染物屋の白袴とも言う。染物屋は自分の袴を染める時間もないから白い袴をはいている、
専門としている人は自分の事になると顧みないことの例え。少しニュアンスは違うが農
家は見た目のいい野菜を出荷して自家では形の悪いもの、出来の悪いものを食べるのと
似ている。それは桑炭会に於いても同様で、注文主優先となることは勿論だが、日常的
に使う火鉢、炬燵などは使用量も多いから量的な確保の意味からも炭のランクは低い雑
を使う事も多い。炭小屋では冬の寒い時に七輪に火を起こして炭を使うが、この時も所
謂、屑炭を使っている。材料は山から切り出し提供されたもの、勿体ない精神もあり全
てを大切に使い切る義務を感じているから、出来のいい木炭・小さい破片や灰混じりの
もの、炭焼過程の木酢液まで捨てる物なく活用させて貰っている。