数学: 頻出問題を手早くが合否の分かれ目になる
《出題傾向》
問題量が多く、ほぼ穴埋め形式のやや難の問題が頻出
上智大の入試問題の大きな特徴は、全学部とも分量がかなり多いことである。出題形式は理工学部のA方式の第1問以外はすべて穴埋め形式であり、唯一の記述形式の問題には、毎年証明問題が出題される(2012年は余弦定理の証明)。したがって、出題の大部分である穴埋め形式の問題の中で、いかに無駄なく全問に目を通し、速く答えの数値にたどり着くかで合否が分かれるだろう。ただし、問題は難しめであり、複雑な場合分けが必要な問題もあり、作業量も決して少なくはない。特に文系学部の入試は難しい。
また、全学部とも図形問題にやや偏りがあり、理系の場合であれば、数学IIIの面積・体積を求める問題の中で図形を把握しなければ、面積・体積を求める計算に入れない問題なども出題された。また、数学I・A、II・B の中からも立体図形の問題が多く出題される。これ以外にも漸化式、確率の問題が頻繁に出題される。
《攻略ポイント1》
立体図形は四面体の問題を強化する
頻出問題である空間図形の問題としては四面体に関する問題が多い。例えば、正四面体の高さ、体積、内接球の半径、外接球の半径などは正確に速やかに求められるようにしておこう。また、一般の四面体に対しても体積、内接球の半径などが誘導付きで出題される可能性もあり、解決の方法は初等幾何、ベクトルなどさまざまである。一般的なことでもあるが、立体図形の問題は普段から自分で図を描いて考えることが大切である。
《攻略ポイント2》
多くの知識を身につけ、公式は覚えておく
上智大の場合は、「公式はその場で導いてから使う」よりも「公式は覚えておく」方が有利である。
例えば、座標平面上で3点 O(0,0),A(a,c),B(b,d) を頂点とする三角形OABの面積は 1/2|ad-bc| であるが、このような公式や三角関数の加法定理周辺の公式は導いてから使うのではなく、覚えておく方がよい。知識だけで解ける問題も少なくないからである。
《攻略ポイント3》
大問の最初の設問は必ず目を通す
時間が足りなくなりがちな入試問題であるから、最後まで到達しないで時間切れになることもある。その一方で、各設問の最初の問題はそれほど難しくもない。1つの問題に時間をかけすぎて、これらの簡単な問題を残さないことだ。