「コンビニ冷食+α」超ラクで満足度アップ活用術 2023年の購入金額ランキングはセブンが"圧勝"
2024/03/24 09:50東洋経済オンライン
(東洋経済オンライン)
コンビニで最近充実してきたものといえば、冷凍食品ではないでしょうか。
「冷凍食品専門家」「冷凍生活アドバイザー」として活動し、『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』や『冷凍王子の冷凍大全』などの著書のある“冷凍王子”こと西川剛史さんが挙げる今回のテーマは「コンビニ冷凍食品」。今コンビニで売れている冷凍食品や、+αで簡単に栄養、ボリュームUPがかなう冷食活用術を紹介します。
全国各地に圧倒的な店舗数を出店し、最も身近なお店ともいえるコンビニ。そんなコンビニのなかでも冷凍食品は、ごはんや麺類などの主食から惣菜系、フルーツやデザートまで、多様化するニーズに合わせてさまざまな商品が開発・販売されています。
では、コンビニでは今どんな冷食が売れているのでしょうか。購入者のレシート購買データをもとにした購入金額ランキングを見てみましょう。
コンビニの人気冷凍食品トップ5
2023年1月1日から12月31日までの1年間で、コンビニでの冷凍食品購入金額トップ5は次の商品です。
コンビニ冷食ランキング
メディアでよく発表される商品売り上げランキングは、「POSデータ」という、スーパーなどの小売店の販売データから作られていることが多いですが、コンビニはPOSデータを基本的には開示していません。
そのため、コンビニで実際に売れている商品のデータは非常に貴重です。
本稿のランキングで使用した「IDレシートデータ」は、生活者が購入した際のレシートをもとにしているため、コンビニでの購買情報が得られています(IDレシートデータについてはhttps://receiptreward.jp/solution/を参照)。
データは、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社に加え、その他のコンビニチェーンも含んでいますが、上位はセブンが独占。独り勝ち状態であることが読み取れます。
「金の○○」シリーズが人気
商品について見てみましょう。
1位の「金のマルゲリータ」は中目黒のピザ専門店「Pizzeria e Trattoria da ISA」の山本シェフが監修した、筆者もお気に入りの商品です。近年、専門店のお取り寄せ冷凍ピザは1枚1000円を超える価格帯が多いので、この500円台の価格で、高クオリティの本格的なピザを味わえる点が人気となっています。
2位は、高いニーズを誇る「ロックアイス」。コロナ禍以降、家でお酒を飲む方が増えたこともあり、依然需要があります。
3位の「たこ焼」はふわっとした食感で、関西風のだしが利いています。
4位の「金のボロネーゼ」は、「金の◯◯」でおなじみのセブンプレミアムゴールドの商品で、レストランのような本格的なパスタ料理が、トレー入りで電子レンジ調理で簡単に食べられます。
5位の「EASE UP」は、イトーヨーカドーが2018年より展開するオリジナル冷食シリーズ。2023年にセブンとの共同開発で新商品を発売し、セブンでも販売されるようになった今後注目のシリーズです。こちらも電子レンジ対応で、さらにトレー入りでお皿いらずで食べることができ、これもコンビニで売れるポイントの1つです。
冷凍食品の最も大きい販売チャネルはスーパーマーケットですが、平均単価が安く、200〜300円台のものが主流です。
反面、コンビニは600円弱の商品が1位、その他400円台の商品も上位に入り、新商品もこの価格帯が増えています。そのため、コンビニ冷食は価格が高めでも売れていることがわかります。
また、高くてもおいしいもの、トレー入り&レンジアップ商品など、調理や片付けのラクなものが上位にランクインしています。
1人暮らしの方はもちろん、わざわざスーパーに行かずとも近くで手に入り、毎日の食事づくりを助けてくれる商品として、コンビニ冷食を利用するファミリー世帯やシニア層が増えていることも、高価格帯商品の売り上げにつながっていると思われます。
コンビニ冷食に「ちょい足し」
コンビニの冷凍食品は、お弁当のように"主食+おかず"という組み合わせのものがほとんどなく、1品だけでは栄養面での偏りがどうしても出がち。
そんなとき、コンビニで手に入る食品をちょい足しするだけで、ヘルシーな食卓にしたり、別の料理に変化させたりすることも可能です。筆者おすすめの組み合わせとポイントをご紹介しましょう。
■金のマルゲリータ+冷凍アスパラ
トースターで焼いたピザに、オリーブオイルでソテーした冷凍アスパラをトッピングすると、野菜不足が補え、緑が入るので見た目も華やかになります。アスパラ以外の冷凍野菜もおすすめです。
ただし、ピザに凍ったアスパラをのせて焼くのはNG。ピザとアスパラの調理時間や調理法が異なるため、ピザは焼きすぎになったり、アスパラは冷たいままだったり水分が出てしまったりと、おいしく仕上げることができません。
ピザの焼き方のポイントは、何より焼きすぎに注意すること! 加熱時間はトースターによって差が出ますが、ガラス窓から見て、チーズがとろっと溶けたかなと思ったあたりで加熱をやめ、取り出します。
チーズに焼き目がつくほど焼いてしまうと、チーズの風味が飛び、生地も水分が飛んで硬くなるので、せっかくのおいしいピザが台無しになってしまいます。
■金のボロネーゼ+鶏むね肉とブロッコリー
冷凍食品に限りませんが、単品だと炭水化物中心の食事になりがちです。タンパク質や野菜をプラスすることで、栄養バランスをアップすることも大事です。
そこで登場するのが、「鶏むね肉とブロッコリー」。
筆者も個人的に愛用している商品で、薄い塩味なのでそのままでもおいしく食べられます。パスタ単品での栄養不足も補い、食事のボリュームはアップしつつ、カロリーは抑えられるのもうれしいところ。両方ともトレー入り&電子レンジ調理商品のため、職場でのランチにも利用できます。
「冷凍たこ焼」のアレンジ法
■たこ焼+おでん
おでんのだし汁の中に、電子レンジで解凍したたこ焼を入れるだけで、明石焼き風の具になります。
たこ焼がだし汁を吸って、ふわふわとした食感になり、だしの旨みも加わってさらにおいしくなります。だし汁に入れてすぐに食べてもいいですし、少し放置してだし汁を吸わせてもおいしいので、お好みで調整してみてください。ただ、あまり放置しすぎるとふやけてグズグズになってしまうのでご注意を。
コンビニで売っているおでんはそろそろ時期が終わりそうですが、パックのおでんならまだ店頭にありますし、家で作ったスープやお鍋に入れるのもおすすめです。
■ジューシー鶏つくね+千切りキャベツ+温泉たまご+ごはん
先のランキングでは紹介できませんでしたが、8位に「セブンプレミアム ジューシー鶏つくね」が入っています。
「ジューシー鶏つくね」は軟骨入りでコリコリとした食感と、大葉の風味が食欲をそそる人気商品。ごはんと一緒に買えば1食になりますし、お酒のおつまみに、夕食のおかずが足りないときの1品にと、いろいろ使えるところが人気の理由です。
これをつくね丼にアレンジすると、さらに食欲わく味わいになります。
組み合わせるのは、コンビニでも売られている千切りキャベツと温泉たまご。つくねはレンチンし、温めたごはんの上にキャベツ、つくね、たまごの順でのせればできあがり!
キャベツのシャキシャキ食感と卵の黄身の濃厚さがつくねにもよく合い、ごはんがすすみます。
実は、レシートデータを見ると、「ジューシー鶏つくね」と千切りキャベツを一緒に買うお客さんが多いのです。コンビニ利用者はコンビニ食をうまく組み合わせながら、栄養バランスを意識していることがうかがえます。
コンビニの冷凍食品を上手に活用
コンビニ冷凍食品は幅広い品揃えがあるため、本稿のようにアレンジを楽しみながらうまく活用すれば、暮らしをもっとラクに豊かにする手助けになります。
今まではあまりコンビニ冷食は利用していなかったという方も、ぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょう。調理の時短や簡便性はもちろん、本格的な味にも驚くはずですよ。
(構成/田中絢子)
著者:西川 剛史
2024/03/24 09:50東洋経済オンライン
(東洋経済オンライン)
コンビニで最近充実してきたものといえば、冷凍食品ではないでしょうか。
「冷凍食品専門家」「冷凍生活アドバイザー」として活動し、『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』や『冷凍王子の冷凍大全』などの著書のある“冷凍王子”こと西川剛史さんが挙げる今回のテーマは「コンビニ冷凍食品」。今コンビニで売れている冷凍食品や、+αで簡単に栄養、ボリュームUPがかなう冷食活用術を紹介します。
全国各地に圧倒的な店舗数を出店し、最も身近なお店ともいえるコンビニ。そんなコンビニのなかでも冷凍食品は、ごはんや麺類などの主食から惣菜系、フルーツやデザートまで、多様化するニーズに合わせてさまざまな商品が開発・販売されています。
では、コンビニでは今どんな冷食が売れているのでしょうか。購入者のレシート購買データをもとにした購入金額ランキングを見てみましょう。
コンビニの人気冷凍食品トップ5
2023年1月1日から12月31日までの1年間で、コンビニでの冷凍食品購入金額トップ5は次の商品です。
コンビニ冷食ランキング
メディアでよく発表される商品売り上げランキングは、「POSデータ」という、スーパーなどの小売店の販売データから作られていることが多いですが、コンビニはPOSデータを基本的には開示していません。
そのため、コンビニで実際に売れている商品のデータは非常に貴重です。
本稿のランキングで使用した「IDレシートデータ」は、生活者が購入した際のレシートをもとにしているため、コンビニでの購買情報が得られています(IDレシートデータについてはhttps://receiptreward.jp/solution/を参照)。
データは、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社に加え、その他のコンビニチェーンも含んでいますが、上位はセブンが独占。独り勝ち状態であることが読み取れます。
「金の○○」シリーズが人気
商品について見てみましょう。
1位の「金のマルゲリータ」は中目黒のピザ専門店「Pizzeria e Trattoria da ISA」の山本シェフが監修した、筆者もお気に入りの商品です。近年、専門店のお取り寄せ冷凍ピザは1枚1000円を超える価格帯が多いので、この500円台の価格で、高クオリティの本格的なピザを味わえる点が人気となっています。
2位は、高いニーズを誇る「ロックアイス」。コロナ禍以降、家でお酒を飲む方が増えたこともあり、依然需要があります。
3位の「たこ焼」はふわっとした食感で、関西風のだしが利いています。
4位の「金のボロネーゼ」は、「金の◯◯」でおなじみのセブンプレミアムゴールドの商品で、レストランのような本格的なパスタ料理が、トレー入りで電子レンジ調理で簡単に食べられます。
5位の「EASE UP」は、イトーヨーカドーが2018年より展開するオリジナル冷食シリーズ。2023年にセブンとの共同開発で新商品を発売し、セブンでも販売されるようになった今後注目のシリーズです。こちらも電子レンジ対応で、さらにトレー入りでお皿いらずで食べることができ、これもコンビニで売れるポイントの1つです。
冷凍食品の最も大きい販売チャネルはスーパーマーケットですが、平均単価が安く、200〜300円台のものが主流です。
反面、コンビニは600円弱の商品が1位、その他400円台の商品も上位に入り、新商品もこの価格帯が増えています。そのため、コンビニ冷食は価格が高めでも売れていることがわかります。
また、高くてもおいしいもの、トレー入り&レンジアップ商品など、調理や片付けのラクなものが上位にランクインしています。
1人暮らしの方はもちろん、わざわざスーパーに行かずとも近くで手に入り、毎日の食事づくりを助けてくれる商品として、コンビニ冷食を利用するファミリー世帯やシニア層が増えていることも、高価格帯商品の売り上げにつながっていると思われます。
コンビニ冷食に「ちょい足し」
コンビニの冷凍食品は、お弁当のように"主食+おかず"という組み合わせのものがほとんどなく、1品だけでは栄養面での偏りがどうしても出がち。
そんなとき、コンビニで手に入る食品をちょい足しするだけで、ヘルシーな食卓にしたり、別の料理に変化させたりすることも可能です。筆者おすすめの組み合わせとポイントをご紹介しましょう。
■金のマルゲリータ+冷凍アスパラ
トースターで焼いたピザに、オリーブオイルでソテーした冷凍アスパラをトッピングすると、野菜不足が補え、緑が入るので見た目も華やかになります。アスパラ以外の冷凍野菜もおすすめです。
ただし、ピザに凍ったアスパラをのせて焼くのはNG。ピザとアスパラの調理時間や調理法が異なるため、ピザは焼きすぎになったり、アスパラは冷たいままだったり水分が出てしまったりと、おいしく仕上げることができません。
ピザの焼き方のポイントは、何より焼きすぎに注意すること! 加熱時間はトースターによって差が出ますが、ガラス窓から見て、チーズがとろっと溶けたかなと思ったあたりで加熱をやめ、取り出します。
チーズに焼き目がつくほど焼いてしまうと、チーズの風味が飛び、生地も水分が飛んで硬くなるので、せっかくのおいしいピザが台無しになってしまいます。
■金のボロネーゼ+鶏むね肉とブロッコリー
冷凍食品に限りませんが、単品だと炭水化物中心の食事になりがちです。タンパク質や野菜をプラスすることで、栄養バランスをアップすることも大事です。
そこで登場するのが、「鶏むね肉とブロッコリー」。
筆者も個人的に愛用している商品で、薄い塩味なのでそのままでもおいしく食べられます。パスタ単品での栄養不足も補い、食事のボリュームはアップしつつ、カロリーは抑えられるのもうれしいところ。両方ともトレー入り&電子レンジ調理商品のため、職場でのランチにも利用できます。
「冷凍たこ焼」のアレンジ法
■たこ焼+おでん
おでんのだし汁の中に、電子レンジで解凍したたこ焼を入れるだけで、明石焼き風の具になります。
たこ焼がだし汁を吸って、ふわふわとした食感になり、だしの旨みも加わってさらにおいしくなります。だし汁に入れてすぐに食べてもいいですし、少し放置してだし汁を吸わせてもおいしいので、お好みで調整してみてください。ただ、あまり放置しすぎるとふやけてグズグズになってしまうのでご注意を。
コンビニで売っているおでんはそろそろ時期が終わりそうですが、パックのおでんならまだ店頭にありますし、家で作ったスープやお鍋に入れるのもおすすめです。
■ジューシー鶏つくね+千切りキャベツ+温泉たまご+ごはん
先のランキングでは紹介できませんでしたが、8位に「セブンプレミアム ジューシー鶏つくね」が入っています。
「ジューシー鶏つくね」は軟骨入りでコリコリとした食感と、大葉の風味が食欲をそそる人気商品。ごはんと一緒に買えば1食になりますし、お酒のおつまみに、夕食のおかずが足りないときの1品にと、いろいろ使えるところが人気の理由です。
これをつくね丼にアレンジすると、さらに食欲わく味わいになります。
組み合わせるのは、コンビニでも売られている千切りキャベツと温泉たまご。つくねはレンチンし、温めたごはんの上にキャベツ、つくね、たまごの順でのせればできあがり!
キャベツのシャキシャキ食感と卵の黄身の濃厚さがつくねにもよく合い、ごはんがすすみます。
実は、レシートデータを見ると、「ジューシー鶏つくね」と千切りキャベツを一緒に買うお客さんが多いのです。コンビニ利用者はコンビニ食をうまく組み合わせながら、栄養バランスを意識していることがうかがえます。
コンビニの冷凍食品を上手に活用
コンビニ冷凍食品は幅広い品揃えがあるため、本稿のようにアレンジを楽しみながらうまく活用すれば、暮らしをもっとラクに豊かにする手助けになります。
今まではあまりコンビニ冷食は利用していなかったという方も、ぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょう。調理の時短や簡便性はもちろん、本格的な味にも驚くはずですよ。
(構成/田中絢子)
著者:西川 剛史
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