メモ程度に続けている日記をめくってみても、今年は昨年ほどに印象深いことはない。
もちろん、その実よく振りかえってみれば、自分を取り巻く環境の変化が確実に進行していることを認めざるを得ない一年なのだが(まわりくどい言い回しだが、要は齢をとってきたという当たり前のこと)、それらをあまり直視したくない気持ちが大きいのだろう。
さて、今年は結構な冊数の本を読みきった。実は「再読」をめあてにしていたが、結局三十数冊程度に終わった。しかしそれ以外に百冊はクリアして、ここ数年ではかなり順調な読了だった。ただ読み方が益々雑になる感じもしている。
雑誌なども含め読んだ中では、この言葉のインパクトが強かった。
総記録社会
東浩紀が、『本』(講談社)に連載している「一般意志2.0」の中で提示した。ネットの普及により私たちの行動や欲求など全てが記録されているという現実。それは本人の意識を超えて広がっていることに注意深くならなければいけない。
無意識の可視化装置としてのネット
直接的な閲覧や検索や投稿などはもちろんのこと、生産や消費にかかわる行動はどこかで関わりを持ち、全て極細粒の意志としてネットの中に吸い込まれていくことを認めざるを得ない。
だからこそ、もっとメディアリテラシーを学ぶべきだし、想像力を意図的に強化していく術を身につけねばならない。
ではまず何から…と問われても、はいっこれっとすぐ差し出すことはできないのだけれど、今年はまったものの一つに、これがある。
五本指ソックス
以前から知ってはいたモノではあったが、初夏のある日、六年生のある女の子が履いていたのを見て、やや衝撃を受けた。
「へえー、こういうのを履いているんだあ」
と驚いてみせると
「だって、気持ちいいですよう」
という返答。
その明快さに、ちょいと試す気になって購入してみた。
これがこれが、なかなかどうして。
水虫が心配な夏も快適に過ごすことができて、本当にマイブームとなった。
だからそれが何か?と言われそうだが、要するに、ここだ。
身体的検閲
身体というフィルターを通すことにもっと意図的であろう、と思う。
きっともう遅すぎるのかもしれないが、様々な感覚は、自分が見聞きし触れ、声に出し舐め、持って振り回して、叩いて撫でて…得られるものだという、ごく当たり前のことを…。減らすことなかれ。
今年最後の本は『街場の大学論』(角川文庫)。
いやあ、高等教育のことの多くは???だったが、非常に興味深く読める箇所も随所にあった。
内田教授が「言葉」に対して用いた身体的検閲を強引に引っ張ってきて、今年の締めくくりとしたい。
今年もたくさんの方々に訪問していただきました。
ありがとうございました。
もちろん、その実よく振りかえってみれば、自分を取り巻く環境の変化が確実に進行していることを認めざるを得ない一年なのだが(まわりくどい言い回しだが、要は齢をとってきたという当たり前のこと)、それらをあまり直視したくない気持ちが大きいのだろう。
さて、今年は結構な冊数の本を読みきった。実は「再読」をめあてにしていたが、結局三十数冊程度に終わった。しかしそれ以外に百冊はクリアして、ここ数年ではかなり順調な読了だった。ただ読み方が益々雑になる感じもしている。
雑誌なども含め読んだ中では、この言葉のインパクトが強かった。
総記録社会
東浩紀が、『本』(講談社)に連載している「一般意志2.0」の中で提示した。ネットの普及により私たちの行動や欲求など全てが記録されているという現実。それは本人の意識を超えて広がっていることに注意深くならなければいけない。
無意識の可視化装置としてのネット
直接的な閲覧や検索や投稿などはもちろんのこと、生産や消費にかかわる行動はどこかで関わりを持ち、全て極細粒の意志としてネットの中に吸い込まれていくことを認めざるを得ない。
だからこそ、もっとメディアリテラシーを学ぶべきだし、想像力を意図的に強化していく術を身につけねばならない。
ではまず何から…と問われても、はいっこれっとすぐ差し出すことはできないのだけれど、今年はまったものの一つに、これがある。
五本指ソックス
以前から知ってはいたモノではあったが、初夏のある日、六年生のある女の子が履いていたのを見て、やや衝撃を受けた。
「へえー、こういうのを履いているんだあ」
と驚いてみせると
「だって、気持ちいいですよう」
という返答。
その明快さに、ちょいと試す気になって購入してみた。
これがこれが、なかなかどうして。
水虫が心配な夏も快適に過ごすことができて、本当にマイブームとなった。
だからそれが何か?と言われそうだが、要するに、ここだ。
身体的検閲
身体というフィルターを通すことにもっと意図的であろう、と思う。
きっともう遅すぎるのかもしれないが、様々な感覚は、自分が見聞きし触れ、声に出し舐め、持って振り回して、叩いて撫でて…得られるものだという、ごく当たり前のことを…。減らすことなかれ。
今年最後の本は『街場の大学論』(角川文庫)。
いやあ、高等教育のことの多くは???だったが、非常に興味深く読める箇所も随所にあった。
内田教授が「言葉」に対して用いた身体的検閲を強引に引っ張ってきて、今年の締めくくりとしたい。
今年もたくさんの方々に訪問していただきました。
ありがとうございました。