すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

力と知恵を結集させるために

2019年04月04日 | 読書
 先月中旬に朝刊で見かけ、気になったコラムがあった。
 古紙整理で新聞紙をまとめる折に、もう一度読み直す。

 大森山動物園小松守園長の「月曜論壇」最終回だった。


Volume.157
 「余分なものを捨て、必要なものを徹底的に磨き上げて特徴化させ、さらに仲間同士の協力態勢を築く。その力と知恵がライオンを百獣の王に仕立てたに違いない。」



 小松園長は、郷土秋田に対して「これほど豊かな資源をバランスよく持つ県はそう多くない、なのに、なぜ低迷するのか」と問いかける。
 そして要因として「資源の豊かさに甘んじたこと」と「『オール秋田』としてのつながりの弱さ」を指摘する。


 豊かさに甘んじてきたという点に関しては、昔からよく隣県などとの比較を通して語られてきた。それが全体的なのんびりムードを醸し出しているとも言える。
 つながりの弱さについては、一見協力的な姿勢を保ってといるように見えても、一皮むけば、「ええふりこぎ(格好つけ)「「足引っ張り」「横並び気質」などがいまだによく指摘されることは、多くの人が承知しているだろう。

 こうした特徴は秋田だけとは限らない。しかし、我が県の県民性の強い要素であることは確かだろう。


 ここから二、三十年の見通しで言えば、人口減を食い止めることは不可能と言ってよい。行政はその速度を緩やかにすることに力を注ぎ、その先を見据えなければならない。

 しかし、おそらく住民個々(地域や世代や環境などによって)の「余分なもの・必要なもの」の捉え方の違いは結構大きく、その摺り合わせにもっと心を砕く必要がある。

 ここでも単なるナビゲーターではなく、コーディネーター的な存在の重要性が増していると感じる。