NYダウ小幅反落、8ドル安 景気敏感株に利益確定売り
北米
2021年1月14日 6:38
【NQNニューヨーク=横内理恵】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反落し、前日比8ドル22セント安の3万1060ドル47セントで終えた。主要な米株価指数は過去最高値圏にあり、足元で上げが目立っていた景気敏感株に利益確定売りが出た。バイデン次期大統領が14日に発表する予定の経済対策への期待が投資家心理を支え、下値は限られた。
ダウ平均は70ドルあまり下げる場面があった。前日に一時1.18%と昨年3月以来の水準に上昇した米長期金利が13日は一時1.07%まで低下した。13日は原油先物相場も7営業日ぶりに反落した。金利上昇や原油高を背景に年明けから大幅上昇していた景気敏感株が売られた。
個別では化学のダウ、機械のハネウェル・インターナショナル、建機のキャタピラーが安い。スポーツ用品のナイキ、小売りのウォルマートなど消費財や小売り株にも下げが広がった。
米下院が6日の連邦議会占拠事件におけるトランプ米大統領の責任を問う弾劾決議案を13日に可決し、2回目の弾劾訴追に動く公算が大きくなっている。20日の新大統領就任式に向けて首都ワシントンや全米各都市でトランプ支持者による抗議行動が激化する可能性もある。政治混乱への懸念がくすぶり、市場心理の重荷となった面もあった。
ただ、ダウ平均は高く推移する時間帯も多かった。バイデン次期大統領は14日に数兆ドル規模の追加の経済対策を公表する見通し。共和党の抵抗で規模は縮小する見通しだが、新政権発足後の早い段階で経済対策が成立し、米景気を支えるとの観測が強まった。
米長期金利の上昇一服を受け、金利上昇局面で売られやすかった主要ハイテク株や公益事業、不動産に買いが入り、相場を支えた。13日に最高経営責任者(CEO)の交代を発表した半導体のインテルが7%高。スマートフォンのアップルや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムも上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比56.517ポイント(0.4%)高の1万3128.951で終えた。動画配信のネットフリックスやネット通販のアマゾン・ドット・コムが上昇した。