ソラのQ&Aより
2023年9月22日
デジタル監視と人権~エドワード・スノーデン氏インタビュー 文字化
安倍政権下での放送で、残念ながらこの後国谷さんはTVを辞めさせられたようで、ソラは一貫して安倍政権を批判していた理由がわかり、これまでここでも紹介していました。
*)「2023年5月23日 排除されたアナウンサーたちと、スノーデンの証言の真実、「追記」9.11」
*)「2023年5月23日 宝塚市 清荒神の金箸(金ハシ)とスノーデン」
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読者が文字化してくださいました。
*)「デジタル監視と人権~エドワード・スノーデン氏インタビュー」(2017/11/10動画)
この番組は、OurPlanetTVサポーターの寄付と会費で制作。
一橋講堂 東京都千代田区
【JCLU70周年記念シンポジウム、デジタル時代の監視とプライバシー、市民によるコントロールのために】
#)エドワード・スノーデンさん(CIA、NSA及びDIAの元情報局員)
#)インタビュアー 国谷裕子さん
《秘密文書と日本政府の対応》
(国谷)
早朝からお付き合いいただきありがとうございます。
ロシアでの生活も5年目になりますね。
どのような生活を送ってらっしゃいますか。
(スノーデン)
まだ4年目です。
まもなく5年目に入りますが。
(国谷)
今の生活はどのような感じですか。
またどんなことに関心をお持ちですか。
モスクワでの生活はいかがですか。
(スノーデン)
今、私は改革のために生活の大半を費やしています。
ロシアの生活はどうですかと皆さんからご質問いただくのですが、実際は、もっとグローバルな生活をしています。
今日、ご覧いただいている通り、私は日々国境を越えて様々な組織と関りを持っています。
国境も国旗も意識していません、意識しているのは問題の核心です。
私は今、報道の自由財団の理事長をしています。
私たちは、ジャーナリストのための技術プロジェクトに取り組んでいます。
真実を明らかにするために欠かせない、難しい極秘調査を可能とするプログラムですから、大きな社会的影響力があります。
とはいえ同時に世界中の政府は、米国であれ、日本であれ、中国であれ、ロシアであれ、どの国も国民に対し自らの行動を説明する責任があることを自覚していません。
(国谷)
なるほど。
あなたは困難な問題に立ち向かうジャーナリストを後押ししようとされているのですね。
当局の情報と国民やジャーナリストが得られる情報の間に横たわる溝を埋めるために。
(スノーデン)
はい、まさにそれが核心です。
歴史を通じて定義されてきた政府のあるべき姿や国民のあるべき姿は今とは全く異なります。
現在、我々は普通の人々について話すとき、「public citizens(一般公衆)」とは言いません。
「private citizens(民間人)」とは言います。
政府は、普通の人々についてあまり知るべきではありません。
犯罪者だったり、刑務所に行っていたり、警察が容疑者として捜査している場合は例外ですが。
逆に、公務員と呼ばれる政府の代表者たちが何をしているか、私たちは徹底的に知っておくべきです。
しかし、政府はこうしたことを口にしないようになっています。
政府は盛んにキャンペーンを行い、情報公開を阻止しています。
日本では昨年、政府が米国の監視プロジェクトや監視技術に関与した疑惑が浮上しました。
インターセプト日本支局を通じて新聞社がその証拠を入手した時、日本の記者は菅官房長官のような政府高官や大臣にアプローチし、「この文書は何を意味するのか」「どう対応するのか」「事実なのか」と尋ねました。
ところが日本政府はイエスともノーとも答えず、何も回答しない代わりに文書は信憑性に欠けると主張しました。
このような態度は国民を侮辱しています。
というのも、米国政府はこの文書が偽物であるとは言っていないのです。
文書の大元である米国政府は、一部に違法行為があったと認め、不十分かつ最低限な改革ではありますが、プログラムの運用方法を変更する新法が成立しました。
米国におけるプライバシーへの脅威は今も深刻ですが、米国政府は少なくとも認めたのです。
ジャーナリストが証拠を提示すると、米国政府は事実を認めたのです。
ある事実について、合理的に否定することが不可能な証拠を国民が突きつけてきたら、米国政府は対話を持つはずです。
大変残念なことに、日本政府はー
いえ、日本だけが特殊なわけではなく多くの国が抱えている問題ですがー
しかし、日本政府は今も否定を続けていて議論することもできないわけです。
同盟国が良く思わないとか、文書が本物か分からないなどと言っているわけです。
このような政策がとられれば、社会の根幹に影響を及ぼします。
法律だけでなく、国の文化までも変えてしまいます。
ですから政府が決定すべきものではありません。
国民的議論によって決定すべきことなのです。
【政府に甘い日本のメディア】
(国谷)
日本の報道機関は政府に対して甘いとお考えですか?
(スノーデン)
日本で何故そのような事が起きているのか、私は理解できるような気がします。
日本には独特のメディア文化があり、新聞社などで働くプロの記者は単純に現実をよく理解しているのでしょう。
あまりにも政府の行為を激しく報道すれば、たとえ政府が法律を侵すような行為をしたり、スキャンダルに関与していたとしても、編集長に電話がかかってきて何らかの圧力がかかり、政府当局がそのメディアの問い合わせには答えなくなったり、競合するライバル会社を優遇したりするわけです。
これは日本政府が仕組んだメディア戦略です。
この結果、日本のメディアは今日のような状況に陥っていると思います。
このような状況について、特定のメディアを非難することはできません。
ただ治療を必要とするほど非常に深刻な状況であることは確かです。
こうした現状を「問題ない」と簡単に受け入れることはできません。
日本政府は報道機関に対して、直接的に脅してくるのではありません。
内部に構造化されたシステムによって目立った報道をすると制裁を受けるのです。
残念なことに、これを変えるためには一つしか方法がありません。
日本のメディア全体が協力することです。
強力なライバルであれ、親しいパートナーであれ、全てのメディアは業界の将来のために共通認識を持たなければなりません。
市民が自分たちを「公共の財産」だと思ってくれることが重要だという共通認識です。
自分たちだけでなく、まわりのメディアも守ることで、最大の目標である真実の追求が可能となります。
大物政治家や大物財界人など、非常に扱いが難しく、困難な場合でも国民にニュースを届けなければなりません。
チームスポーツのような意識を持たねばなりません。
【13の暴露文書について】
(国谷)
今年4月に公開された13の文書について話を戻したいと思います。
この文書によって、日本国内は今も大きな衝撃を受けていますが、私たちはまだ、この秘密文書によって明らかにされた事実の意味を理解していません。
そこで技術的な専門家としてのご意見をお伺いしたいのですが、これら13の秘密文書のうち最も重要な暴露はどのような内容でしょうか?
(スノーデン)
最も重要なことですが、特別な一つの文書に目を向けたり、細かな細部や、一行一行に目を向けても仕方ありません。
例えば米国家安全保障局(NSA)が、最高機密の監視技術を日本政府に提供し、同盟関係強化とデータ提供を取引するようなことも、このような取引は多くの場所で行われているのです。
イギリスでも、ドイツでも、オーストラリアでも、カナダでも、何らかの成果の見返りに、個人情報が米国と取り引きされています。
これこそが諜報機関の役割なのです。
このようなことが起きていること自体は、必ずしも衝撃的ではありません。
大変重要で啓示的なのは、必要がないとの理由で、国民に事実が知らされていないということです。
もし、日本政府が米国の諜報機関を秘密裏に支援していると国民が知らされたとしても、誰も驚かないでしょう。
もちろん、中には異議を唱える人が出てきたり、若干、作業が難しくなる可能性はありますが、これは悪いことではなく、良いことです。
日本は他の国々よりも深く理解しています。
いったん軍事活動に関与すると、攻撃的な勢力関係に巻き込まれ、結局は国境を越えた軍事活動を開始せざるを得なくなり、大きな社会的代償を支払う恐れがあることを、国民は、経済面でも軍事面でも大きな負担を強いられるのですから、ですから想像しにくいかもしれませんが、政策に関してもっと国民の関与や国民的議論が必要なのです。
私たちはどの国に住んでいたとしても、その国が外国とどのような外交政策をとるのか、明確な線を設けるべきです。
簡単に言いますと、
【秘密文書によれば米国政府が日本政府の行為に膨大な影響を及ぼしており、それにより日本政府は度々、法律を逸脱する社会的に認められていない行為をしてきたわけです】
ここで疑問がわきます。
日本政府の政策は、誰が意思決定すべきでしょうか。
米国の諜報機関でしょうか。
日本の国民でしょうか。
【XKEYSCOREと日本の監視】
(国谷)
どのような文書が開示されたのか、知らない方もまだいらっしゃいます。
文書には、米国が日本にXKEYSCOREを提供したと書いてありますが、このことを知れば多くの方が不安を抱くでしょう。
“XKEYSCORE(エックスキースコア)は、いつでもどこでも監視を可能にするもの”です。
あなたはその事実を米国市民に対してまた世界中に明らかにしました。
日本人がこの監視システムのターゲットだとしたら、日本の人たちはとても心配すると思うのですが、この会場の皆さんに教えていただきたいのですが、日本の諜報機関は、XKEYSCOREによって新たにどのようなことができるようになるのでしょうか。
もし米国が日本にXKEYSCOREを提供していたらの話ですがー日本政府は認めていませんが。
(スノーデン)
私は日本政府も他の国と同じように受け取ったと確信しています。
文書の中にも記載されています。
(国谷)
防衛省が受け取ったのですか?
(スノーデン)
どの省が受け取ったかは知りません。
私はここで新しい暴露をしようとは思いません。
これまでに明らかになったことだけをお答えしています。
(国谷)
あなたが日本に滞在していた期間やその後にXKEYSCOREは提供されていたのでしょうか。
(スノーデン)
こうしたことは、一定の期間をかけて交渉がなされています。
こうした交渉は断続的に行われています。
片方の政府が持ちかけたら翌日すぐに実現するというものではなく、多くの会議や議論を重ね、とても長い期間かけて実現に至ります。
両国間では、管理方法や費用負担、設置場所、セキュリティや取り扱いなど厳しい折衛が行われています。
しかし我々が入手しているものを除いて、これらを簡潔に説明した公的文書はありません。
このように日本政府は関係を深め、市民の大量監視に積極的に関与するようになったのです。
なぜこのようなことが言えるのでしょうか。
日本国内では、極めて異例な説明のつかない法改正が次々に進められています。
例えば2013年には安倍政権の下で、特定秘密情報が成立しました。
これは秘密情報を暴く行為を罰する法律ですが、このようなものは必要性はありません。
政府関係者が機密情報や軍事情報を記者にリークしても、日本が危機に陥ることはありません。
本質的な問題ではないのです。
【しかし安倍政権は途方もない政治的努力を払って秘密保護法を作りました。
すなわち罰則を高め、より厳しい法律を作ったわけです】
外部から見ているとなぜ? なぜそれが必要なの? と疑問です。
野党は反対だし、国民も支持していない、路上では抗議活動も行われている、なのに、なぜ安倍政権はこれほど拘るのか。
答えは、米国政府が要求したからです。
大量監視の共謀に参加し、より大きな役割を担うための条件なのです。
共謀といっても、UFOとかピラミッドとかそういう変な意味ではありません。
秘密のパートナーという意味です。
これはよく知られていることですし、彼らも認めているところですがー国防長官でさえ、文書は認めなくてもこの関係については認めると思います。
重要なのは、米国政府からの信頼を高めることです。
米国から言われているのは、日本の法律は米国と一致しなければならない、日本の特定秘密保護法は米国の法律と同じでなければいけない、米国の基準に合うように罰則を厳しくしなければならない、こうして安倍政権は米国の要求に応えたのです。
そして今年、似たような法律が出てきました。共謀罪です。
安倍政権に対しては再び国民からも野党も強い反対の声があがり、専門家や公共団体からも、この法律が必要との合意が一切得られないまま、彼らは「共謀罪」に対する処罰と捜査を正当化しました。
テロ行為や重大犯罪と聞けば、殺人とか誘拐とか放火を思い浮かべますよね、しかしこの法律では、国立公園から植物を持ち出すことまで対象となっているのです。
法律は強行採決されましたが、このことによって明らかになったのは、法的な枠組みについて誰も説明できず、法務大臣さえも理解していないということです。
立法過程で、まともな審議がなかったのですから、日本政府はこの法律をテコに米国との交渉で収集し、国内で開発を進めてきた監視技術を活用するでしょう。
まるで新しいおもちゃを与えられた子供のようなものです。
そのおもちゃはルール違反だから使っちゃいけないよと言われるんですが、だったら、おもちゃを使えるようにルールを変えてしまおうというわけです。
このような形で政策決定がなされていることは残念でなりません。
というのも、繰り返しになりますが、こんな法律は必要ありませんし、非常に深刻な社会的負担を伴います。
また政府に対する国民の信頼も失墜します。
安倍政権に対する不信感の高まりは、非常に深刻だと思います。
自民党はすでに多くのスキャンダルを抱え、信頼の回復に必死です。
森友学園や加計学園と、次から次へと問題が起きていますが、この政府はなぜこれほどまで多くを国民の目から隠そうとするのでしょうか。
国民に対しては、監視されても心配するな、新しい法律についても心配するな、隠すものがないのであれば心配する必要はないですねと言いながら、なぜ彼らは同じルールでプレイしないのでしょうか。
(国谷)
日本政府も米国政府と同じように、大量監視をしていると思いますか?
(スノーデン)
ええ、では話題を最初の質問に戻しましょう。
多分、まだお答えしていないので。XKEYSCOREで新たに何ができるようになったのかという点ですね。
XKEYSCOREとは何なのか。
英語でも何の意味も成しません。
コードネームです。
これは非常に多くのシステムで構成された非常に複雑な技術システムですが、大きな問題が1つあります。
それはあらゆる情報源から電子的な通信を収集することです。
無線通信から傍受したものも含まれますし、無線を利用したコードレス電話や衛星電話や衛星インターネット、これらはアンテナを正しい場所に設置すれば誰でも聞くことができるわけですが、これらの情報をシステム的に取り込みます。
電波を使うこともできますし、東京の地下に敷設されている固定の光ケーブルを使うこともできます。
こうしたケーブルは、日本と米国、オーストラリア、中国、隣接する全ての国を海中でつないでいますが、基本的にシステムの容量限界まで全ての電子通信を集めてしまうわけです。
軍事基地や通信会社にあるPCやサーバーを活用して、空中に伝播しているあらゆる信号、ケーブルを流れているあらゆる信号を集め、最大限、理解できるようにします。
日本政府は今、こうした技術を手に入れていますが、数年前までは米国も含め、どこの政府も同じように諜報活動に苦労していました。
スパイは一人ひとりを尾行するといった方法しかなかったのです。
この方法だと、あらゆる地域のすべての対象を監視することはできませんし、何か重大なことを見落とす恐れもありました。
従来は、技術と予算が監視の限界を規定していました。
電話機に盗聴器を仕掛けるためには、その家に諜報員を送り込む必要がありましたし、あるいはYahoo!などのプロバイダーに直接出向いてユーザーの名前を伝え、その人物のEメールを全て提供するよう求める必要がありました。
しかし今では、XKEYSCOREによってネット上の全ての情報を入手できます。
しかし許可を求める必要なければ裁判所に行く必要はありません。
政策面は別にして技術的にはー一日24時間、一年365日、一日も休むことなく全ての信号を収集可能となりました。
電話をかけると、インターネット上の様々なシステムを経由するわけですが、しかしXKEYSCOREの置かれたある一点を通過した瞬間、その情報は記録され、保存されます。
そうすると政府は検索可能となります。
お分かりいただけたと思います。
法律で許可されていないにも関わらず、なぜ政府が興味を惹かれるのかーあるいは法律で許可されていたとしても、議論の余地があることがお分かりいただけたはずです。
政府は大きく変貌しました。
技術の進歩で、これまで出来なかったことが可能となったからです。
これまでは時間やお金の制約があり、犯罪者にしか焦点を当てることができませんでした。
しかし今では技術を利用して、誰でも、どこでも、監視することができます。
これは大変大きな違いであり、これこそがXKEYSCOREの核心なのです。
特定のターゲットを絞らずに、全ての人の情報通信を傍受し把握できるのです。
《プライバシーはなくなるのか》
(国谷)
こういう世界を想像するのは適当でしょうか。
米国はシステムを構築していますが、その目標は電子的なプライバシーを完全に排除することなのでしょうか。
(スノーデン)
ご質問は目標についてでしょうか、あるいは効果についてでしょうか。
もしあなたがNSAに聞いたとしたらー
私は国家安全局長に何度もそのことを聞いたので、彼が答えるようにお話しできるんですがー
彼らの目標は普通の人々に対して諜報活動をすることでも、プライバシーと対峙することでもありません。彼らの目標は彼らの目的はテロと戦い人々を安心させることだと言うでしょう。
しかし、これを達成する方法論があなたが言ったような結果をもたらすのです。
保護されていないコミュニケーション、それは暗号化されていない情報通信の意味ですが、これらは今や収集し解読することが可能です。
このことは大いなる脅威です。
なぜなら、これは米国や日本で起きているだけでなく、あなたが信頼していない政府、合意していない政府でも起きているからです。
ロシアや中国、仏国、ブラジルといった場所にも、あなたが疑っていようが、好きであろうが、嫌いであろうが関係なくこうした技術は存在しています。
そして伝統的に人権を守るとされてきた政府でさえも、この技術を使って人権を侵害しています。
彼らは人権を侵害する意図はないと言います。
しかし彼らにそのつもりがなくとも、結果的には人権を侵害しているのです。
つまり彼らは日々、人知れず何千億人もの人々のプライバシーを侵害していますが、誰も異議申し立てできず、裁判所に訴えることもできません。
なぜなら秘密裏に行われているからです。
彼らは国家安全保障や防衛のために重要だと、何千という理由をあげるでしょう。
しかし彼らは結果的に世の中を根本から変えてしまったのです。民主的な手続きも、民主的な合意もなく。
《ファイブ・アイズと日本の格差》
(国谷)
あなたの暴露によって、多国間における情報共有にも様々なレベルがあることが明らかになりました。
例えば「ファイブ・アイズ」は完全に平等なパートナーです。
もし一つの国が情報収集を禁じられていた場合、「ファイブ・アイズ」の別の国がその国に代わって情報収集を行います。
つまり彼らは法を侵すことなく情報を共有することができるわけです。
日本は「ファイブ・アイズ」ではありません。
13の文書には、日本が「サード・パーティ」版のプログラムを入手したと書かれていますが、これは日本が最も高度なプログラムを入手していないということでしょうか。
日本が手に入れた「サード・パーティー」版というのは、何か制限があるようなものなんでしょうか。
この「サード・パーティー」版とはなんですか。
(スノーデン)
聴衆の皆さんの中には、これら文書を読んでいない方もいると思うのでお話しますがー
NSAを含め米国政府は、同盟国との関係を3つに分類しています。
第1グループは自国です。
第2グループは、この表現はやや人種差別的かもしれませんが、英語を話す国です。
基本的には白人系で、同じ伝統文化を持つ豪州、ニュージーランド、カナダ、英国、米国です。
ちなみに彼らは自分たちを「セカンド・パーティー」とは言わないし、米国も言わないのですが、英国は米国について「セカンド・パーティー」と呼んでいます。
「サード・パーティー」はその他の国です。
最近は英語を話さない「サード・パーティー」の中には「セカンド・パーティー」になろうとする国もあり、米国にこう言います。
最大の同盟国として常に支援しますから「セカンド・パーティ」にしてください。
例えば最近ではドイツがこう言ってきたのですが、米国は「う~んダメだ」と答えました。
我々はとても緊密だし頼りにはしているが、それはできないと、理由は公的にも、秘密裏にも説明されてはいません。
しかし現実としては「セカンド・パーティ」の同盟国は英語圏の国々で、英語を使用する国なのです。
そこで問題が出てくるわけですが、「セカンド・パーティー」と「サード・パーティー」では同盟関係にどのような差があるのでしょうか。
「セカンド・パーティ」は、あなたが言う通り米国とほとんど対等で、お互いに平等です。
もちろん全く平等ということはなく、彼らの協定には、この合意は法的拘束力を持つものではないと書かれた条項があり、ルールを破りたければ破っても構わないと書かれているんですが、ただ日常の活動では事実上ルールは尊重されています。
つまり、それほど積極的にターゲットを絞っているわけではないのです。
我々は相手国が興味を持つような情報すべてを提供しますし、興味を持ちそうにない情報もすべて提供します。
自分たちには分からなくとも、相手には興味深い情報かもしれないからです。
このように緊密な関係にあり、基本的にお互いに何でも提供し合います。
「セカンド・パーティー」は、NSAとほぼ同じ技術を手に入れます。
制約されている部分はほとんどありません。こういうことは問題になることは滅多になく、日常業務における機能的な差はありません。
「サード・パーティー」の関係は違います。
なぜならNSAは、これらの国が永遠に米国と共にあるとは信じていないのです。
10年後、30年後には米国に対する立場を変えるかもしれない。
自分たちの真の能力を見せてはならないと考えているため、特定の技術のごく一部のみを提供します。
XKEYSCOREの場合はそれだけで強力ですから、これを手にした国々は何も知らずに喜んでいます。
しかし彼らは、NSAが持つ他の能力やそんな能力があるかどうかさえ知らされていません。
なぜならNSAは、「サード・パーティー」に対し、ある程度の優位を保ちたいわけです。
つまり、それほど緊密ではなく信頼にも値しないと考えているのです。
これはちょっと変かもしれませんが、特に人種差別という意味ではなく、日本人が嫌いだということでもないのですが、日本は我々とは違う、彼らは我々ではないと、例えば米国人のスパイとカナダ人のスパイがいたとしましょう、違いを聞かれても答えられません、我々は基本的に同じチームです。
しかし米国のスパイと日本のスパイで何が違うのかと聞かれたら、日本のスパイは我々に緊密に協力していますよと答えるでしょう。
しかし米国のスパイはこう言うでしょう、確かに緊密に協力しています、しかし我々とは違う、全てを一緒にすることはできません。
こうした分断を生み出した理由は、文化的・言語的アイデンティティの違いです。
日本は戦後一貫して、米国にとって唯一無二の同盟国であるにもかかわらず、責任という面において、決して同等の信頼を勝ち得るには至っていません。
責任という言葉は適切ではないですね、ちょっと言い方を変えましょう。
【日本の軍隊や日本の諜報活動は、文字通り米国が要求することは何でもするでしょう。
なぜなら、日本の組織にとって米軍との関係が非常に重要度が高いからです。】
米国側からみれば不釣合いですが、もし日本政府が米国政府に何かを要求したら、米国はもちろん協力しましょうと言うでしょう。
しかし米国が本当に、あらゆるリスクを負ってまでその関係に全力を注ぐでしょうか。
特に問題の多い新大統領の下ではこうしたことは分かりません。
過去何十年間、米国に対して責任を果たしてきた伝統的な同盟国への考え方が違うからです。
《NSAが世界をハッキング?》
(国谷)
今、仰ったように全く対等ではないということですが、オリバーストーン監督の映画の中で、大変驚き、ショックを受けたのは、オリバーストーン監督は映画を製作するためにあなたを9回もインタビューされたそうですがー
映画の中には、
【米国が仕込んだウィルスによって日本のインフラが人質にとられているという場面があります。
日本が日米同盟に対抗して何かを行った場合、米国がこのウィルスを使って日本のインフラを大混乱に陥れることができるというのは本当でしょうか。】
あるいは、ただ映画の中の話でしょうか。
(スノーデン)
このプログラムは公には詳細に報じられていません。
ですから、ここではお話しません。
というのも、私は即興で公的な一次情報の開示はしないと決めているのです。
ただ新たに公的な証拠が出てきた場合、私はこのプログラムを人々に知らせるべきか、ジャーナリストに判断を委ねています。
どの部分を知らせるべきか。どの部分を秘密にすべきか。
しかし、この一連の動きで興味深いのは、
【米国政府がNSAが果たして日本のコンピューターをハッキングしているのか、コンピューターを制御できるようにウィルスを感染させているのか、コンピューターに侵入したり、ダメージを与えようとしているのか、
日本は最良の同盟国であるにも関わらず、答えはもちろんイエスなのです】
私の発信ではないのですが、まとまった情報流出がありました。
正体不明の「シャドウ・ブローカーズ」という集団が発信源なのですが、彼らはNSAのハッキングツールを活用して非常に膨大な情報を入手しています。
内部のネットワークから得た記録です。
まるで内部通報者が漏洩したように見えます。
最初に情報が公開されたときのタイミングも奇妙だったし、情報の質も奇妙でした。
私は実際ロシア人によるものだと思い、そのことを公言しました。
しかしそれ以降、非常に多く情報が開示され、外部の攻撃者によって漏洩しているとは考えにくくなりました。
ネットワーク内部の人間が漏らしているに違いありません。
こうして彼らは奪った情報すべてを次から次へと毎月公開していきました。
シャドー・ブローカーズが流出させた文書を見ると、「陰の仲介者」(シャドー・ブローカーズ)というのはグループの名前なんですが、彼らはハッキングされたコンピューターのリストを公表しているのですが、そこには日本のIPアドレスも存在していて、大学のような教育機関も含まれてます。
基本的に、あらゆる国の重要インフラが米国NSAによってハッキングされていて、もちろん日本も同様の扱いを受けています。
【この話で興味深いところは全く報道されていないということです】
なぜなら、この情報が本物であるかまだ疑問があります。
シャドウ・ブローカーズは私と違い表に出てきませんし、存在も分かりません。
根拠を示せません。
【ただ情報は本物でした。
本物だと分かった唯一の理由は、NSAの攻撃ツールを公表した時、NSAがパニックに陥ったからです。
NSAは危機だと言いました】
これが議会でも話題となっていきました。
実際に我々は今年初旬、ハッカーがNSA攻撃ツールを使用しているのを確認しました。
このツールは一旦ネット上に流出すると想像してみてください。
NSAはコンピューターに侵入するために攻撃ツールを開発しているのです。
日本であれ、ロシアであれ、中国であれ、誰に対して使うのかは別にして、コンピューターに侵入するツールを開発しています。
誰かがこれを持ち出しネット上に流しさえすれば、もはやだれに対してもこのツールを使うことが可能です。
ハッカーはこれを使って、「WannaCry」(ワナクライ)と呼ばれる世界規模で身代金を要求するウィルス攻撃を行いました。
これら一連のツールはNSAが開発したツールです。
NSAはこれらを秘密裏に使っていましたが、結果的に英国の病院までオフラインにしなければならなくなりました。
あるいは仏国の車工場をオフラインにしなければならなくなりました。
さらにマイルスクという国際的な船舶会社も数時間オフラインにしました。
これは危機でした。
米国内では大きな論議となりましたが、日本との関係をフォローアップするような捜査報告は一切行われませんでした。
しかしもちろん、これらのツールは日本に対しても使われていました。
何故このようなことをするのか疑問がわきますが、しかし残念なことに、米国政府に対しきちんとした質問はむけられていませんし、米国政府からきちんとした回答はなされていません。
《サイバー戦争の脅威はあるか》
(国谷)
私は最新の脅威、すなわち最も関心の高い脅威はサイバー戦争だと思います。
サイバー攻撃についてお聞きします。
今もまさにお話されていましたが、国家間のサイバー攻撃、中国と米国が北朝鮮に対してサイバー攻撃がありうると思いますが、実際、サイバー戦争が起こりうる可能性はどの程度深刻で、脅威となりうるのでしょう。
我々はそれを感知できませんし、その規模や深刻さを理解するのは困難です。
われわれはどの程度怖れるべきなのでしょうか。
(スノーデン)
まず第一に大事なことは、パニックに陥らないことだと思います。
なにか新しい脅威が出てくると政府は必ずこう言います。
これは前例のない危機だ、最大の困難に直面している、だから我々に新たな権限や新たな法律が必要だ、大規模な予算が必要だ、いつも同じです。
誤解されると困るのですが、コンピューターセキュリティーの問題はとても深刻です。
現代社会においてコンピューターセキュリティーは安全保障上、国家が抱える最大の危機だと思います。
テロ行為よりも重大だと思います。
しかし世界の終わりではありません。
今年の初旬、こんなことがありました。
世界で最も進んだ諜報機関であるNSA最高のツールがー
これは、Officeなどで広く使われているWindows系コンピューター全てを攻撃できるものなのですが、それがハッカーに乗っ取られ、最も悪意のある形で使われたのです。
これは大変深刻な出来事でした。
この時も診療ができなくなった病院はありましたが、世界は終わりませんでした。
数日以内に問題は解決されました。
セキュリティー対策がとられ、再発は防止されています。
ですから、全体を見なければなりません。
このことは深刻な問題ではありますが、世界の終わりではないのです。
むしろ我々が考えなければならないのは、状況を改善するために何をすべきなのか、なぜここまで深刻な状況に陥ってしまったのかということです。
コンピューターがハッキング可能であることは、もう何十年も前から分かっていました。
これが深刻な危険であることも何十年も前から分かっていました。
ではなぜ、各国政府は日本政府に限らず、米国政府に限らず、政府はなぜ長い間、これを解決するために行動を起こさなかったのでしょうか。
答えは非常に悲しいものです。
これについては国連の報告書があります。
この後、デビッド・ケイさんがこれについて話すことができると思うのですが、報告書に記載されているのはー
【ハッキングの分野で最も進んでいる政府、最も優れた諜報機関を持つ政府が、ハッキングができる環境が変化しないよう、阻止に動いていたというのです】
というのも、彼らの立場から見れば、高度な諜報機関の立場から見れば、自分たちは誰よりも力を持っているというわけです。
この状況は永遠には続かないかもしれないが、今は黄金期だ、敵国はコンピューターに関する能力がないが、我々にはそれがある、だからこの期間をなるべく長く維持して、繰り返し繰り返し攻撃し、セキュリティ技術によって目的が達成できるくらい、敵国が能力を高めるまで最大限に攻撃し、敵の能力が自分たちと同じレベルになったら初めてこうした事態に対応する法律や制限を導入するのです。
今年初旬の病院への襲撃は、この問題を考える上で最も分かりやすい例だと思うのですがー
例えばデジタル兵器の開発ということで考えると、NSAが「エクスプロイト」という言語の新たな攻撃ツールを開発し、エクスプロイトというこのソフトを作ってWindowsコンピュータやiPhoneを攻撃したり、ネットに接続している様々なシステムを攻撃したり、誰かを攻撃するために様々な方法が開発されていますが、問題なのは、世界中の人が同じソフトウエアを使っているということです。
もしiPhoneの弱点を作ったり、脆弱性を見つけたとしたらー
世界中のiPhoneが侵入可能となります。
諜報機関はこう言うでしょう、素晴らしい、贈り物だ、秘密にしておこう、Apple社にも秘密にしておこう。敵国やライバルが同じ欠陥を発見して、米国や日本のiPhoneに侵入できるとしても、今日、実際にそのようなことが起きていて全てのコントロールが失われています。
このことを伝統的な武器の文脈から考えてみたいと思います。
侵入プログラムを擁護する人々は、ハッキングをやめることは一方的な軍縮と同じで、敵国がハッキングを続けるのに自分たちはできなくなると言いますが、誰もそんな提案していませんし、政府のハッキングは絶対ダメとも言っていません。
これらのツールを使うなら必要な時に限って期間限定で使うべきだと言っているのです。
というのも、一瞬でも携帯電話に侵入すれば、永遠にハッキングし続ける傾向があります。
基本的にわずかなプログラムを残してしまえば、いつでも戻ることができるからです。
まるで誰かの家にスペアキーを作るようなものなのです。
スペアキーが複製されない限り、いつまでもハッキングは続きます。
複雑な話をして申し訳ありませんが、ここは重要な点だと思うのです。
これらの攻撃ツールーデジタル兵器はミサイルとは異なります。
ミサイルはいったん発射すれば、破壊され、再利用は不可能です。
デジタル兵器というのは単なるコードですがー
中国に対して攻撃ソフトを使ったら、彼らはそのコードを解読して複製することができるのです。
これはミサイルを撃ったら、即座にそれが方向を変えて撃ち返してくるようなものです。
諜報機関はこれらの行為を正当化してこう言います。
中国はミサイルを解読して撃ち返す能力はないと、しかしできるのです。
繰り返しになりますが、デジタルコードは無制限にコピーできるので、一つのミサイルを解読すれば何千万個にもすることができるのです。
サイバーセキュリティの問題というのはー
この新しいデジタル軍事産業には、様々な民間企業が関わっていて、様々な攻撃ソフトを開発して政府に販売しています。
これは伝統的な武力衝突というより、細菌戦に似ています。
細菌のようなもので多くの人々に感染します。
その細胞ウィルスを一度でも手に入れると、それを無制限に複製することができます。
生物兵器が他国の人々を殺せるのと同じくらい簡単に、自国の人々を簡単に殺すことができるのです。
これは国の危機であり、国家安全保障を推進するためにこのようなことを容認する正当な根拠はありません。
政府は内部で攻撃ソフトを開発すべきです。
最優先度のターゲットにのみソフトを使用し、30日とか90日以内にはアップルやマイクロソフトのようなソフト開発者にソフトの脆弱性を伝えるべきです。
このシステムの穴をふさぐ必要がありますよと。
30日から90日以内という短い期間に発見されれば、多くの人が守られるでしょう。
世界中の一般市民は影響を受けず、唯一コンピューターセキュリティの問題に苦しむのは、裁判所などにハッキングの事実が認められた国家安全保障上の標的やテロリストだけです。
《プライバシーや人権を守るには》
(国谷)
お聞きしたいことはたくさんありますが、時間がなくなってきました。
ですが、ネット上のプライバシーを取り戻すという私たちの懸案事項に話を戻したいと思います。
国家の脅威やテロによる危険性が増していると不安に感じている人が増加していると思います。
こうした人々は政府が自分の記録を覗き見していることに寛容になりがちです。
安心や安全のためなら仕方ないと。
では実際、ネット上のプライバシーをどのように取り戻すことができるのでしょうか。
監視対象の領域を制限したり、管理・監督のための方法を構築したり、あるいは、現実として自分たちの手では無理でしょうか?
要するに、我々が政府を制限する方法はあるのでしょうか。
(スノーデン)
とても良い質問ですが、とても複雑な質問です。
十分にお話する時間がないので、他のゲストが後でもっと話してくれると良いのですが、この問題に取り組むために重要なことは、これが監視に限ったものではないと認識することです。
この問題は政府の戦略に関係しています。
政府は人間がごく自然に抱く恐怖心を悪用して、この世界は予測不可能で何か危険が起きるに違いないと思い込ませます。
人々は皆、政府が提示した架空の取り引きを信じ込んでしまいます。
私たちの希望を叶えてくれるなら、皆さんの安全は守りますよと。
しかし、お分かりのとおり実際にはうまくいきません。
最も独裁的な警察国家から最も市民権や人権を尊重している国まで、あらゆる国に犯罪は存在します。
世の中には常に何らかの危険があります。
問題は、どのレベルでその危険に反応すべきなのか、どのように危機管理すべきなのかということです。
我々はどうすれば、政府の権限を強めることなく、人々が直面しているリスクを緩和できるでしょうか。
政府の権限が強まれば、人類が過去築き上げた人権というものに甚大な問題を引き起こします。
例えば、恐怖に対する反応について考えたとき、人々が世界中にテロがあると感じる場所こそ、その世界は危険になります。
というのも、人々は安全を求め人権を侵害するようなものまで求めるからです。
米国も例外ではありません。
第二次世界大戦を思い出してください。
日系アメリカ人は、敵側のスパイだと考えられ、一斉に検挙され、捕虜収容所に収監されました。
もちろんすべての日系人がスパイだったわけではありませんが、これが彼らのやり方でした。
多くの市民はこれが誤りであると知っていましたが、そのほうが安心だったので従っていました。
政府は今でも、似たようなことをしています。
物理的に身体を拘束するのではなく、こういうことを言うのです。
世界中に危険があるのだからルールを破らなければならない、プライバシーに関する人権侵害も必要だ、それができないなら、皆さんは死にます、皆さんの中にテロリストがいます、スパイがいます、工作員がいます。
こうした時、皆さんはどう対処しますか?
これには2つのアプローチがあります。
そのうちの1つは、ここにいる観客の皆さんにも馴染みのあるものでしょう。
1つは組織です。
今日我々と共にある素晴らしい人々です。
米国には非常に強力な米自由人権協会がありますが、日本にも同じような自由人権協会が必要でしょう。
政府は法廷を恐れています。
というのも、彼らは政府の中に自然の安全装置と自然の軋轢を作っているのです。
政策が出来る前でも、法律が侵害される前でも、秘密の部屋で日本の閣僚たちは会議を開き、こう言うでしょう。
我々はすべての人を監視できる技術を持っているがそれをするべきだろうか。
私たちにとって必要なことは、会議に参加していた人が怖れることです。
事実がバレると、日本の市民団体から追及され大変なことになると、私たちにとって必要なことは、秘密の部屋にいる人が怖れることです。
日本のメディアがこの事実を発見し、躊躇なく人々に伝えると大変なことになると、なぜなら、これこそが良い政府を持つ方法だからです。
責任のある政府とは、人々が信頼できる政府です。
もし政府高官が、誰にも知られることなく事を運べると感じているなら、彼らはそうするでしょう。
再びテロリズムの文脈ではなく、単純な日常的な汚職の文脈で考えてください。
例えば森友学園のスキャンダルでは自分の妻に便宜を図っていたり、友達に便宜を図って獣医の学校を開設しましょう、簡単に許可を出しましょうなどということが起こるのは、誰も気づかないからです。
ですから我々には、政府が怖れる強力な組織が必要です。
2つ目のアプローチはもっと過激でより難しいのですが、非常に強力です。
予測できませんが、もし私たち国民が世界中のどこかの国で良い政府にしろ、悪い政府にしろ、プライバシーを尊重しないような事態が広く認識されたなら、新たな科学技術の力を借りて、彼らの力を削ぐことが可能なのではないでしょうか。
これはアイデアです。
ハッキングはどのように行われているのでしょう。
監視はどのように行われているでしょう。
今日、こうしたことが起きるのは、情報通信が一般的に安全ではないからです。
安全な情報通信もありますが、非常に稀です。
今のシステムは基本的に安全ではないので、多額の年間予算があればコンピューターへも携帯電話へも簡単に侵入できます。
しかし、我々がそれを変えたらどうでしょうか。
我々エンジニアが年々コンピュータを改良し、安全になるように取り組んだらどうでしょうか。
まるで自動車が1世紀の間に安全性を実現していったように。
もし今、世界で広く行われているデジタルコミュニケーションが、特別な技術も知識も必要とせず、最初から安全なものだったらどうでしょうか。
このようなことになれば、結果的に政府が尊重する気がなかったプライバシーを侵害する能力を奪うことになるのです。
彼らがルールを破ったら、彼らが二度と同じことを返せない方法を作り出しましょう。
彼らを罰し、責任を問う代わりに、難しいことではありますが、今日、安全なシステムがないからといって、将来、実現しないわけではないのです。
(国谷)
時間がないので最後に質問させてください。
あなたはより多くの内部告発者が出てくることを望んでいますが、今後のあなたの役割は何ですか。
(スノーデン)
まず今の私の役割ですが、政治的な動きには関わらないようにしています。
私の経歴とは無関係ですし訓練もしてません、私はエンジニアですから。
私にとっては、このようなトークでさえも難しかったので、たくさん練習しました。
エンジニアとしては、先ほど2つ目の部分でお話したとおり、少なくともいくつかの領域でより安全性の高い通信環境を実現したいです。
重要だと思っているのはー私が現在、報道の自由財団で日々取り組んでいる領域です。
アメリカでは、トランプ政権がジャーナリズムの天敵となっています。
彼らは新聞は民衆の敵だと言っています。
聞いたこともないような狂った発言です。
我々はどうすれば良いでしょうか。
標的になっているジャーナリストであれ、何らかの犯罪行為を目撃した諜報機関の従業員であれ、あるいは諜報機関ではないけれど大企業の従業員で内部の犯罪行為を暴けば、報復を受ける可能性がある人であれ、彼らがジャーナリストにコンタクトを取り、内密に話をして事実を伝えるにはどうすれば良いでしょうか。そしてジャーナリストは受け取った情報を公表するにあたって、どのような方法を使えば最も安全で最終的に人々にとって利益となるのでしょうか。
これはとても大きな課題ですが、私が今最も関心を向けていることです。
今日、情報通信の安全を守り、コンピュータの安全を維持することは、とても難しいことと言わざるを得ず、未解決の問題です。
しかし我々が直面している最も重要な課題の一つだと考えています。
(国谷)
スノーデンさん、本日はありがとうございました。
(スノーデン)
ありがとう(日本語)
地震雲などの画像より
・2023年9月21日 三田市 18:03
・2023年9月21日 三田市 18:04
・2023年9月21日 三田市 18:04
・2023年9月21日 三田市 18:04
・2023年9月22日 三田市 7:20
・2023年9月22日 名古屋 9:43
・2023年9月22日 名古屋 10:27
・2023年9月22日 神戸市 11:03
・2023年9月22日 神戸市 11:04【バンダ海M5.8】
22-SEP-2023 14:59(日本時間 23:59) -7.13 129.72 M5.8 深さ155km BANDA SEA
22-SEP-2023 16:33(日本時間9/23 1:33) 30.90 142.09 M5.0 深さ10km SOUTHEAST OF HONSHU, JAPAN
22-SEP-2023 19:13(日本時間9/23 4:13) 43.34 138.99 M4.1 深さ219km EASTERN SEA OF JAPAN
22-SEP-2023 23:31(日本時間9/23 8:31) 44.92 144.30 M4.0 深さ247km HOKKAIDO, JAPAN REGION
・2023年9月22日 三田市 11:16
・2023年9月22日 三田市 11:16
・2023年9月23日 名古屋 8:38
・2023年9月23日 名古屋 8:38
・2023年9月23日 名古屋 10:12
・2023年9月23日 三田市 17:24
・2023年9月23日 三田市 17:30
・2023年9月23日 三田市 17:46
・2023年9月23日 三田市 17:56
・2023年9月23日 三田市 18:02
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以上、地球の謎解きより。
写真は9月23日のソラ。