文部科学省は国公立大学2次試験前期日程個別学力検査について、初日である2月25日1時限目の受験状況を発表した。欠席率は前年度比0.2ポイント増の6.0%。北海道大学や名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学などで欠席率が前年度と比べ増加した。
国公立大学2次試験の前期日程個別学力検査が2月25日より行われている。初日1時限目の受験状況は、国立81大学382学部で受験対象者18万7,488人、出席者17万7,171人、欠席者1万317人、受験対象者数に対する欠席者数の割合(欠席率)5.5%で、前年度の5.3%と比べ0.2ポイント増加。公立大学78大学159学部で受験対象者5万4,586人、出席者5万353人、欠席者4,233人、欠席率7.8%で、前年度の7.7%と比べ0.1ポイント増加した。
初日の欠席率を大学別にみると、北海道大学は前年度比0.1ポイント増の2.4%、東北大学は前年度と同じ7.5%、東京大学は0.1ポイント減の1.2%、名古屋大学は0.1ポイント増の7.1%、京都大学は0.2ポイント増の1.8%、大阪大学は0.8ポイント増の2.6%、九州大学は0.8ポイント増の4.3%。
特に欠席率が高かったのは、兵庫教育大学19.9%、上越教育大学17.9%、宮城大学17.1%、愛媛県立医療技術大学15.6%、群馬県立女子大学15.3%、徳島大学15.2%など。
前期日程の合格発表は、国立大学が3月6日より順次行われ、東京大学と京都大学は3月10日に行われる。
国公立大2次試験の前期日程が25日に始まった。前期では全国163大学558学部の募集7万9833人に対し、25万8922人が志願し、志願倍率は前年と同じ3.2倍だった。合格発表は公立大が3月1日以降、国立大が同6日以降。
東京大本郷キャンパス(東京都文京区)の正門前では、保護者らが受験生を激励して送り出した。理科1類を受験する岡山県立高校の男子生徒(18)は「とても緊張している。数学の研究がしたいので、頑張って合格したい」と話した。
2次試験の受験生を大学入試センター試験の結果で「門前払い」する2段階選抜は25大学40学部で実施され、計3073人が不合格となった。中・後期日程を含めた2次試験全体では、計166大学の募集10万372人に対し、志願者47万786人で、志願倍率は前年と同じ4.7倍。中期日程は3月8日から、後期日程は同12日から始まる。
後期日程などを含めた学部系統別の志願倍率は、人文・社会が5.0倍、理工が4.4倍で、それぞれ前年より0.1ポイント上がった。このほか▽医・歯5・2倍(前年5.4倍)▽薬・看護5.5倍(同5.5倍)▽教員養成4.0倍(同4.0倍)。
2017年の国公立大の最新志願状況が明らかになった。主要66校の動向に注目。暫定トップは千葉大で、神戸大、東京大などが追う状況となった。今年は各大学で学部の改組や新設が相次いでおり、新たな選択肢に対して、受験生がどう動いたかも注目だ。
文部科学省が公表した最終日出願状況(2月1日)によると、千葉大は1万1087人で倍率は5・2倍となった。
千葉大は医学部や園芸学部など幅広い学部を持つ首都圏の総合大学として知られ、昨年は国際教養学部を開設した。
「若い人たちは『多種多様な人に出会い、刺激を受けたい』との思いが強く、総合大学は根強い人気だ。加えて今年は、センター試験の点数が文系が上がり、理系が下がったことで、受験生が難関大を避け、準難関大を目指す安全志向に動いている」
受験関連の情報分析に定評のある安田はそう指摘する。医学部では集団強姦事件で学生や研修医が立件されたが、直接的な影響は出ていないようだ。
千葉大とともに1万人台に乗せた神戸大(倍率4・3倍)も総合大学としての強みを生かしている。今春、国際文化学部と発達科学部を再編統合し、国際人間科学部を新設予定。大阪大が後期日程を廃止した影響で、志願者の取り込みにも成功しているとみられる。
後期日程を廃止した東京大は今年も1万人台に乗せられず、9452人(同3・2倍)にとどまったが「文1、文2が志願者を集めている。センター試験の文系の平均点が上がったことからも、手応えを感じた受験生が多かったのでは」と安田氏。理系より文系学部の人気が高い「文高理低」の傾向は国立大でも顕著となった。
今年は、教員免許を取らずに卒業できるいわゆる「ゼロ免課程」を廃止する大学が相次ぐのも特徴だ。
ゼロ免課程は教員に余剰があった時代に設置されたものだが、教員免許の取得を卒業要件としないことから、国立大入学の“狙い目”とみる志願者もいたようだ。
だが、国はすでに教員養成課程の重点化と併せ、廃止の方針を打ち出している。
これに対応する形で、茨城大、新潟大、熊本大、鹿児島大、琉球大がゼロ免許課程の募集を停止する。横浜国立大は今春、教育人間科学部を教員養成に特化した教育学部に改編、新たに都市科学部を開設する。「専門性を追求したいと考える学生への訴求力は高く、教員養成に特化した学部は人気を集めていくだろう」と安田は語る。
時代の要請にあった学部新設も相次ぐ。
倍率が昨年の5・9倍から6・5倍となった滋賀大(志願者数3971人)は今春、ビッグデータなどの活用機運が社会で高まっていることを背景にデータサイエンス学部を新設する。情報文化学部を発展改組して情報学部を設置する名古屋大(同4655人)も堅調に推移している。
「文科省は文系の定員を減らして、理系の定員を増やす方針を打ち出しており、各大学の学部の改組、新設はこの影響が色濃く反映された形だ。運営費交付金が毎年1%ずつ減らされるなど、国立大をめぐる環境は厳しさを増しており、大学側の危機感は強い。少子化のなか、古い体制を見直し、魅力ある大学に生まれ変わらせる改革の波は、国立大にも押し寄せている」(安田)
国立大も変化への対応が生き残りのカギとなっているようだ。
京都大学は2月16日、平成29年度(2017年度)一般入試・前期日程の最終募集人員を発表した。特色入試の入学手続き者数が確定した結果、前期日程で2,707人募集。また、東京大学は2,960人、大阪大学は2,968人を前期日程で募集する。
京都大学は、特色入試(法学部を除く)の入学手続き者数が募集人員に満たない場合、残余の募集人員を前期日程試験の募集人員に加える。その結果、前期日程の募集人員は文学部210人、法学部310人、医学部180人、工学部947人などとなり、合計2,707人募集する。
東京大学は、推薦入試の合格者数が募集人員に満たない場合、原則としてその不足数を前期日程試験の募集人員に繰り入れる。その結果、前期日程では文科一類401人、文科二類353人、文科三類469人、理科一類1,108人、理科二類532人、理科三類97人の合計2,960人募集する。
大阪大学は、世界的塾入試の入学手続き者が募集人員に満たない場合、その欠員分を前期日程の募集人員に加える。その結果、前期日程では文学部135人、法学部225人、経済学部213人、理学部222人、医学部256人、工学部793人などとなり、合計2,968人募集する。
そのほか、北海道大学は1,939人、東北大学は1,811人、名古屋大学は1,734人、九州大学は2,052人を前期日程で募集する。
大学入試情報は、主要私立大学の志願状況を公表した。2月17日現在の状況だが、多くの大学で志願者数は確定している。関東では、法政大学がもっとも多く、ついで早稲田大学となっている。
例年志願者が1万人を超える大学と、各地区の拠点大学のうち志願者数が判明した106大学を集計した。主要106大学の志願状況は、一般方式が171万1,043人で前年度比108%。センター利用方式は77万9,210人で前年度比107%。合計で249万253人となり、前年度比は107%となった。
関東の私立大学でもっとも志願者数(確定)が多かったのは法政大学で、一般とセンター利用方式の合計が11万9,206人。前年度比117%と大きく増えており、中でもセンター方式利用が前年度比122%となった。
ついで多かったのは早稲田大学で、一般とセンター利用方式の合計で11万4,983人。前年度比106%となり、一般方式は前年度比107%となった。10年連続で志願者数が10万人を超えている明治大学は、一般とセンター利用方式の合計が11万2,907人で、前年度比104%となった。
関西の私立大学で志願者数が10万人を超えたのは近畿大学で、一般とセンター利用方式の合計で12万6,049人。確定はまだしておらず2月17日現在だが、前年度比125%となっている。同大学は平成29年度から一部学部で入学定員を増加している。
全体概況として、早稲田、慶應義塾、上智、東京理科大学の「早慶上理」は前年度比105%、明治、青山学院、立教、中央、法政大学の「MARCH」は前年度比106%。日本、東洋、駒澤、専修大学の「日東駒専」は前年度比113%といずれも前年度を上回っている。
試験日 | 試験教科・科目 | 問題 | 解答 | ||
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1月14日(土) 第1日 |
地理歴史 | 表紙 | 世界史A | 問題を見る | 解答を見る |
世界史B | 問題を見る | 解答を見る | |||
日本史A | 問題を見る | 解答を見る | |||
日本史B | 問題を見る | 解答を見る | |||
地理A | 問題を見る | 解答を見る | |||
地理B | 問題を見る | 解答を見る | |||
公民 | 表紙 | 現代社会 | 問題を見る | 解答を見る | |
倫理 | 問題を見る | 解答を見る | |||
政治・経済 | 問題を見る | 解答を見る | |||
倫理,政治・経済 | 問題を見る | 解答を見る | |||
国語 | 表紙 | 国語 | 問題を見る | 解答を見る | |
外国語 | 表紙 | 英語(筆記) | 問題を見る | 解答を見る | |
表紙 | 英語(リスニング) | 問題を見る | 解答を見る | ||
音声を再生する 音量調整用音声 |
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スクリプト | |||||
表紙(別冊) | ドイツ語 | 問題を見る | 解答を見る | ||
フランス語 | 問題を見る | 解答を見る | |||
中国語 | 問題を見る | 解答を見る | |||
韓国語 | 問題を見る | 解答を見る | |||
1月15日(日) 第2日 |
理科(1) | 表紙 | 物理基礎 | 問題を見る | 解答を見る |
化学基礎 | 問題を見る | 解答を見る | |||
生物基礎 | 問題を見る | 解答を見る | |||
地学基礎 | 問題を見る | 解答を見る | |||
数学(1) | 表紙 | 数学Ⅰ | 問題を見る | 解答を見る | |
数学Ⅰ・数学A | 問題を見る | 解答を見る | |||
数学(2) | 表紙 | 数学Ⅱ | 問題を見る | 解答を見る | |
数学Ⅱ・数学B | 問題を見る | 解答を見る | |||
表紙(別冊) | 簿記・会計 | 問題を見る | 解答を見る | ||
情報関係基礎 | 問題を見る | 解答を見る | |||
理科(2) | 表紙 | 物理 | 問題を見る | 解答を見る | |
化学 | 問題を見る | 解答を見る | |||
生物 | 問題を見る | 解答を見る | |||
地学 | 問題を見る | 解答を見る |
大学入試戦線は後半戦に突入した。ここまでの出願状況からは、私立大の志願者増が見込まれる。倍率アップに伴い、入試が長期化する受験生が多そうだ。とはいえ、まだ受験できる大学のラインアップは充実している。冷静に対応したい。
私立大の出願状況が好調だ。1月31日時点で確定している主要90大学の志願者数は、前年比110%。「文高理低」の学部志望動向を背景として、経済や外国語、国際、商などの志願者数の伸びが大きい。理工系も前年並みで、倍率が下がっているわけではない。私立大人気の要因について、情報部部長は、こう話す。
「新課程になり、文系・理系ともに国立大の理科の負担が重くなったため、私立大を厚めに受けようと考える受験生が多いのでしょう。景気回復の影響で、地方の受験生が大都市の大学を目指す傾向が強まっている可能性もあります」
人気が上がる一方で、都市部の大規模私立大は、定員管理の厳格化により合格者を減らす傾向にある。これまでは入学者が定員の1・2倍を超えると、補助金不交付の対象となったが、16年入試は1・17倍が上限になった。今春は1・14倍とさらに厳しくなり、19年からは、定員を1人でもオーバーすると超過人数に応じて補助金が減額される。定員超過率を超えないよう、合格者を絞り込まざるをえない状況を見越して、青山学院大や東京理科大、立教大、南山大、名城大、立命館大、近畿大などで入学定員を増やしている大学もあるが、定員管理の厳格化で合格者が減少する分の増員であり、合格者が大幅に増えることはなさそうだ。
さらに、私立大の難化要因として、国立大の後期廃止の影響もある。昨年は東大が後期を廃止したため、早慶の志願者が増えて難化した。今春は大阪大が後期を廃止するため、同志社大や関西学院大の志願者が増えている。両校を中心に、関西の難関私立大は厳しい入試になりそうだ。このようなさまざまな要因により、私立大入試全体の難化は避けられそうにない。
そうした状況を背景に、入試が折り返しを迎えるこの時期でも合格校がない、もしくは第1志望校から合格通知が届かない受験生も多いことだろう。しかし、まだ今春の入試は終わっていない。まだ出願できる大学が数多くある。
有名大の倍率アップが見込まれる関西の難関私立大を目指す受験生には、立命館大と関西大の一般方式が残っている。センター方式なら関西学院大の再チャレンジとともに、立命館大や関西大にも出願可能だ。
首都圏の難関私立大に一般方式のチャンスはないが、センター方式なら中央大や明治大、東京女子大、日本女子大の受験が可能だ。情報部部長は言う。
「難関大の後期のセンター方式は募集人数が少なく、多数科目の方式が多いですが、その分、出願者が少なく倍率が低くなりがちです。国立大志望者にとっては、有利な入試です」
入試が後半戦に向かい、難関私立大の門は閉まりつつあるが、それらに続く有名大ならチャンスがある。これから一般方式で受験できる大学は、関東では駒澤大や専修大、東洋大、日本大など。中部では、金沢工業大や岐阜聖徳学園大、愛知大、中京大など。近畿では、京都産業大や龍谷大、大阪工業大、近畿大、甲南大などに出願できる。これらの大学の中で、注目されるのは3年連続で志願者数日本一の近畿大。現段階の志願者数の伸びは大きく、前期A日程だけで1万5877人増。後期試験に望みをかける受験生が多くいることだろう。
受験料の割引などを積極的に活用しよう
後期の入試は、前期の入試を経て精神的にも経済的にも厳しくなる。そうした時だからこそ求められるのは志望校研究。情報部部長は言う。
「受験料割引や一度の出願で複数の学部や学科の判定を受けられる大学が数多くあります。負担を軽減するためにも、志望校の受験システムを研究して積極的に活用するといいでしょう」
聖学院大はその年の入試に一度出願していれば、その後は検定料免除で何回でも受験できる。国士舘大は1受験3万5000円で2受験以上は一律4万円。摂南大はインターネット出願者の検定料を割り引き、阪南大は全ての入試が1万円で受験できる。このようにリーズナブルに受験できる大学は数多くある。
また、一度の出願で複数の学部(学科)を併願できる大学には、東京国際大や拓殖大、玉川大、大東文化大、立正大、近畿大、摂南大、阪南大などがある。
苦手な科目を避けた受験も
後期入試の志望校選びは、入試科目数にも注目したい。
「苦手科目が克服できずに前期の入試で失敗したのなら、苦手科目を外して少数科目で受験できる大学も選択肢の一つです」
東北学院大の前期は3科目入試だが、後期は2科目で合否を判定する。その他、国士舘大は体育学部を除き2科目で受験ができ、東京経済大は英語と国語の2科目、立正大は心理学部を除き、3教科受験して高得点の2教科で合否が決まる。関西では、追手門学院大が英語と国語の2科目で、大阪工業大は3教科を受験して高得点の2教科で判定する。前出の立命館大や関西大も、学部や学科によっては、2科目以下で受験可能だ。
思考力や意欲を合否の判定材料にするのは明治学院大。同大のB日程は、外国語プラス論文や講義理解力試験などで選抜する。国際医療福祉大も、薬学部を含め、学科試験1科目と面接により合否を判定する。
入試科目や受験料割引制度など、後期入試の志望校選びにあたってさまざまなポイントがあるが、大前提となるのは、後悔しない大学選び。情報部部長は、こう指摘する。
「今春は前期の入試が厳しい分、後期の入試の倍率が上がると思います。それでも、受験生は入試シーズン中も学力が伸びますし、前期の入試で受かるべき人は抜けています。弱気にならず、少なくとも合格したらそこに通いたいと思える大学を選んでください」
志望校の再選択の時間は限られているが、インターネット出願が一般的になり、出願締め切り直前まで検討できる。後期も厳しい入試が予想されるが、最後まで諦めずに合格を勝ち取りたい。
文部科学省は15日、25日から始まる国公立大学入試の2次試験の確定志願者数を発表した。166大学567学部に47万785人が出願し、募集人員(10万372人)に対する志願倍率は4・7倍だった。倍率は、大学入試センター試験が始まった1990年以降、最低だった前年とほぼ同じだった。
国立(82校389学部)の倍率は4・2倍、公立(84校178学部)は6・4倍で、共に前年並みだった。センター試験の成績で受験者を絞る2段階選抜は、前期日程で25大学40学部が実施し、3073人が不合格となった。
大学入試情報センターは10日、2017年度入試の私立大学別志願状況について、同日時点での概要を発表。主要私立大学102校における志願者数は243万3516人で、前年度比7%増となったことが分かった。
大学グループ別の志願者数集計では、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学からなる「MARCH」グループが42万8520人(前年度比6%増)で、全国最多の人数。早稲田大学、慶応大学、上智大学、東京理科大学の「早慶上理」は23万8359人(同5%増)。関西では、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の「関関同立」が25万8962人(同5%増)と関西最多となった。
また、前年度からの増加率は、日本大学、東洋大学、駒沢大学、専修大学を含む「日東駒専」が同13%増と関東でトップ。関西では京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学の「産近甲龍」グループが同18%増と、関関同立を抜く増加率となった。
学部系統別出願率では社会科学系が同12%増加し、中でも社会と国際がそれぞれ同18%増、同20増%と系統全体の数値をけん引する人気を見せている。一方、学部単体で見ると、文系では心理が同3%減、理系では理・生命科学が同4%減、歯学が同10%減と、3学部が前年度の志望者数を下回った。
1月に実施されたセンター試験でも受験者数、現役志願率ともに増加している。
計50の国公立大学医学部医学科の2017年度入試志願者数は、前期日程試験は1万8010人で、全定員3686人に対して倍率4.9倍、後期日程試験は志願者数9962人で、全定員544人に対し18.3倍となったことが分かった(各大学のホームページ調べ)。
前期日程試験について大学別に見ると、前年度よりも志願者数を最も大きく伸ばしたのは、奈良県立医科大学の169.3%、以下、福井大学の157.3%、徳島大学の150.5%などと続いた。
一般入試枠の志願倍率が、センター試験後の志望状況から大きく変動したのは、熊本大学(2.6倍から5.3倍)、弘前大学(3.9倍から7.8倍)、愛媛大学(3.7倍から7.2倍)など。センター試験での志望倍率が4倍未満の比較的競争倍率の低い大学に流入した傾向が見られた。
国公立大入試は2月25日から前期日程試験が実施され、3月1日~10日までに合格発表が行われる予定。後期日程試験は3月12日から実施される。
表1 2017年度国公立大学医学部入試の志願者状況一覧 (前期日程)
![](https://www.m3.com/iryoIshin/contents/images/2017/170210na01b.jpg)
表2 2017年度国公立大学医学部入試の志願者状況一覧 (後期日程)
![](https://www.m3.com/iryoIshin/contents/images/2017/170210na02b.jpg)
2)各大学の学部は、医学科(または医学科に該当する募集単位)を対象に集計。東京大学については、理科Ⅲ類を掲載。
3)「志願者数」は、大学に提出された願書の数を集計した数値で、「志願倍率」は志願者数を入学定員で割った倍率を指す。
4) 地域枠等の特色入試については、個別に志願倍率を公開している大学は個別に掲載。公開していない大学は学科単位でまとめて掲載。
5)「志望倍率との比較」は、1月19日に掲載した志望倍率との変動率を掲載。
6)本データには、推薦入試や社会人入試は掲載していない。
国公立大の2次試験の出願が2月1日締め切られた。昨年までの「文高理低」の流れは今年も変わらないが、難関大の後期日程廃止の影響など、変化も出ている。
東京大は2月2日時点で、志願者数が9525人と昨年度より約250人多い。倍率が高くなったのは、3.3倍の文I、3.2倍の文II、4.0倍の理IIだ。
「昨年は文IIIの倍率が高く、文I・文IIは(倍率が低くて)2段階選抜がなかったため、今年は志願者が増えたと思います。理系は理Iが減り、理IIが増えました。東京工業大の前期の志願者数が昨年の3892人から4167人へと大幅に増えています。理Iから東工大へ志望変更があったと考えられます」(石原センター長)
なぜ志望変更が広がったのか。センター試験の国語が難しかったことと両大学の合否判定の違いが背景にある、と石原さんはみる。
東大は、センター試験と2次試験の合計で合否を決める。東工大はセンターの点数が基準点を超えていれば、2次の点数のみで判定する。今年のセンター・国語(200点満点)の平均点は、昨年より22.43点減の106.96点。国語で失敗した理I志望の生徒が、東工大へ流れたとみられる。
もう一つ、石原さんが東工大人気の要因としてあげるのが、大隅良典栄誉教授のノーベル医学生理学賞受賞。基礎研究の大切さを訴えるメッセージが受験生の心に響いたのかもしれない。
京都大は、医学部人間健康科学科が専攻別募集から学科一括募集となった。昨年度は専攻別で1.7~2.7倍だった倍率が、今年度は4.4倍に。名古屋大は、新設の情報学部が倍率3.2倍と人気を集めている。
大阪大は新たに「世界適塾入試」(推薦入試とAO入試)を今年度から始め、文系・メディカル系の後期日程を新たに廃止した。東大の推薦入試や京大の特色入試も含め、推薦入試やAO入試を広げて後期日程を縮小する動きが続く。
こうした影響について、石原さんは「一橋大、お茶の水女子大、横浜国立大、神戸大、九州大など難関大の後期日程文系の志願者が増加しています」と話す。
たとえば、九州大は2月2日時点で、後期の志願者が2755人で前年より100人超増えた。倍率は8.8倍で、前年の8.4倍より上がった。また、大阪市立大は2月2日時点で後期日程の倍率が14.6倍と、前年の10.5倍より大幅に上がった。
私大入試が今、真っ最中だ。合格発表も女子大などで始まっている。そこで、最新の私立大一般入試志願者数ランク、2月3日現在=を紹介したい。
出願を締め切っていない大学も多いが、昨年の志願者を上回る私大が目立つ。大学通信の調査では、主要100大学の志願者は、昨年に比べて9%増えている。
入試担当者は「今年は昨年に比べて1万人ほど18歳人口が増えていることに加えて、文系人気の高い文高理低の学部人気から、文系学部の多い私立大が人気になっています」という。経済、経営、社会学部など、社会科学系で志願者が増えている。
それだけではない。大学に詳しい専門家は「大都市の大手大学は入学者を定員通りにすることが(文科省に)求められ、昨年は多くの大学で入学者を減らすため、合格者を減らした。その結果、2月試験が難化して不合格者も多くなり、3月試験の志願者が増えました。今年は、あらかじめ併願校を多くしているとみられます」という。
定員の1・2倍から2018年に1・1倍にする過渡期なのだ。これを超えると、文科省から助成金がもらえない。
志願者トップは近畿大。昨年まで3年連続日本一。すでに昨年を6000人も上回り、5年連続の志願者増となった。今年から920人の定員増を行い、少し広き門となった。20年の完成を目指し、東大阪キャンパスの整備が行われ、4月には図書館などが完成。近畿大は、クロマグロの完全養殖などで知られ、受験生の人気も高い。
2位には、昨年5位だった法政大が1万6000人も増やして躍進した。大学関係者は「センター試験利用入試で、今年から新しく国際文化学部も実施したことで志願者が増えた。」という。
5位の日本大までが、10万人を超えた。最終的なトップはどこか、今後の出願次第だ。
早稲田大学は2月6日、確定版の一般入試とセンター利用入試の志願者数を発表した。全学部5,550人の募集に対して、一般・センターをあわせた志願者数は11万4,983人、確定倍率は20.72倍。各学部の一般入試出願状況では、商学部の31.22倍が最高倍率となった。
願書は、センター利用入試と一般入試(英語4技能テスト利用型)が1月17日、一般入試が1月26日に受付を締め切った(締切日消印有効)。
一般入試における各学部の倍率は、政治経済学部が14.98倍、法学部が12.43倍、文化構想学部が21.50倍、文学部が19.63倍、教育学部が23.48倍、商学部が31.22倍、基幹理工学部が16.05倍、創造理工学部が12.85倍、先進理工学部が16.61倍、社会科学部が27.30倍、人間科学部が19.66倍、スポーツ科学部が16.97倍、国際教養学部が15.29倍となった。
出願受付分の受験票はすべて発送されており、2月12日の文化構想学部から一般入試の試験が始まる。以降は、2月15日に法学部、2月20日に政治経済学部、2月21日に商学部などと続き、社会科学部の2月22日まで実施される。
大学入試センターは2日、2017年度大学入試センター試験の実施結果の概要を発表した。
志願者の合計人数は57万5967人で、前年の志願者56万3768人から1万2000人ほど増加。実際の受験者人数は54万7892人、受験率は95.13%で過去2番目の高さだった。なお、現役生の志願率は43.9%と、過去最高を記録。平均受験科目数は5.55教科。
科目別平均点を見ると、前年度比から最も点数が上がったのは地学(100点満点)の53.77点で、15.13点の増加。次いで英語(筆記、200点満点)が11.30点増の123.73点だった。一方、科目中最も平均点が下がった国語(200点満点)は22.43点減の106.96点で、前年に比べて難化したとみられる。
国公立大学の2次試験の前期日程は、今月25日から始まる。
慶應義塾大学は2月3日、平成29年度(2017年度)一般入学試験の志願者数状況について、最終確定数を発表した。全学部の志願者数は合計4万4,845人、学部別では「商学部B方式」25.78倍、「医学部」23.20倍などが高倍率となった。早稲田大学は2月6日まで志願者数の更新を行う。
願書は1月20日まで、インターネット出願にて受け付けた。全学部3,758人の募集に対し、志願者数は前年度より48人増の4万4,845人。志願倍率は11.93倍となった。
学部別にみると、募集人員120人に対して志願者数3,094人の「商学部B方式」25.78倍がもっとも高い倍率となった。そのほか、募集人員68人・志願者数1,578人の「医学部」23.20倍、募集人員100人・志願者数1,854人の「薬学部薬学科」18.54倍、募集人員160人・志願者数2,563人の「理工学部学問4」16.01倍などが高い。
前年度より志願者数が増えたのは、「文学部」「法学部法律学科」「商学部B方式」「総合政策学部」など。一般入試の試験日は2月10日の「薬学部」から始まり、「法学部」が2月16日、「医学部」が2月19日に第1次試験を行う。
早稲田大学の2月3日時点の志願者速報によると、一般入試の募集人員450人「政治経済学部」には6,723人が志願、一般入試の募集人員350人「法学部」には4,304人が志願している。一般入試の出願締切は1月26日だが、志願者速報は2月6日までの間、毎日17時頃までに更新。一般入試の試験日は2月12日の「文化構想学部」から始まり、「法学部」が2月15日、「政治経済学部」が2月20日、「社会科学部」が2月22日に実施する。