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旅行記、世相独言

超人 葛飾北斎 -富士を超えてー

2017年10月17日 22時38分17秒 | イベント
超人 葛飾北斎 -富士を超えてー

(写真はクリックで拡大しますので、楽しんで下さい)

 現在、大阪・あべのハルカス美術館で開催中の「北斎 -富士を超えて-」を観賞してきました。
NHKが休館日の10月16日(月)に視聴者招待したもので、大英博物館との国際共同プロジェクトで、海外流出した多くの名品も含め見ごたえのある全219作品が展示されています。

            
小布施「北斎館」入口の北斎像         あべのハルカス「北斎展」のパンフ表紙   NHKネットクラブ特別観賞会

 北斎の偉業については、私から説明することはありませんが、今回観賞して改めて驚いたことが二つあります。

        
                       「北斎展」パンフより

 一つは、言わずもがな、彼の創造力、空想力、観察力、描写力、知力、体力。
多くの代表作が70代から亡くなる直前の90歳までに制作されており、70代世代の私にとって北斎が信じられないくらい精力的に制作活動を行ったことを再認識した次第です。

      
(左)『冨嶽三十六景』より「神奈川沖浪裏」(この波形状は5000分の1のシャッター速度で撮影すると得られる波形であることが実証)
(右)『冨嶽三十六景』より、〝赤冨士〟の別名で有名な「凱風快晴」

 今一つは、代表作「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」に描かれたあの波の形が実は実在し、5000分の1という高速シャッター速度で逆巻く浪を撮影するとあの波の形が撮れることが実証されています。ということは、彼の動体視力が極度に優れていたということでなく、優れた空想力を持っていたということでしょう。

  
(左・中)小布施「岩松院」2008年訪問(右)「岩松院」天井画『八方睨み鳳凰図』 最晩年の作品で、本堂に寝転ばって観賞しました。 

 私は10年ほど前、長野県小布施に行き、その時に初めて北斎の生の作品に出会いましたが、それらはいずれも80歳を過ぎた時の作品です。
 特に「岩松院」の天井画『八方睨み鳳凰図』の躍動感、北斎館・上町祭屋台の「怒涛 男浪、女浪」のまるでブラックホールのような宇宙観に深い感動を覚えました。
 そんな北斎は私には、超人としか思えません。

 
(左)小布施のパトロン高井鴻山の記念館(北斎は、83,85,86,89歳の4回、小布施に逗留しています。)
(右)小布施の北斎館 最初の写真の北斎の像が出迎えています。

 
(左)館内には2台の祭屋台がありますが、これは上町祭屋台。天井絵が「怒涛(男浪・女浪)」
(右)上町祭屋台の天井絵 祭屋台の天井画に、生涯追及した浪の集大成、男浪、女浪が描かれています。

      
(左)男浪(右)女浪(実際はもう少し濃いブルーですが、一番濃い渦巻のような部分はプルシアンブルー、その次の鉤形の波の濃い部分は藍を使っているようです。まるで、ブラックホールに吸い込まれていくような錯覚を覚えます。)

      
(左)小布施で買った「北斎漫画」本。 実に多種多様なモノが滑稽にスケッチされ、特に生物の肉体、骨格、筋肉の観察はすごい!
(右)パンフより。90歳、死の直前の作品。特に右の「富士越龍図」は生涯のテーマの一つ富士から昇天する龍を描いており印象的です。




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