「起きなさいよ、散歩につれてって、ご飯頂戴 ?」
まるちゃんとココアちゃんが交互に起こしに来る。
ココちゃんが唇をひと撫でチュとしてくれる、
それを、まるちゃんが恨めしそうに眺めている。
我が家の朝のひと時、恒例行事である。
「有難う、分った、分った、下に下りといて ?」
我が家では、2匹とも家の中で飼っている、
だから、私は常に彼女たちに話しかける ?
じっと見つめ、私の気持ちを読み取ろ . . . 本文を読む
小雨の中待ち合わせ時間に少し間があるので、
天使の館に出向いた。
この店はケ-キ売り場にお客さんの居ない事が
ない、常に店員さんが応対している。
いつもの席は先客がいたので手前右奥の席に
目を移した、尊敬する先輩がひとりで休んでいた。
私が親しみを込めて「やんごとなき人」 と呼ぶお方、
云わば浮世離れしたお人である。
「〇〇さん、ひとりですか ?」 新聞に目を通して
いた彼は、緩やかに顔を . . . 本文を読む
冷たい雨が窓辺を濡らす。
7年前の今頃、私は小さな医院で
闘病生活を送っていた。
あの時も小さな個室のベッドから見える
庭の樹に冷たい雨が降り注いでいた。
親しい主治医がひとり、看護師 (婦) さんが
ふたりの個人医院は
大通りに面して佇んでいた。
其の年の8月、独立法人 四国がんセンタ-
で直腸がんを切除した私は、お盆の直前に
退院して、抗がん剤治療とその経過を診る
ため懇意にしているJ医 . . . 本文を読む
☆ ☆ ☆
J医院2階の病室は、し~と静まり返っていた。
窓の外の木々に、冷たい雨が降り注いでいた。
命の淵に聴く 長渕 剛の ♪ しゃぼん玉 の歌は、
孤独な男の弧線を震わせて、涙が頬を流れて落ちた。
「元気になって、家に帰るぞ !」
長渕 剛の唄に励まされて! ドラムの音に後押しされて!
私は生還した。
私が泣いて、心を奪い立たせてくれた歌 ・・・ ! . . . 本文を読む
今日は、先日からの大事な協議事項の打ち合わせ
を済ませて一息入れるため天使の館へ足を運んだ。
入り口ドアに無料ライブの案内が掲示されていた。
魅惑の テナ-サックス LIVE
無料ライブ 11月22日 (火) PM3:30~
アルド-ルはただ重信店 店内 (TEL089-964-0550)
つい先日、広い客席の一隅で3人の奏者が演奏して
いたので、気に止めていたばかりだった、
多分同じ演奏 . . . 本文を読む
午前中、ある重要案件の立会いに出向いた。
契約後の調整である。
金持ちほど欲深い、貧乏人ほどある意味淡白、
個々の性格にもよるが、70歳を過ぎて、
金に執着する思いは何なのか私には判らない。
常々云うようにお金を、現金を棺桶に入れて
あの世に持っていっても使えない ?
金持ちさんは、使えると思っているのか ?
それとも持っていないと心細いのか ?
我々貧乏人には、金持ち心理は分らない。
こ . . . 本文を読む
酒飲みの話をしましょう。
酒を飲む人と、飲まない人、飲めない人。
今回は、男に限って話してみましょう、
私は、長兄が酒のせいで親を泣かせて来た反動で、
水商売を始める25歳まで飲まなかった。
タバコ、酒の誘惑は高校生の頃よりあったのだが、
頑なに拒んできたのである。
それほど、兄貴の酒乱がトラウマになっていた。
商売を始めて2年目にスナック喫茶を開業した事
で、いやおうなくお客さ . . . 本文を読む
さすがに昨日は疲れました。
年寄りには長丁場は身に堪えます。
私は、試験本部のある4階大会議室
で試験場サブ責任者として控えて
いましたが、現場が気になって
時々、様子を見に下りていました。
一堂に会した受験生を、
背後から見ながら 「合格してよ !」
と念じておりました。
試験監督員の巡回も受験の妨げに
ならないよう、足音を立てないように
気配りしていた。
それにしても3時間の試験時間は . . . 本文を読む
「〇〇さんを、連れて来ましょうか ?」
緊張の現場から、交代員に引き継いだA部長が
本部控え室へ帰って来た。
ふくよかな、よか男である ?
B副会長の顔も思わず緩む ?
広い控え室は、私を入れて3人だけの世界 !
私は、試験場のサブ責任者、(一丁神経緩めて
やるか ?) 私の茶目っ気が首をもたげた ?
よしもと顔負けの漫才の始まりである。
その少し前、当の〇〇先生とは冗談を交わした
ばか . . . 本文を読む
長いカウンタ-である、
開店前のひと時、氷は有るか他の材料は ?
念入りに点検していた。
それは、夏の暑い盛り、
今日当たりは、若い人の来店が予想された。
厨房の中の材料や飲み物は不足していないか、
古いものが混じっていないか目を通す。
ホ-ルの白熱電球が切れてないか、グラス類
は足りているか、不足していないか ?
トイレ掃除は済んだか ?
グラスや洋酒棚の掃除はきちんとしているか ?
. . . 本文を読む