」のもつポテンシャルから考えれば、この断念は、日本のアート界にとって大きな損失だった。しかるに、私はこれから東氏の「二層構造論」を用いて、90年代以降のアート、すなわち全体理論亡き後の表現実践について、脱構築不可能なレベルでの解読を試みる。私には失うものも、恐れるものもない。本論「現代アートとポストモダン」は、いわゆる「村上隆以後」の表現と、そして「椹木野衣以後」の批評について、その実践の可能性を同時に探る試みとなるだろう。ご期待ください。
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