すぷりんぐぶろぐ

陥穽から風穴をさがす

コトバアンテナ全開すれば

2019年01月23日 | 読書
 「木の上に鳥がいる。さて鳥はどこに?

 文章から考えられる鳥の位置は「①木の上空 ②木のてっぺん ③木の枝」だが、そう質問された人は十人が十人「③木の枝」と答えるらしい。
 普通の感覚からすれば、まったくその通りだ。

 考えられる状況は多いのに、一般的にはほぼ間違いなく特定の状況に限定される。それは慣習や刷り込まれたイメージが影響しているのか。

 つくづく日本語は難しい。
 笑っている場合ではないよ、とこの本を読んで思った(わけではない)。


2019読了8
 『もっと声に出して笑える日本語』(立川談四楼 光文社知恵の森文庫)


 既読感はあったが、もう手元にないので古本屋で求めた。改めて検索したら9年前に読んでいた。その時は、いわば「ネタ満載」の内容という紹介だった。今回も改めて笑らわせてもらったが、上に挙げたような日本語の不思議や著名人の名言など他の章も心に残った。コトバアンテナを全開している落語家だと思う。


 ほぼ日で出している『言いまつがい』と共通している部分も多い。同音の言葉を使った言い換え(変換ミスなども)は、くすっと笑えて面白い。「だいたいコツがつかめると思います →大腿骨がつかめると思います」「地区陸上大会→チクリ苦情大会」「うちの子は耳下腺炎でした →うちの子は時価千円でした」などね。


 10年ほど前の本なので、こんな記述も…「涙がでるほどつらくて、厳しくて、うれしい――三浦雄一郎。 75歳で二度目のエベレスト登頂を成し遂げました」。矛盾する感情表現も、極限で戦う男の声なら心に響く。86歳の今回は無念のドクターストップ。つらい時には「落語を聞く」という冒険家、今は何を耳にするか。
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