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【ブームに警鐘】「さわかみ投信」創業者・澤上篤人さんが「いまは新NISAを始めるタイミングとして最悪」と語る真意

2024-04-13 17:56:10 | 日記
【ブームに警鐘】「さわかみ投信」創業者・澤上篤人さんが「いまは新NISAを始めるタイミングとして最悪」と語る真意









「さわかみ投信」創業者・澤上篤人さんが過熱する“新NISAブーム”警鐘を鳴らす
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 貯蓄から投資へ──国を挙げた資産所得倍増計画のもと、1月からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)。いまや成人の5人に1人が利用しており、その追い風となるかのように、日経平均株価は「バブル超え」を記録、市場は大いに沸いている。その一方で長く市場を見つめてきた投資のプロの中には、大きな危惧を感じている人もいる。
 1999年、日本初の独立系投資信託会社として誕生した「さわかみ投信」。創業者の澤上篤人さん(77才)は「さわかみファンド」1本だけを運用して純資産4400億円を築き、12万人以上の顧客を抱えている。
 そんな市場を読む卓越した力を持つ澤上さんは「いまは新NISAを始めるタイミングとして最悪」と、過熱する“新NISAブーム”警鐘を鳴らす。
「制度自体は素晴らしいものですが、すでに株価が上がっているいまから始めたところで、その後値下がりしたら損になります。つまり、いま始めるのは“高値掴み”にほかならない。いずれ訪れる株価暴落で大損する可能性すらあります。
 長期投資家として長年市場を見てきて思うのは、日本の株価は34年間かけてようやく過去最高の株価を抜いたというだけで、順調に上昇してきたわけではないということです。
 いまの株価は実体経済よりはるかに高く、いわば砂上の楼閣。近い将来、大暴落は免れません。
 その背景には、1980年代から年金マネーが急激に膨れ上がり、それが市場に流れ込んでいることなどがある。低金利でお金をバラまく金融政策も原因の1つでしょう。その結果、いまのインフレが起きている。どこかで必ずガタが来ることは明白です。
 いざ暴落が起これば、“下がるわけがない”と思い込んでいた人たちが持っていた株を慌てて売り始め、さらに株価は下がることになる」(澤上さん・以下同)



株価が暴落すればインデックスファンドに冬の時代も
 そうして株価が大暴落したときこそ、新NISAの本当の始めどきだと、澤上さんは続ける。
「そもそも、新NISAを始めさえすれば必ず儲かるという考え自体、間違っています。運用益が非課税になるのがメリットなのは間違いありませんが、運用の結果マイナスになってしまったら、たとえ非課税でも損です。
 それに、一般的な課税口座では利益確定して売却すると約20%の税金がかかりますが、課税されるのは当然、現金化した分のみ。残りは運用され続けて増えていくので、長期の資産運用においては税金のことはあまり気にしなくてもいいのです」
 澤上さんは「いまは新NISA口座を開設し、いつでも始められるように備えておいて、ベストなタイミングを待つべき」と語る。
 それなら、じっくりと時間をかけて投資先を吟味しておきたい。
「『オルカン』(eMAXIS Slim 全世界株式、オール・カントリー)などのインデックスファンドが人気を集めていますが“インデックスを買っておけば間違いない”という考えは、この40年間、世界的に株価が上昇傾向にあったから言えること。今後、金利の上昇を受けて企業が次々につぶれていけば、当然インデックスファンドも低迷します。
“34年ぶりの高値更新”ということは、言い換えれば“34年間株価が低迷していた”ということ。ではもし、34年前にインデックスファンドを買っていて、今日までうろたえることなく持ち続けることができた人がどれだけいるでしょうか。
 また、株価が暴落すれば、インデックスファンドは少なくとも10年は冬の時代がくるはずですから、自分がそれに耐え抜けるかよく考えて投資しましょう。
 今後は、金利の上昇に耐えきれない企業が淘汰されていき、株価はきつい下げが起こるはず。このときを待って投資すれば安く買えるうえ、玉石混淆の企業の中から、極限状態でも生き残る“玉”を見つけやすくなります」


【プロフィール】
澤上篤人(さわかみ・あつと)/長期投資家。さわかみ投信創立者。1999年に日本初の投資信託「さわかみファンド」を設立。12万人以上の顧客を抱え、4400億円以上の資産を運用している。著書に『一生安心したいから「大人女子、投資始めます」』など。
※女性セブン2024年4月11日号

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