近隣の小学校では明日から移動教室(修学旅行)が予定されていました。今年は行事ごとが次々に中止となり、例年通りなら日光へ行くはずの移動教室が、市内の御嶽山へと変更となっていました。日光から御嶽山へ変更になった時点で小6の生徒はがっかりしていましたが、それでも友達と一緒に二泊三日を過ごせるならと気を持ち直して、とても楽しみにしていました。ひと月以上前からカウントダウンを始め、あと○日で移動教室、あと○日で移動教室、と毎日のように言っていました。2週間以上前から早くも準備を始め、足りないものは買いそろえていました。そしてこの連休中には準備を終え、何度も何度も忘れ物がないか確認をしては、移動教室での楽しい出来事を夢描いていました。
先週、ニュースの中で台風が発生したことを知り、さらに悪いことに移動教室とちょうど同じ日程で日本全国に雨風をふらせることを知りました。それでも学校から何も言われていないことから、「少々天気が悪くても平気だよ。雨なら体育館も使えるらしいし。」期待に胸を膨らませていました。
ところが前日の今日になって学校から延期のアナウンスが入り、その場にへなへなと座り込み、本当にがっかりしていました。「中止になったわけではないし、そもそも悪い天気の中行くよりも違う日程で行った方が天気が良くて楽しいはずだよ。無理やり行くことにならなくてかえって良かったじゃない。」となだめましたが、しばらく気持ちを持ち直すことができずにいました。今年はコロナの影響で色々なことがこの調子で、気の毒で仕方ありませんでした。
考えてみると、今年は日本中の子供たちが同じような体験をし、同じような思いを繰り返していると思います。学校に行くことができずにリモート授業、体育祭や文化祭、合唱祭などの行事が中止、などなど子供たちは我慢を強いられることが次々に起こりました。受験に向けても子供たちは不安を抱えたままです。
それにもかかわらず、この4連休はあちこちの観光地には大勢の人が訪れていると連日報道されています。連休明け、新型コロナウィルスの新規感染者数はどうなっているでしょうか。経済を回していかないと、という理屈はもちろんわかります。しかしそれが、子供たちに我慢を強いたままで行われてよいものかどうか、疑問に思ってしまいます。
大人になり、何歳になったとしても、自分が行った修学旅行のことは必ず思い出せると思います。大きな思い出がいくつもあると思います。修学旅行だけでなく様々な思い出を作ることができない、作ることができなくなってしまうかもしれない、今年の子供たちのことを思うと、果たしてこれでよいのかと考えてしまいます。