雨にも負けず山歩き♪

青空を見上げながらも、しっかり足もとを見つめて歩く自然観察情報!

南南ア縦走…荒川三山(悪沢岳)・赤石岳・聖岳(1日目)

2014年09月09日 | 百名山の山

夕日に赤く染まる富士山…千枚小屋より


2014/8/19(火)~22(金) 南南アルプス縦走①
                                                     椹(さわら)島 登山口より 

(1日目)  椹島ロッジ登山口~千枚小屋
(2日目)  千枚小屋~千枚岳~悪沢岳~赤石岳~百間洞山の家
(3日目)  百間洞山の家~聖岳~聖平小屋
(4日目)  聖平小屋~聖沢登山口

(1日目)椹島ロッジ登山口(6:20)→滝見橋登山口(6:30)→鉄塔(7:45)→清水平(10:00~10)→
蕨段(11:05)→見晴台(11:25~12:10)→駒鳥池(13:25)→千枚小屋(14:10)

 100名山の標高順20座を目指す! 


私の回りには、既に深田久弥の100名山を登り終えたツワモノ登山仲間が沢山いる。
何年も前に登り終えて、今は200名山300名山を着々と目指している方や、正に100名山現在進行形の方まで
特に9月末で、それぞれ残り2座、残り4座となった2人を見ていると、本人の生半可な努力だけでは成し得ない
自然(気象)条件、時間、費用、家族の協力も含めて、色々な意味で凄い事なんだなぁ…と、伝わってきて
登山歴の短い私には、到底真似ができないので、それならと、私にも出来そうな目標を立ててみた(^^ゞ

何年か前に、南アルプス北岳~間ノ岳を登り終えて、帰りの車で話題になった標高の高い山の順番!
気付いたらベスト5座まで終えていたので、その日以来、「標高順10座!」を目標としたのである。
(正確には槍ヶ岳山荘で靴がなくなり断念、翌日は濃いガスと霧雨の為、最後の梯子手前で諦めたので、4座であるが)

 ところが、南南ア3座縦走を決めてから、標高順 1位~20位の山名を見てビックリ!あれあれ~?
3座を加えると既に登頂している山名がズラリ!な~んだ、それならと「標高順20座!」を目標に即変更(^^ゞ

と言う訳で、気付いたら5座も意外だったが、気付いたら標高順20座まで届きそうだった事は、もっと意外だった!
今回、3000m級の山々が連続している南南ア縦走は、北陸からは登山口までが遠い為、一気に制覇が目標、
登山口前泊と山小屋3泊と言う、今までにないロングランで、しかもハードな行程(計画)となったのであるが
いつもの如く無理はしないで、天候や皆の体調次第で聖岳への登頂は諦める事とし、エスケープルートも考慮した。

今夏のお天気は不安定で例年にない異常気象が続いており、晴れ予報でも突如雨予報に変わったりしていて
今迄の経験もあり、特に夏山、特に高山では豪雨や雷なども十分に考えられるので、1日位は雨の覚悟もしていたが
運良く4日間とも好天に恵まれ、当初の目標であった 「悪沢岳・赤石岳・聖岳」 の三山登頂を果たす事ができた(^^)v



南南アルプス 山旅ロガーGPS軌跡(赤色)…(3ヶ所電波が途切れて直線になったので、青色で手書き修正)
注意箇所は、荒川前岳への分岐と、百間洞山の家の位置が電子国土や旧ウォッちずの表示と違っていた点。


登山日初日は、南南アルプスの登山基地である、椹島ロッジ裏の登山口を反時計回りにスタートし、
「 千枚岳・丸山・荒川東岳(悪沢岳)・荒川中岳・荒川前岳・小赤石岳・赤石岳・中盛丸山・小兎岳・兎岳・聖岳 」
アップダウンしながら11のピークを踏んで、4日目の最終日は聖平小屋から聖沢登山口に下山してきた。

静かな山域を狙って平日登山としたが、夏休みでもあり、千枚岳から悪沢岳までは学生団体を含み大賑わい!
 2日目は、赤石小屋方面へ下山して行く登山者が多い中、我々は百間洞まで足を伸ばしたので
赤石岳~聖岳までの稜線や下山道で出会った人は極端に少なく、、聖平小屋から聖沢までの下山道中では数組
この山域のピークはお盆前後で終わったのだろうか?と思える程、逆に寂しい道中であった。

普段、見知らぬ人に声をかけるのは苦手な私であるが、たまたま小屋の食堂などで一緒になった方々と
若干話した内容からは、「千枚岳と悪沢岳」・「赤石岳」・「聖岳」・「上河内岳と茶臼岳」など、分けて登っているようで
登山口までマイカーで入れない事や体力などもあり、前泊を含める場合は2~3泊での登山が中心のようである。
それなら稜線上で出会う方が少ないと言うのも納得であり、そして一番人気は、千枚岳と悪沢岳のようだった!

千枚岳は100名山に入っていないが、千枚小屋から目前で見られた、夕日で赤く焼ける富士山が美しく印象深い!
千枚岳山頂からの360度の眺望も素晴らしかったが、山頂で見たご来光もまた美しく、富士山三昧の環境である。
椹島を早朝に出発して、健脚の方は千枚小屋を昼頃に通過し、何とか荒川小屋まで辿りつくようであるが
個人的感想としては、天候が良ければ余計に、ここは是非、千枚小屋でゆっくりして行ったら良いのではと思った。
千枚岳の山頂で、「何度来てもこんなに美しいご来光は滅多に見られない」と聞こえて来たので、我々は強運でもあった。

今回、 私のザック重量は自己最高記録!と言っても、男性のザックやテント泊の方達のザックの重さには到底及ばない。
日帰り登山では8キロ位なのだが、11.5キロを背負って出発!(>_<) 今回は段差のある急登などでは特に堪えた。

初日は気にしていた事もあり、重い重いの連発であったが、2日目ともなると重さにも慣れ、不思議と気にならなくなった。
今回4日間とも先頭を歩かせて頂き、一日一日が長時間ではあったが、マイペースで歩く事ができたのも有難く、
余分な休憩を取っている余裕はなかったが、山での楽しみの一つでもある写真タイムが、私にはちょうど良い休憩となり
雷鳥の親子やホシガラス、イワヒバリなどに運良く出会った時なども、若干足を止めて、同行の皆さんと楽しんだ♪


南南アルプス登山基地へ


 
駐車場前の登山相談所では登山届の受付をしていた。     畑薙第一ダムの臨時駐車場(150~200台可)


畑薙第一ダムの臨時駐車場から東海フォレストの送迎バスに乗り、椹島ロッジにて前泊した。
北ルプスは登山基地の上高地から、自力で横尾までの3時間徒歩が待っていて、疲れた帰りもまた同じ徒歩であるが
南アルプスは、広河原も椹島も、いずれも登山口まで往復バスが出ていると言うのは、とても有難い事である。

バスに乗る時に前金3000円を支払ってチケットを購入し、椹島ロッジではチケット分を差し引いて支払うシステムで
つまりはテント泊の方も、必ず1泊は山小屋に泊まって頂くと言う事であったが、チラッと聞こえてきた話では
3000円はバス代だと思って諦め、テント泊オンリーだと言っていた、超山慣れした男性もおられた(^^ゞ


ダムからロッジまでバスで1時間。。。



椹島ロッジ


椹島ロッジは登山基地と言うだけあって、広い敷地で、素泊まり小屋を含めて200名宿泊可能のようだった。
東海フォレスト事務所兼ふれあいセンター、渡り廊下繋がりで奥に食堂と風呂の棟、宿泊はA棟~C棟まであった。
お風呂には、シャンプー&ボディーソープ完備!(ドライヤーはなく扇風機を代用・タオルもなし、下山後の風呂有料)
この先4日間はお風呂に入れないので、ボディーウェットは沢山持参したのだが、シャンプーが出来てラッキーだった♪


 
衛星公衆電話             希少野生植物


携帯はどのキャリアも圏外…Edyが使える衛星公衆電話があった。(ワイドスターⅡと言うらしく初めて見た)
(右画像)静岡県指定の希少野生植物…いずれも花期が終わっていたのか、見る事ができず残念!
6種…ホテイラン ・ ホテイアツモリソウ ・ キバナノアツモリソウ ・ タカネマンテマ ・ キンロバイ ・ オオサクラソウ



レストハウス 椹

椹島ロッジの広大な敷地内にあり、買い物や食事ができる「レストハウス 椹 」…営業6:15~19:00


 
白旗史郎写真館                       大倉喜八郎 記念樹


敷地内には、貸しロッカー、テン場、炊事棟、トイレ棟、白旗史郎写真館などの立派な建物があり、
下山後のバス待ちの休憩所でもあり、キャンプ体験など散歩しならのんびり楽しむ事ができるようであった。
散歩していて所々で真っ赤な石を見た!(流石に赤石山脈と言うだけある!…後に真っ赤な岩の上を歩く事に)


 
椹島ロッジの夕食(メロンシャーベットのデザート付)&朝食


初日はひたすら登りの8時間。。。


物の例えで、東京ドーム何個分と言うのを良く聞くのだが、私の感覚で登り8時間を例えるなら
「白山を2回登った!」と言うところかな?(^^ゞ 登山口までも奥深いが、山頂までは更に奥深いのがアルプス山脈だ!

 やや誤算は朝食の時間、ロッジへの到着順で決められており自分では選べず、1番は満席で2番(5時半~)となり
出発予定の5時半は無理なので諦め、結果6時20分登山口となり、かなり出遅れてしまったのである。

椹島ロッジから千枚小屋までは、樹林帯がほとんどでひたすら登りだったが、途中で車道出会いが3ヶ所ほど
特に昼休憩を取った、若干眺望が開けた見晴台では、「えっこんな所まで車道が来ていたんだー」と、意外な思い。
地形図を見ると確かに林道(管理道路)が伸びていたが、林道は歩行禁止で、比較しても差ほど楽ではないらしい(^^ゞ


 
ロッジ裏、神社の鳥居左手が登山口       登山口に咲いていた フシグロセンノウ


 
橋から始まる千枚岳登山口                奥に見えている滝見橋を渡る       


 
手すりとかけ橋が続き、次は結構長くて揺れる吊り橋を渡った。


 
(左画像)最初の車道出会い…200m程車道を歩き、左手にある長い鉄の階段を登って行く。
(右画像)途中の清水平は、名前程平らな場所ではなかったが、美味しいお水が飲めるので有難い休憩処であり
南南アルプス山域は雨が多い為、水は豊富にあるようで、3泊とも各小屋での天然水が全て無料であった。


暗い林で珍しい花を見つける。


 
   (左画像)黄色っぽい褐色で花数が多い…ギンリョウソウに似ているが、多分 シャクジョウソウ(錫杖草)
(右画像)近くに咲いていたギンリョウソウ…いつもと雰囲気が違い丸く太って見えているのは、
ギンリョウソウの果実らしい。(後に調べて、へぇ~~どちらも始めて見たので、ちょっと驚きであった!)


見晴台で昼食&コーヒータイム。。。


 
熊さんの両手が矢印になっている案内板を見たら、直ぐ右手を若干登って行く!(特に見晴台への案内はナシ)
右画像は見晴台の横を通る車道…5時間歩いた後なので、こんな車道が見えるとちょっとガッカリ(^^ゞ



見晴台から…頭が隠れた小赤石岳と赤石岳(悪沢と赤石の間に小さく荒川小屋も見えていた。)



見晴台から…悪沢岳と千枚岳


 
途中で見つけた小さい秋…


林業遺産の登山道を歩く。。。



標高2300m付近…東海パルプ創業時の木材搬出の木馬道(往時をしのんで歩いて下さいとの案内あり)


 
気持ちの良いシラビソの森が続く! (右画像)苔むした古い伐根は、明治40~43年頃に伐採された伐根らしい。


千枚小屋周りは一大お花畑 ♪


駒鳥池の近くで姿はないが駒鳥の鳴き声を聞いた!(ヒンカラカラ…馬の鳴き声のようだと書いてあったので)
駒鳥池から40分程で千枚小屋付近のお花畑に突入し、小屋までの一帯が花のピークで鮮やかさひとしお!
真夏を思わせる濃い黄色のマルバダケブキや、秋の訪れを思わせる紫のトリカブトなどが、一斉に出迎えてくれた。


 
しばらくはマルバダケブキの花ロードを歩く。。。

 
 
淡い紫から濃い紫まで、トリカブトの色が綺麗!



地元の高校生(山岳部)がボランティアで、カモシカ対策として花畑を柵で囲んでいた。


千枚小屋に到着!



お花畑の真ん中に、まだ真新しい千枚小屋があった。(テン場は小屋の5分程手前)


 
朝一で予定していたモーニングコーヒーを諦めた事もあり、ほぼ予定通りの14時過ぎに千枚小屋に入り、
初日の無事を祝ってまずは生ビールで乾杯  そしてお花畑の散歩から飽きる程の富士山鑑賞!
(右画像)花の柵作りが終わり、地元のTV局からインタビューを受けていた高校生たち。


 
   千枚小屋の夕食             千枚小屋の朝食&昼食も同じおにぎり



千枚小屋より、笊ヶ岳、千挺木山


 
千枚小屋より、雲海に浮かぶ美しい富士山



夕日に染まる富士山


千枚小屋での夕食も到着順で決められており、我々の夕食タイムは17時からであった。
日の入り予想は18時半、夕食後もまた富士山鑑賞、徐々に赤く焼けて行く姿は必見の美しさだった。
あっでも肝心な時に、頭に雲が…(@_@;)

明日は早朝4時に出発して、百間洞山の家まで12時間の歩きを予定しており、明日の天気と歩き次第で
聖岳の登頂も左右されるので、4日間で一番の頑張りどころ(要)の日でもあり、晴天を願って眠りについた!


そして。。。



富士山と星空


隣の鼾(いびき)か?神のお告げ?で夜中(23時頃)に目覚め、、富士山の上に降り注ぐ満天の星空を見た(^^)v
街明りに浮かぶ富士山と満天の星…こんなに絵になる光景は、滅多に見る事が出来ないだろうと思った。
何処からでも一目で分かる雄大な山、北アルプスの象徴が槍ヶ岳だとしたら、南アルプスの象徴は富士山だ!

 

南南アルプス縦走②へ




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