使用できる言葉が少ないというのは、マスコミ人において恥ずかしいことだと思っている。最近「視野に入れる」という言葉が乱用されていて気になる。「進む円安、120円台も視野に」「楽天、TOBも視野に」「高橋尚子は北京も視野に」と、1日だけでもいくらでも目に付く。
「視野に」というのは、多分比喩表現だと思う。決してそれが視界に入っているわけじゃないのだが、「それも含めて考えている」ということを、短い言葉で処理している。しかし円高は、120円台も「予測され」だと思うし、TOBは「含めて考え」で、北京は「挑戦したい」なのだが、すべて「視野に」ということになる。比喩表現は本来分かりやすくするためなのだが、抽象言葉一つに置き換えるだけで、むしろ分かりにくくなっている。
かつて標語で「50キロオーバー、一発取り消し」というのがあって、汚い警察用語の乱用は止せと問題になったことがある。免許取り消しの「一発」というのは、違反の常習者に対して、警察が使う業界用語で、つまりそれは隠語でもある。いくらかは普遍化したとはいっても、上品な言葉であるはずがない。じゃ、「一発人生」なんていう、愚かな言葉もどこかにあるのか。どう考えても、健康ドリンクの飲み屋のCMか、時速200キロで高速飛ばしている薄頭しか思いつかないのだが。
「視野に」というのは、多分比喩表現だと思う。決してそれが視界に入っているわけじゃないのだが、「それも含めて考えている」ということを、短い言葉で処理している。しかし円高は、120円台も「予測され」だと思うし、TOBは「含めて考え」で、北京は「挑戦したい」なのだが、すべて「視野に」ということになる。比喩表現は本来分かりやすくするためなのだが、抽象言葉一つに置き換えるだけで、むしろ分かりにくくなっている。
かつて標語で「50キロオーバー、一発取り消し」というのがあって、汚い警察用語の乱用は止せと問題になったことがある。免許取り消しの「一発」というのは、違反の常習者に対して、警察が使う業界用語で、つまりそれは隠語でもある。いくらかは普遍化したとはいっても、上品な言葉であるはずがない。じゃ、「一発人生」なんていう、愚かな言葉もどこかにあるのか。どう考えても、健康ドリンクの飲み屋のCMか、時速200キロで高速飛ばしている薄頭しか思いつかないのだが。