自然における神の栄光 4/10
掲載日:2007年11月11日
ベートーベンのリート
ゲレルトの詩による六つの歌のなかに、自然における神の栄光があります。訳詩をご覧下さい。
天は永遠なるものの誉れをたたえる
その響きは彼の名をはるかに伝える。
地は彼をたたえ、海も彼をたたえる。
おお人よ、それらの聖なる言葉を聞け!
数知れぬ、空の星を支えるのは、だれ?
太陽を臥床から連れ出すのは、だれなのだろう?
太陽は昇り、光を放ち、遠くから私達に微笑み、
勇者の如きにそのみちを突き進んでゆくのみ。
宗教的暗黒なる時代を抜け出した人々が、声たからかに自然に対する感謝の気持ちを謳歌したものだと思います。
彼らは私達日本人が、世界人類史の中でも類まれなる安穏なる暮らしをしていた時、彼らがはじめて手にした幸福感に酔いしれていたのではないでしょうか。
私は日本人とドイツ人との間に、ある共通点があるように感じます。
それは私達が八百万の神を信じていたように、彼らもキリストのみならず、自然、奥深き森にたいして畏敬と崇拝する心を持っていたのではないでしょうか。
欧州国家の繁栄と日本国の衰退
私は以前、もっともらしい数字を出して説得しようとする人には 疑ってみなさいと申し上げました。
よって今回は皆様でお調べ下さい。
15年前より貧しくなっているわが国と比較して、
スイスを始めとする欧州の国々は数倍豊かになっています。
千と千尋の神隠しをご覧になりましたか。
神々が食すべき供物を食べようとして、ブタに姿を変えられた人々の物語を、
私たちは「自然における神の栄光」を忘れていませんか。